「横浜」の隣なのに…驚きの家賃水準が魅力すぎる「保土ケ谷」

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どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、JR横須賀線「保土ケ谷」駅。

JRだけじゃない!相鉄も使える穴場スポット

「保土ケ谷」駅は横浜市保土ケ谷区に位置する、JR横須賀線(総武線快速)と湘南新宿ラインの駅です。1日の乗車人数は3.4万人ほど。区名を名乗る駅ですが、区役所などの行政機関が集中するのは、相鉄本線の「星川」駅周辺です。

保土ケ谷は、もともと、東海道五十三次の4番目の宿場である「程ヶ谷宿」があった場所。駅周辺には、本陣跡をはじめ、史跡、神社・仏閣などが多数点在しています。横浜市によると保土ケ谷という地名の由来は、「低湿地を意味するという説」「アイヌ語からの転訛説」荘園のひとつ「榛谷御厨(はんがやのみくりや)から転訛した説」など多くありますが、はっきりしたことはわかっていません。

そんな「保土ケ谷」ですが、最大の魅力は、『住みたい街ランキング』第1位の「横浜」の隣駅ということです。憧れの街であり、利便性も高い「横浜」は、当然家賃水準も高め。「横浜」を目指して引越し先を探していた人が、家賃を理由に流れ付いてくる先のひとつが「保土ケ谷」なのです。

さらに「保土ケ谷」はJR線だけの駅で、それほど交通の便がよくないと思われがちですが、徒歩10分ほどで相鉄本線の「天王町」駅にたどり着きます。意外と2駅利用可能の穴場エリアなのです。都心〜横浜〜湘南という南北方向の移動だけでなく、横浜西部を経て都心に向かう移動も可能で、不測の事態のとき活用できるでしょう。

駅周辺を見ていきましょう。駅には「ビーンズ保土ヶ谷」と「CIAL保土ヶ谷」の2つの小さな商業施設があり、合わせて20ほどの店が入っています。西口にはバスターミナルを中心としたロータリーがあり、少し店舗の集積が見られますが、その先には住宅街が広がっています。東口の目の前には国道1号線が走り、渡った先にはバスターミナルがあります。国道沿いには店舗が点在しますが、基本的に住宅街が広がっています。

「保土ケ谷」は隣の「横浜」とは異なり、基本的に住宅街が広がるエリアです。通勤、通学で人通りは多めですが、これといったランドマークはなく、栄えているわけでもありません。「横浜ほどにぎやかな所はイヤだけど、横浜の便利さには享受したい」という人には、ほどよい街なのかもしれません。

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相鉄本線も使える

駅から少し離れたところに潜む落とし穴

「保土ケ谷」駅周辺の家賃水準をみていきましょう。まずは駅周辺の家賃相場です。駅から徒歩10分圏内の1Kの平均家賃は4.89万円、11分を超えると4.54万円(図表1)。同条件の横浜市保土ケ谷区の家賃水準は、駅10分圏内で4.91万円、11分を超えると4.38万円。「保土ケ谷」駅周辺は、保土ケ谷区の平均と同じ家賃水準です。

[図表1]「保土ケ谷」駅周辺の平均家賃 出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会調べ(6月5日時点)※単位は万円

厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、都内勤務の男性会社員の平均月給は、25〜29歳で27.5万円、30〜34歳で34.1万円、神奈川県勤務で25〜29歳で26.1万円、30〜34歳で30.5万円となっています(図表2)。企業規模によって平均給与は異なりますが、そこから住民税や所得税などを差し引いた手取り額の1/3以内を適正家賃と考えると、都内勤務20代後半は6.9万円、神奈川県勤務は6.7万円、都内勤務30代前半は8.5万円、神奈川県勤務は7.6万円となります。

[図表2]20代後半、30代前半の平均月給 出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 」※10名以上の企業対象※数値は所定内給与額※単位は万円

「保土ケ谷」駅周辺は、20代会社員でも十分に検討できる家賃水準です。隣の「横浜」は、駅10分以内が7.07万円、11分を超えると5.56万円なので、家賃面のメリットはかなり大きいエリアだといえます。ファミリー向け物件が多い地域ですが、大手ポータルサイトで検索してみると、適正家賃内で多くの単身者向け物件を見つけることができるでしょう。

しかし新築や築浅物件は少ないエリアなので、築20〜30年程度まで範囲を広げれば選択肢も広がります。駅チカ、バス・トイレ別、20岼幣紊寮賤面積など、高い居住性を備えた生活が、「保土ケ谷」であれば手に入れることができます。「保土ケ谷」駅周辺は、物件の選択肢が多いエリアといえそうです。

交通面を見ていきます。「保土ケ谷」から「横浜」は4分、「品川」28分、「東京」37分。「渋谷」33分、「新宿」39分(所要時間は平日8時に「保土ケ谷」駅を出発した場合の目安)。「東京」をはじめとした山手線の東側のエリアも、「新宿」をはじめとした西側のエリアも、ダイレクトにアクセスできる利便性が魅力です。また前述のとおり、JR線で何かあったときには、相鉄本線を迂回路として利用できるのもポイントです。

生活面はどうでしょうか。「FUJI」や「まいばすけっと」などの小規模のスーパーは、駅周辺や国道沿いに点在。大手ドラッグストアチェーンも駅ビルやその周辺にあります。住宅街に入ると買い物スポットはほとんどなく、コンビニがどこにでもあるわけではありません。最寄り品の購入は駅周辺に頼ることになるので、物件を選ぶ際には、駅に出てきやすいかの確認が必須です。

飲食店も駅周辺に多少ありますが、決して多くはありません。単身者でも利用しやすいファストフード、ファミレス、牛丼店、中華系定食店が、駅周辺にそれぞれ1店ずつ。外食がメインの人は、「保土ケ谷」に帰る前に済ませておくほうが便利かもしれません。

「横浜」の隣の「保土ケ谷」は、買い物、飲食スポットは最低限ある程度で、住むことに特化したエリアです。日常のことは駅前で、それ以上のことは「横浜」へ、最寄り駅に多くを求めない人には住みやすい街だといえます。ただし、横浜で引越し先を選ぶ際に気を付けたいのが「意外と坂がきつい問題」。「保土ケ谷」でも、駅から少し離れると、思わず見上げてしまう急な坂が現れるエリアも。駅西口から「天王町」へと向かう通り沿いは、道も平坦で、2路線が使える利便性を備えたエリア。「保土ケ谷」で家を探す際に有力候補になるでしょう。