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Cd値を追求した絶妙な傾斜角

10月8日、日産自動車(以下、日産)は新型『リーフ』の日本仕様『B7』グレードを発表した。発表に先駆け、最終プロトタイプをテストコースで試乗する機会を得たので、その印象を報告しよう。

【画像】日本仕様B7に初乗り!日産らしく真面目に作り込まれた新型『リーフ』 全160枚

今回の新型で3代目となる日産のCセグメントEV(電気自動車)、リーフ。6月にグローバル発表された新型リーフの写真を見たとき、少し違和感を覚えた。初代と現行型の2代目は、いわゆるコンベンショナルなハッチバックスタイルだったが、新型ではデザインを一新、次世代のクロスオーバーEVと謳って登場したからだ。


新型日産リーフの日本仕様『B7』グレードにテストコースで試乗。    日産自動車

だが、実車を目の当たりにすると、その違和感は解消された。写真で感じたよりもボディはコンパクトで引き締まっており、クロスオーバーとは謳っているが車高もあまり高くない。全長4360mmは従来型より120mmも短く、また北米仕様の新型より45mm短い。これは保安基準の関係で北米仕様はリアバンパーが大きいことが理由となる。

全幅は1810mm(従来型プラス20mm)、全高は立体駐車場に対応する1550mm、ホイールベースは2690mm(同マイナス10mm)、最小回転半径は5.3m(同マイナス0.1m)だから、サイズ的にも街中でも扱いやすそうだ。

理想的な空気の流れと十分な室内空間を両立させるため、ファストバックのシルエットを採用。リアウインドウの傾斜角は17度とかなり寝ているが、これは0.26というCd値(空気抵抗係数)を達成するのに最適なアングルだという。なお、リアウインドウは、これ以上寝かしても立ててもCd値は向上しないようだ。

掛け値なしのキャッチフレーズ

ステアリングホイールのむこうには12.3インチの大型デュアルディスプレイがあり、この景色は最近の日産車に共通したイメージ。物理スイッチを適度に採用した操作系も同様で、扱いやすい。

冒頭で日本仕様の『B7』グレードと紹介したが、これは78kWhのバッテリーと、160kW/355Nmを発生するモーターを搭載したモデル。130kW/345Nmのモーターを搭載した『B5』グレードは来年2月に発表予定だ。


キャッチフレーズは『スーッと滑らか。ずっと乗り続けたくなるクルマ』。    日産自動車

新型リーフのキャッチフレーズは『スーッと滑らか。ずっと乗り続けたくなるクルマ』。乗り出してみた印象は「ホントだ、スーッと走る!」だった。

EVではアクセルペダルを普通に踏み込んでも初期ゲインがけっこう強くて勢いよく発進するものもあるが、新型リーフはまさにスーッと発進し、そのままスムーズに加速してくれる。直線路で意図的にアクセルペダルをベタ踏みしても、ドンッとフル加速はせず、静かに力強く、しかも素早い加速を見せる。

減速も同様。eペダル機能を使えばアクセルペダルを戻しただけで強めに回生ブレーキが効くが、唐突ではない。上級グレードのGでは回生ブレーキ用のパドルがステアリングコラムに付くが、これをうまく使えば減速Gもスムーズにコントロールできる。

試乗時の路面は朝からの雨で少しウエットで、タイヤからのロードノイズがドライ路面より大きいせいか、むしろEVならではの静かさが強調されて感じられた。

パワートレインが発する音はきわめて小さく、また回生ブレーキ独特のヒュイーンという音もほとんどしない。100km/h以上の高速走行ではドアミラーまわりの風切り音が少し気になったが、これも他の音が小さいゆえのことかもしれない。

来年2月には『B5』が登場予定

ドライブモードはスタンダードがデフォルトで、エコでは少し加速が弱いが市街地走行なら問題ないレベル。スポーツはレスポンスが良く、アクセルペダルオフでの減速も強めとなる。

試乗車はプロパイロット2.0も搭載。今回は単独走行なので車線変更や前車追従などは試せなかったが、レーンをきれいにキープして走り、また標識の速度表示に合わせてワンタッチでアダプティブクルーズコントロールの速度設定を変えられる。高速走行はきわめて快適に過ごせそうだ。


ファストバックスタイルとはいえヘッド&フットスペースは十分だ。    日産自動車

後席にも乗ってみた。身長172cmの筆者がドラポジを決めその後ろに座っても、ファストバックスタイルとはいえヘッド&フットスペースは十分。不整路面を走ったときの突き上げをいなす感じなども、前後席で変わりはないようだ。また、Gは19インチ、Xは18インチとタイヤサイズは違うが、テストコースでの試乗では乗り味に大きな違いは感じられなかった。

テストコースでの印象は、長年EVを作ってきた日産らしい、真面目に作り込んだクルマだなと思わせてくれた。

ワンタッチパワーウインドウはGでも運転席だけとか、Xのテールゲートは開けるのに少し力が要る(Gは電動開閉)とか、些末な部分で気になる点もあった。だがそれは、全体の出来が良いから気になったとも言える。

今回発表されたGとXでは、内外装や快適装備にけっこう差がある。気になる人は、まずは試乗してみて、予算に合わせて検討するといいだろう。来年2月に登場するB5でも性能的には十分だろうから、それを待つという手もあるかもしれない。

日産リーフのスペック

日産リーフB7 G
[ ]内はB7 X

全長×全幅×全高:4360×1810×1550mm
(プロパイロット2.0装着車の全高は1565mm)
ホイールベース:2690mm
最低地上高:135mm
車両重量:1920[1880]kg
最小回転半径:5.3m
一充電走行距離:685[702]km
(プロパイロット2.0装着車は670[687]km)
交流電力量消費率:133[130]Wh/km
(プロパイロット2.0装着車は137[133]Wh/km)
モーター型式:YM52(交流同期電動機)
最高出力:160kW(218ps)
最大トルク:355Nm(36.2kg-m)
バッテリー総電力量:78kWh
WLTCモード航続距離:685[702]km
(プロパイロット2.0装着車は670[687]km)
駆動方式:FWD
サスペンション:Fストラット Rマルチリンク
タイヤサイズ:235/45R19[215/55R18]
価格:599万9400円[518万8700円]


日産リーフB7 X    日産自動車