アスタリスク公式サイトより

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 大阪のIT関連企業アスタリスクが、ジーユー(GU)各店舗で展開されているセルフレジにおいて、アスタリスクのRFID読取装置関連特許を侵害しているとしてジーユーに対し、6月16日付で大阪地方裁判所に特許権侵害行為差し止め仮処分命令を申し立てた。

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 アスタリスクは、RFID読取装置で商品のICタグを読み取り、買い物かごをレジのくぼみに置くだけで決済できる仕組みの特許を昨年1月に取得している。同年2月から「ユニクロ(UNIQLO)」が同様の仕組みのレジを店頭に導入していることを受け、アスタリスクはユニクロに対し、特許の使用に対するライセンス契約の締結を要求したが、契約締結には至らなかった。アスタリスクは更なる交渉による解決は困難と判断し、ユニクロを擁するファーストリテイリングを相手取り同年9月24日付で特許権侵害行為差し止めの仮処分を求めて東京地方裁判所に申し立てた。仮処分の申し立てに対してファーストリテイリングは、特許そのものが無効であるとして特許庁に無効審判を請求。審理は進行中で、仮処分申し立ての結果は今年初頭に出る予定だったが、新型コロナウイルスの影響で裁判所や特許庁が業務を縮小し、審理が一時停止の状態になっていた。

 訴訟に進展が見られない中、今年3月頃からはジーユーの店舗でも同様の仕組みのレジが導入されていることが発覚し、今回の仮処分申請に至ったという。アスタリスクは今後、独自のRFID読取装置を自社製品として製造販売するだけではなく他社へのライセンス提供についても積極的に展開する方針で、「自社の知的財産が侵害されたと判断した場合には、厳正に対処していく所存だ」とコメントしている。

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