「“赤ちゃんが乗ってます”…だから何?」貼ると身勝手な運転の免罪符になる?「あなたが“BABY IN CAR”ステッカーを貼る理由」を聞いてみた
公道を走っていると、前の車に貼られた「ステッカー」に目を奪われることがあります。そのなかでも見かける頻度が多いのが、「赤ちゃんが乗っています」や「BABY IN CAR」といったステッカーかもしれません。
これらのステッカーに対しては、SNSなどでさまざまな意見が寄せられており、「赤ちゃんがいるからって、自分にどうしろというのか」と困惑する声も聞かれます。
これらのステッカーの目的として、「万が一の事故の際、自分で助けを求められない乳幼児が車内に取り残されないための目印になる」といった見解もありますが、実際に貼っている人たちはどのような理由で装着しているのでしょうか。
せっかくもらったし…とくに理由はナシ?
まず話を聞いたのは、軽自動車に「BABY IN CAR」のステッカーを貼り付けた女性。理由について聞いてみると、返ってきたのは意外な答えでした。
「子どもが生まれたときに、友達からお古をもらったんですよね。普通に色々とベビーグッズのお古をもらうついでに、『そうだ、これもいる?』みたいな感じで。
『いらないなら捨てるけど』くらいだったので、まぁそれなら一応もらっとこうと。正直貼る目的とかはよくわからないですが、『せっかくもらったし』と、とくに意味もなくつけています。
なんというか、それを貼るのが一種の親になった儀式みたいな。そういう面もあるのかもしれないです」(30代女性)
とくに何かの効果を期待しているわけではなく、譲ってもらった流れで貼っているとのこと。「儀式」という言葉にもあるように、一種の縁起物としての意味合いもあるのかもしれません。
「パパの自覚」を持つきっかけに
続いて話を聞いたのは、ミニバンに同じく「BABY IN CAR」のステッカーを貼った男性です。こちらの方も、何か明確な理由があるわけではないようで……。
「なんというか、タイミングですかね。第一子が生まれたのがコロナ禍の最中で、出産にも立ち会えなかったし、退院までまったく会えなかったんですよ。
それでまぁ、ソワソワしながら色々退院後の生活に向けて準備をしていたんですけど、チャイルドシートの保護マットを買おうとカー用品店に寄ったとき、たまたま目について。引き寄せられるみたいに手に取ってましたね。
今思うと、自分の子が生まれた実感が持てないなかで、『自分はパパなんだ』と言い聞かせる意味もあったのかなと思います。退院日、それを貼った車で迎えに行き、気づいた妻が笑っていたので、なんだかんだ2人目が生まれた今でも貼っていますね」(40代男性)
こちらのお話にもあるように、「親になった実感を持つきっかけ」としての側面は意外に大きいと考えられます。意識を切り替えるうえで、「お守り」や「おまじない」に似た意味があるのでしょう。
「お先にどうぞ」みたいな感じで…
さらに、「子どもができたら貼るのが当たり前だと思っていた」という人も。ミニバンに「赤ちゃんが乗っています」のステッカーを貼っていた男性に話を聞くと……。
「なぜかわからないですけど、自分にとっては初心者マークと同じように、『子どもができたら貼るもの』みたいな感覚でしたね。
周りの車に配慮してほしい、というよりは、『お先にどうぞ』的な意味合いが強いと思います。トラックの『法定速度遵守車』みたいな。
まぁでも、『赤ちゃんが乗っています』って貼っている車でも、かなりかっ飛ばしている車もいますし、貼っている理由は全然違うんでしょうね」(30代男性)
このように、周囲のドライバーに何かの配慮を求めているわけではなく、「赤ちゃんを乗せているのでゆっくり走ります」といった姿勢を伝えるために貼っている人もいるのでしょう。
また法定速度で走っていても、あおり運転に遭遇するといった可能性は考えられるため、そうしたリスクを少しでも減らそうという面もあるのかもしれません。
ペーパードライバーなので念のため
さらに、コンパクトカーに「BABY IN CAR」のステッカーを貼る女性も、これに近い理由を話してくれました。
「もともと運転が得意ではなくて、自分たちの車を持つようになったのも子どもが生まれてからなので、『ごめんなさい、この車遅いです』みたいな気持ちで貼っています。
いっそ『ペーパードライバーが運転しています』的なステッカーの方がよかったですかね? 『BABY IN CAR』の方がパッと見ではわかりやすいですけど……」(20代女性)
たしかにそれまで運転経験がなくても、子どもができたことで車を持つようになるケースは少なくないでしょう。必要に駆られて車を運転することになり、こうしたステッカーに初心者マークに似た効果を期待する、という面もあるようです。
ちなみにここでお話に挙がった「ペーパードライバー」のステッカーは、現にさまざまな種類の商品が販売されています。なかには「車線変更が苦手です」など、ピンポイントな苦手意識を表明するステッカーも。
もちろんそれらはジョークグッズとしての側面も強いと思われますが、現実に「ペーパードライバーが運転しています」というステッカーを目にしたら、「ちょっと距離をとろう」と思うドライバーもいるでしょう。
ここまで見てきたように、自分の車にステッカーを貼る意味としては、「周りの車へのアピール」という側面のほか、「自分の意識」に関わる部分も大きいと考えられます。実のところ、「合理的な理由」でステッカーを貼っている人は、それほど多くないのかもしれません。
