インタビューに応じるNTTドコモの井伊社長(14日、東京都千代田区で)

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 NTTドコモの井伊基之社長(62)は、3月から始める携帯電話の割安な新サービス「アハモ」について、発表から約1か月後の11日時点で55万人が事前申し込みをしたことを明らかにした。

 主力の携帯事業は料金値下げで減収が見込まれるため、金融事業の強化に向けて他社との連携を進める方針も示した。

 井伊氏は14日、読売新聞のインタビューに応じた。

 井伊氏は申込数について、「想定をはるかに超えている」と述べた。アハモは、昨年12月に発表した月間データ容量が20ギガ・バイト(GB)で税抜き月額2980円の新サービス。契約をインターネットだけで受け付け、販売経費を抑えて割安な価格に設定した。若年層を中心に人気を集めているという。

 ドコモは、自社で格安ブランドを持つKDDIやソフトバンクと比べ、低価格帯のプランが不足していた。他社への顧客流出が続き、2020年3月期の営業利益は大手3社で最下位に転落した。アハモは顧客奪還の目玉策で、井伊氏は「ドコモは高いというイメージをなくす」と強調した。

 現在検討を進める小容量プランでは、格安携帯事業者との連携を検討する考えを示した。ドコモは、主に従来型携帯電話(ガラケー)向けで26年3月にサービスを終える第3世代(3G)通信サービス「FOMA(フォーマ)」の契約数が約1000万に上る。3Gの利用者はスマートフォン移行時も小容量のニーズが強いとみられ、井伊氏は魅力的なプランを出して「顧客を防衛していく」と述べた。

 通信以外では「金融を強化する」と強調した。競合2社がキャッシュレス決済や住宅ローン事業などに注力する一方、「ドコモ口座」を巡る不正出金問題などで出遅れている。ドコモは三菱UFJ銀行と金融事業で包括提携する方針だ。これについて井伊氏は言及しなかったが「全部自前ではできない。良いパートナーが必要」と語った。保険事業なども含め、他社との連携強化に意欲を見せた。

 大半のサービスを停止しているドコモ口座は、安全対策を強化した上で、早ければ3月までに順次再開したいとの意向を示した。