格下トルクメニスタンに苦戦。2−0で勝利したが...U-19代表が直面した課題とは? 佐藤龍之介は「クロスの質とかも選手の問題」
U-20アジアカップの予選。U-19日本代表にとって対戦国が格下であるのは明らか。第三者的な視点で見れば、「勝って当たり前」という空気はあった。
だが、アジアを勝ち抜くのは難しい。「何が起こるか分からない」と船越優蔵監督は試合前から警戒を強め、選手たちも誰ひとりとして油断せずに準備を進めていた。
各組の1位と2位の上位5チームが来年2月の本大会に勝ち上がるレギュレーションとあって、ひとつの敗戦が致命傷となるのはもちろん、1試合の得失点差も重要になる。来年5月のU-20ワールドカップの1次予選を兼ねている今予選は負けが許されず、トルクメニスタン戦は大量得点が求められるゲームでもあった。
日本は立ち上がりから主導権を掌握。守りを固められた中央をこじ開けるのではなく、サイドから切り崩しにかかった。クロスボールを主体に攻勢を強め、22分に左SB高橋仁胡(C大阪)の左クロスからFW神田奏真(川崎)がヘッドでネットを揺らした。
だが、その後も相手の堅守にてこずり、決定機が訪れても活かし切れない。後半開始早々の49分に右SB布施克真(日大藤沢)のお膳立てから再び神田が頭で決めたが、これ以降は日本に歓喜の瞬間は訪れなかった。
「相手が後ろに引きすぎて、やっぱり自分らのサッカーができひん」
試合後に郄橋が難しさを明かしたように、引いた敵を崩すには引き出しが少なく、決定力も欠いた。
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なぜ、そうした状況に陥ったのか。
チームの副キャプテンで4−4−1−1の1.5列目で起用されたMF佐藤龍之介(FC東京)は「前から(ボールを奪いに)来る可能性もあったけど、思ったよりも相手が引いてきた。そこは想定外」としつつ、原因をこう分析する。
「サイドから(ボールを)散らしたけど、真ん中に刺す縦パス、そこのクオリティやアイデアが低かった。クロスの質とかも選手の問題」
佐藤が振り返ったように、トルクメニスタン戦の日本は自陣にこもって守る相手を崩すには精度が低く、トライするアグレッシブさも物足りなかった。攻撃のスイッチを入れるようなパスや、スペースを作るオフ・ザ・ボールの動き。これらがもう少しあれば、スピードアップしてゴールに向かうことができたはずだ。
次のゲームは27日。中1日でミャンマーと対戦する。トルクメニスタン同様に相手は守りに重きを置いてくる可能性があり、今回の教訓を活かす場となる。
「経験しないと、チームとして対応していくのが難しい。良い勉強になったので、しっかりビデオを見て、もっとみんなで話してやっていきたい」とは佐藤の言葉。
今予選でしか味わえない守備偏重のチームとの対戦は学びになる。無駄なことはひとつもない。U-20ワールドカップ、そして28年のロス五輪を目ざすチームの戦いはまだ始まったばかりだ。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
