日本の有名スキー観光地、8割が外国人観光客!? 「Visaの決済データ」から見えた驚異のインバウンドパワー
インバウンド消費の勢いが止まりません。JNTO(日本政府観光局)によると、2024年の訪日外国人数は前年より50%近く多い約3700万人。過去最高だった2019年を500万人も上回りました。同旅行消費額も約8.1兆円で過去最高になっています。

けん引役の一つがスキーやスノーボードなどのウインタースポーツです。日本は雪質がよく、海外の愛好家からは「ジャパウ」(ジャパンパウダースノー)の造語で愛されています。世界的なスキー場、リゾートとして評価が急上昇しているのです。

国際決済ネットワークブランド「Visa」によると、こうした海外のウインタースポーツ愛好家が、スキー場のある地方はもちろん、全国の観光消費に大きなインパクトを与えているといいます。

Visaは加盟店や地方自治体などにマーケティングの参考にしてもらおうと、「Visa Destination Insights」を活用して、ユーザーの国や地域、使った金額などの匿名ビッグデータを分析しています。分析結果をくわしく紐解いてみましょう。

●スキー観光地、訪問者の8割が外国人?


新型コロナ禍で大きく減った訪日外国人数は、円安もあいまって2022年ごろから急激に回復。2024年には訪日外国人数、同旅行消費額ともに過去最高を記録しました。

勢いは衰えず、年が明けた2025年1月には、単月レコードとなる約380万人の外国人が日本を訪れています。中でも2024-2025シーズンのスキー場は外国人観光客で大にぎわいだったようです。

Visaが、2024年11月16日〜2025年2月15日までの3カ月間をスキーシーズンと定義し、Visaカードの利用者動向を分析したところ、現在スキー観光地を訪れる人の80%近くが外国人観光客なのだといいます。
(対象地域:ニセコ、倶知安町、蘭越、山ノ内、山形、富良野、野沢温泉、白馬、湯沢)

特に人気があるのは、ニセコ(北海道)で海外からのスキー観光客の約半数が訪れています。外国人でにぎわう様子をニュースでみたという人も多いのではないでしょうか。

2番目は白馬(長野県)でこちらは海外からのスキー観光客の約35%が訪れています。3番目の富良野(北海道)は近年人気が急上昇中。外国人観光客もですが、日本人からの支持も急増しているそうです。

外国人観光客が底上げしたことで、2024-2025シーズンのスキー観光地への総訪問者数は前年比で約40%も増えました※1。

ただし、消費額でみると増加率は約25%にとどまります。下図では2024年から消費額をあらわす赤線の傾きが、観光客数(青線)よりも緩やかになっているのがわかります。



理由は日本人観光客の財布のひもの固さとみられます。Visaのデータによると、日本人観光客の消費額は外国人観光客の4分の1程度なのだとか。確かに海外旅行では財布のひもが緩くなりがちですが、円安の影響もあるのでしょうか。

●「Visaのタッチ決済」が急速に普及


観光地からすれば、より消費額の多い外国人観光客への対応が重要とも言えるでしょう。そうした傾向を観察できるのが「タッチ決済」の利用率です。

一定金額以下の場合は、暗証番号やサイン、カードの受け渡しがいらないため、海外ではすでにタッチ決済が日常生活の中に溶け込んだ主流の決済手段となっており、日本でも普及が加速しています。

実際、分析対象となったスキー観光地では、対面取引の80%以上がタッチ決済で、利用率は2022-2023シーズンからの2年間で倍増しました※2。一方、日本人に限定すると、利用率は約55%にとどまり、まさに普及途上であることがわかります。



便利な決済方法は、より気軽にお金を使う行動につながると考えられます。実際、前述のとおりスキー観光地全体での消費額が前年比約25%増なのに対し、タッチ決済に限定すると約40%増だったそうです。

タッチ決済の利用率の差も、外国人観光客と日本人観光客との消費力の差を示唆しています。

●スキーだけで終わらない日本観光


日本人観光客の4倍もの消費をする外国人観光客ですが、その経済効果はスキー場周辺だけにはとどまりません。

Visaによると、海外のスキー旅行者の90%以上は、その後も日本各地を旅しています。しかも、スキー観光地以外で過ごす時間は、平均して9日もあるのだそうです。



エリアとしては、ウインタースポーツを楽しんだ北海道や長野の中をめぐるほか、東京や千葉、大阪が人気です。

意外なのは京都よりも山口が人気だということ。背景には、米紙ニューヨーク・タイムズの特集「2024年に行くべき52カ所」で「西の京都」などとして、山口市が日本から唯一選ばれたことがあるとみられます。

そのアメリカが訪日者の地域別では2番目でした。トップは南半球のオーストラリア。現地の人も真夏には冬が恋しくなるのかもしれません。



街中に行くことが多いこともあり、外国人観光客は1日平均だとスキー観光地滞在時よりも35%多くお金を遣っています。しかも滞在期間が長い分、消費額も大きくなり、日本経済に大きなインパクトを与えていると言えます。

特に大きいのはレストランへの出費で、宿泊よりも重視されています。日本食への期待のあらわれなのでしょう。逆に娯楽は唯一、スキー後のほうが低くなっており、スキー以上のお金を払って何か体験をするということは珍しいのかもしれません。



●「日本の桜」外国人に人気のシーズンへ


日本は現在春を迎え、外国人観光客にも人気の桜シーズンに入りました。

Visaによると、2024年の開花期間中は多くの主要都市で、外国人観光客数とその消費が顕著に増えたといいます。しかし、一口に外国人観光客と言っても、スキーの時期同様、どこを訪れたかや、どの国や地域から来たかなどによっても過ごし方は異なります。
※爆増する「訪日外国人観光客」は何を求めている? 桜の時期の「Visaの決済データ」から見るインバウンド需要はこちら

「季節や地域ごとの旅行者の行動と消費パターンに合わせたマーケティング施策を打ち出せれば、ビジネスチャンスの増大や顧客サービスの向上につなげられる可能性があります。
Visaでは、今後も『Visa Destination Insights』を通じて、ビジネスに役立つ情報を発信していきます」(Visa担当者)

※1 2024年11月16日から2025年2月15日と2023年11月16日から2024年2月15日の2つの異なる期間にスキー観光地で対面取引を行った、国内居住Visaカード保有者と非居住Visaカード保有者の両方を比較することにより特定。国内居住カード保有者の場合、過去6か月間に同じスキー先で取引をしていない人のみを含む。
※2 2年間とは、2024年11月16日から2025年2月15日までのスキーリゾートにおける非居住者Visaカード保有者による対面取引の合計に対する対面でのタッチ決済取引の割合を、2022年11月16日から2023年2月15日と比較して調査することで特定。


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