広告を垂れ流しする代わりに無料でゲットできる55インチ4Kテレビが「Telly」です。このTellyを3カ月間利用した感想を、テクノロジーメディアのThe Vergeがまとめています。

I spent three months with Telly, the free TV that’s always showing ads | The Verge

https://www.theverge.com/televisions/777588/telly-tv-hands-on-ads

「Telly」は55インチの4Kテレビの下に、スマートスクリーンという2つ目のディスプレイが搭載されているダブルスクリーンテレビです。このスマートスクリーンでは常に広告が表示されるのですが、代わりにユーザーはTellyを無料でゲットすることができます。

無料で55インチ4Kダブルスクリーンテレビ「Telly」が配布される予定、2つ目のスクリーンで常に広告を表示 - GIGAZINE



テクノロジーメディアのThe Vergeが、Tellyの販売元であるPlutoの共同創設者であるイリヤ・ポジン氏にインタビューした記事もあります。イノベーションの少ないテレビというプロダクトに「無料で入手できる」というアイデアをもらした点以外にも、懸念されるプライバシー面の問題などについても語られているので気になる人はチェックしてみてください。

無料でゲットできる代わりに常時広告が表示される55インチ4K対応ダブルスクリーンテレビ「Telly」はどんなテレビなのか? - GIGAZINE



The Vergeのライターであるエマ・ロス氏はTellyを入手し、3カ月間実際に使用した感想を記しています。

Tellyを起動すると、Netflixや他のアプリケーションを開く前に、AIで再現された女性司会者が映り視聴者にあいさつしてくるそうです。リモコンでTellyの電源を切ってもスマートスクリーンは点灯し続けるため、完全にスマートスクリーンを消すには本体の電源ボタンを3秒間長押しする必要があるとのこと。

このスマートスクリーンには広告以外にも、スポーツの試合のスコア、天気、株価、ニュースの見出しなども表示され、表示する内容を追加・削除することもできますが、広告を非表示にすることはできません。表示される広告には、QR コードをスキャンするように指示するものや、リモコンのボタンを押して上部のディスプレイに表示内容を移動させて詳細情報を表示するように指示するものなどがあります。動画広告には音声はありませんが、「近くで見ないと読みにくい」という小さな字幕が表示されるそうです。また、表示される広告は必ずしもテレビで再生されているコンテンツと関連性があったり新鮮だったりするわけではないそうで、連続で同じ広告を見せられることもある模様。



Tellyを入手するにはTellyを家庭のメインのテレビとして使うこと、常にインターネット接続を維持すること、定期的に視聴することが求められます。これらの条件に違反すると、Tellyは回収されてしまうケースもあるとのこと。ユーザーが返却に応じない場合、500ドル(約7万5000円)が請求されるそうです。ただ、ロス氏が3週間Tellyをオフライン状態にして放置しても、警告や返却要請は届かなかったそうです。

Tellyの55インチ4Kディスプレイの画質について、ロス氏は「及第点」と記しました。また、ロス氏は「暗所ではザラつきが出ることもありますが、6ドライバーのサウンドバーは音質が良く、RGBバックライトもカスタマイズ可能」と記しています。

TellyはAndroidベースのカスタムOSを採用しており、SpotifyやZoomといったアプリがプリインストールされているそうです。ただし、NetflixやDisney+などはGoogle TVドングルを使って呼び出す必要がある模様。

Tellyにはプライバシー用シャッター付きのカメラとマイクが内蔵されています。利用規約では、視聴した映像・音声・利用チャンネル・視聴時間・テレビ前にいるユーザーの物理的存在を検知すると明記されているため、「ユーザーの視聴習慣や会話、カメラ映像がTellyに送られる可能性があるのでは」とロス氏は不安を覚えたそうです。ただし、カメラはZoom等のカメラを利用するアプリを起動した時だけ開く仕様になっており、画質もMacBook Airの内蔵カメラと同程度だったとロス氏は評しています。



スマートスクリーンは音楽再生アプリの再生バーとしても利用可能で、動画を流している間でも使えるようになっている模様。ただし Spotifyを利用するとメイン画面全体が占有されてしまい、スマートスクリーンに再生バーを表示することはできなかったそうです。

カメラを利用したフィットネスアプリの「Gofa」やゲーム(Flappy Bird, Whack-a-Moleなど)も搭載されており、Kinectのようにユーザーの体の動きを検出することが可能です。

ロス氏はTellyについて、「従来のテレビ体験を大きく変える挑戦」と表現していますが、「無料でテレビ本体・サウンドバー・RGBライト・カメラなどが手に入る点は魅力的ですが、絶え間ない広告表示やソフトウェアの完成度不足、プライバシー面の懸念などから、テレビにはやはりお金を払う価値があるとの印象を抱いた」と実際に3カ月使用した感想をまとめています。