アルゼンチン代表にも名を連ねるマスタントゥオーノ。超絶技巧で決定的な仕事に絡むレフティだ。(C)Getty Images

写真拡大 (全2枚)

 浦和レッズがクラブワールドカップ(CWC)に臨む。グループEで6月18日にリーベル・プレート(アルゼンチン)、22日にインテル(イタリア)、26日にモンテレイ(メキシコ)と対戦。世界の強豪クラブにどう立ち向かうか。本稿では初戦の相手となるリーベルを分析する。

――◆――◆――

 アルゼンチンの名門はリーグ優勝38回を誇り、南米王者を決めるコパ・リベルタドーレスを4度も制している。2024年の同大会は準決勝でブラジルのアトレチコ・ミネイロに敗れたが、今年の大会ではここまでグループステージを首位通過。8月に行なわれるラウンド16で、パラグアイのリベルターと対戦する。国内リーグでもグループBで2位につけており、良好なチーム状態でCWCに臨めそうだ。

 監督は元アルゼンチン代表MFのマルセロ・ガジャルド。クラブのスーパーレジェンドであり、2014年から22年まで監督を務めて、数多くのタイトルをもたらした。一時、サウジアラビアのアル・イテハドで指揮を執っていたが、昨年に戻ってきた。4−3−3のシステムをベースに組み立て、左右のウイングなどが積極的に仕掛けて、鋭いフィニッシュを繰り出す。

 最大の注目選手は右ウイングのフランコ・マスタントゥオーノ。17歳でアルゼンチン代表に名を連ねる新たな“神童”で、リーベルでも大半のチャンスは彼の左足から生み出される。トリッキーかつ正確なボールタッチで、縦に仕掛けるだけでなくディフェンスの合間に潜り込んで、決定的なシュート、クロス、スルーパスに結びつける。
 
 すでにレアル・マドリーからビッグオファーが届き、大会後に渡欧することが報じられている天才レフティを誰が止めるのか。浦和は長沼洋一と荻原拓也が左サイドバックの候補だが、起用された選手は勝敗に関わる、大きな使命を負うことになる。

 決定的なチャンスを生み出すマスタントゥオーノにも匹敵する、リーベルの重要選手が39歳のMFエンソ・ペレスだ。運動量に限りはあるが、絶妙なポジショニングと読みで相手の攻撃の芽を摘み取り、自分たちの攻撃にガイドラインを定める。

 大ベテランの相棒役を務めるコロンビア代表MFケビン・カスターニョは、所狭しと走り回って、中盤からダイナミックに飛び出すリーベルのモーターだ。4−3−3のリーベルにあって、このペレスとカスターニョ、さらにボール奪取能力と展開力に優れる35歳のMFイグナシオ・フェルナンデスというトリオが中盤のファーストセットだ。

記事:【クラブW杯|E組展望】大本命のインテルにも不安要素。浦和が初陣のリーベル戦で活かしたいメリットは?
 左ウイングのファクンド・コリーディオは、右のマスタントゥオーノと違った意味で危険なアタッカーだ。ベルギーのシント=トロイデンで、多くの日本人選手とプレーした経験があるコリーディオはオフ・ザ・ボールの動きに優れており、右からのクロスをファーサイドで合わせてくる。マスタントゥオーノはもちろんだが、右サイドバックのファブリシオ・ブストスとの相性が良い。

 ディフェンスはキャプテンでもあるGKフランコ・アルマーニが統率するが、アルゼンチン代表のDFヘルマン・ペッセッラを中心とした最終ラインはもちろん、ボランチや攻撃的なポジションの選手も含めて、コレクティブにプレッシャーをかけてくる。
 
 そこでいかにボールを失わず、守備の隙を見出してボールを運んでいけるか。組み立てではサミュエル・グスタフソン、持ち上がりではマテウス・サヴィオの果たすべき役割が大きくなりそうだ。

 リーベルはセットプレーの得点力も高く、マスタントゥオーノが左足、カスターニョが右足でゴール前のターゲットに正確なボールを送り込んでくる。浦和もデザインされたセットプレーを強みとするが、守備でやられないように、しっかりと対策を立てて全集中で防いでいきたい。

文●河治良幸