「マイナビエージェント」の評判を“転職のプロ”が分析。リクルートエージェントとの違いは?
転職エージェントの代表格として知られる「マイナビエージェント」。
利用者が多いゆえに、さまざまな評判が入り乱れていますが…いったい何を信じればいいの?
ということで、人材コンサルタントとして約5000人のサポートをおこなってきた“転職のプロ”こと小林毅さんに、評判の真偽をジャッジしてもらうことに。
初心者からすると似通って見える「リクルートエージェント」との比較を交えつつ、マイナビエージェントの特徴や活用法を教えていただきました。

【小林毅(こばやし・たけし)】人材コンサルタント。外資系ヘッドハント会社を経て、2010年にホライズン・コンサルティング株式会社を設立。法務系人材を中心に約15年、のべ5000人のサポートをおこない、日系大手企業、ベンチャー企業、外資系企業の採用支援にも従事。2013年より厚労省認定「職業紹介責任者講習」講師として、人材紹介事業者に対する法定講習をのべ2500社に対しおこない、不健全と言われる人材業界全体のボトムアップに尽力している。著書に『転職大全』(朝日新聞出版)、『成功する転職「5%」の法則』(自由国民社)がある
マイナビエージェントってどんなサービス?プロが分析する特徴とは

出典 https://mynavi-agent.jp
(画像は公式サイトのスクリーンショット)
運営会社:株式会社マイナビ
公開求人数:約2万件
非公開求人数:約2万1000件
※2020年2月28日時点の公式サイトより
対応エリア:全国
特徴:新卒向けの就職サイトでもおなじみの「株式会社マイナビ」が運営。“20代に信頼されている転職エージェントNo.1”と謳っているだけあり、若手の転職サポートに注力しているようです。拠点は全国に10カ所(2020年2月現在)あり、対面での面談が難しい場合は電話面談も可能。
公式サイトをチェック
(https://h.accesstrade.net/sp/cc?rk=0100kpts00jdfz)
マイナビエージェントの特徴?:分業型なので求人案件やサポートが充実
小林さん:
マイナビエージェントは、業界最大手のリクルートエージェントと似ていて、違いがわからない方が多いでしょう。
松本:
私も正直、わかりません…
小林さん:
ですよね(笑)。その原因のひとつは、新卒時の就職活動で「リクナビ」や「マイナビ」を利用していて、なんとなく両社になじみがあるからでしょう。
そして、サービスの仕組みが似ているせいでもありますね。
松本:
サービスの仕組みが似ている…というと?
小林さん:
マイナビエージェントもリクルートエージェントも、企業担当の法人営業(RA:Recruiting Advisor)と、求職者担当の個人営業(CA:Career Advisor)に役割が分かれている「分業型」です。
法人営業はひたすら企業に向き合っているので求人案件の数が豊富にあり、個人営業は求職者だけを見るのでサポートが充実してます。
松本:
なるほど。求職者側からすると、多くの選択肢がある点を考えても、いいことづくめですね!
小林さん:
そうですね。法人営業が大量の求人案件を集め、個人営業が求職者にたくさんの求人案件を紹介する。
この繰り返しを効率よくおこない、求職者の内定獲得率を上げています。
ただ、裏を返せば確率論に偏った“数打ちゃ当たる戦法”に走りがちとも言えるかもしれません。
松本:
つまり…数は多いけど、合わない求人もあるってことでしょうか?
小林さん:
そうですね。場合によっては、希望条件から遠い求人案件を勧められることもあると聞いたことがあります。
あと、ハイクラス向けの求人案件も少なめですね。そういった案件は、「ビズリーチ」や「JACリクルートメント」などのほうが充実しています。
マイナビエージェントの特徴?:「若手向け」として差別化を図っている
小林さん:
マイナビエージェントの求人数は、非公開求人を含めて約4万件。
他サービスと比べると多いほうですが、リクルートエージェントの約30万件と比べると、ちょっと見劣りしてしまいます。
松本:
リクルートエージェント、圧倒的にもほどがありますね…
小林さん:
また、マイナビエージェントの拠点は全国に10カ所 (2020年2月時点)で、対するリクルートエージェントは16カ所(2020年2月時点)。拠点の数でも負けてしまっています。
松本:
とにかく幅広く求人案件を見たい場合は、リクルートエージェントのほうがよさそうですね。
小林さん:
こういった実状もあり、最近のマイナビエージェントは「強みのある年代」と「業種・職種」で差別化を図っているようです。
松本:
へえ! 具体的には…?
小林さん:
TOPページに「20代に信頼されている転職エージェント」と書かれている通り、若手向けのサポートが充実しているとアピールをしています。
公式サイトの業種内訳を見ても、若手に人気のIT・通信系の割合が約3割で一番大きいですね。
松本:
でも、IT業界ってそもそも転職する人が多いので、どこの転職エージェントにも求人案件が多そうな気も…
小林さん:
おお、鋭いですね!「若手向けです」というのは、あくまでもマイナビエージェントの“ブランド戦略”です。
実際はリクルートエージェントにもIT業界の求人案件はたくさんありますし、数で見たらリクルートエージェントのほうが多い可能性すらあります。
松本:
じゃあやっぱり、リクルートエージェントのほうが優秀なんですか?
小林さん:
いや、そうとは言い切れません。
「若手向け」アピールのおかげか、優秀な若手を求めるIT企業がマイナビエージェントを使って積極的に求人しています。
アドバイザーも若手求職者の対応に慣れているはずですので、IT系に興味がある方は使ってみて損はないと思いますよ。
ここからは、編集部が調査したマイナビエージェントに関する評判の真偽を小林さんに判定していただきます。
いい評判から悪い評判まで、さまざまなウワサがはびこっているようですが…その真相はいかに?
マイナビエージェントの評判?「サイトが見づらい」ってホント?
松本:
マイナビエージェントは、サイトが使いづらいとの評判があるようです。これってホントですか?
マイナビエージェント利用者の声
履歴書などの記入がやや不便なので、もう少しUIを整えるべき。
ミニマリストご飯粒(@GOHANTUBU26)・27歳・男性・工場作業員
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マイページが若干使いづらいのと、エントリー企業などが決まってくるとほとんどエージェントとのやり取りに移行していくので、マイページの必要性を感じなかった。
まさ・28歳・男性・製造業
小林さん:
好みもあると思いますが、よくも悪くも情報量が多い印象です。初めての場合、どこを見ればいいのか迷ってしまうかもしれません。
専任領域・属性・地域などを細かく分類した「専門サイト」も21種類あります。

出典 https://mynavi-agent.jp
こちらはIT・WEBエンジニアの専門サイト。ほかにも「営業職」「販売・サービス」など、21種に分類されています(画像は公式サイトのスクリーンショット)
松本:
中身が全部違うんですか?
小林さん:
いや、同じです。TOPページの見え方が違うだけですので、会員登録ボタンを押すとマイナビエージェント本体に遷移します。
このややこしい構造もユーザーを混乱させる原因かもしれませんね。
マイナビエージェントの評判?「レスポンスが遅い」ってホント?
松本:
「登録したのに、連絡がなかなか来ない」という評判を見かけました。もしかして、マイナビエージェントのアドバイザーはレスポンスが遅いんでしょうか?
小林さん:
いや、システムはしっかりしているはずですし、会員登録をした人への対応は速いはず。
むしろ「連絡がしつこい」という評判のほうがよく聞く気がします(笑)。
松本:
じゃあなぜ「連絡が来ない」って人たちがいるんですかね…?
小林さん:
もしかすると「転職を繰り返している」「年齢が高すぎる」など、求人案件を紹介しにくいと判断されてしまう要因があったのかもしれません。
会員登録をした際に自動返信されるメールにも「ご経験やご希望によっては、サービスを提供できない場合もございます」といった断り書きがあります。
松本:
その「提供できない場合」に該当してしまった可能性があるということですね。
小林さん:
あと、面接の結果が来ないケースは、採用企業側が連絡を怠っている可能性があります。でも求職者からするとアドバイザーの過失だと感じてしまいますよね。
こういったトラブルはどのサービスでも起こり得ます。気長に待ちましょう。
マイナビエージェントの評判?「アドバイザーの対応が丁寧」ってホント?
松本:
では肝心のアドバイザーの質はいかがでしょう? 口コミによると「対応が丁寧」とおおむね好評のようです。
マイナビエージェント利用者の声
担当者が懇切丁寧で、サービスが行き届いている。無理に急がせようともしないで、こちらのペースに合わせてくれる。
Tim・41歳・男性・学習塾講師
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キャリアチェンジということで未経験からのスタートで求人を探していただけました。
ヒアリングは当初60〜90分の予定でしたが、今のキャリアプランやエージェントの視点からのアドバイスなど真摯に色々と相談させていただき、面談は150分ほどになりました。
提案していただいた数種類の求人も一つひとつ丁寧に説明していただき、とても信頼できるエージェントでした。
そのほか数社のエージェントを利用し、マイナビエージェントの面談は一番最後でしたが、ほかのエージェントよりも対応のよさは群を抜いていた印象です。
まさ・28歳・男性・製造業
小林さん:
マイナビエージェントは「若手に強い」と銘打っているだけあり、アドバイザーの年齢も若い傾向にあります。20代〜30代半ばぐらいがほとんどだと思います。
松本:
同世代のアドバイザーなら、近い目線で相談に乗ってくれそう。転職に慣れていない若手にとってはうれしいですね!
小林さん:
リクルートエージェントも若いアドバイザーが多いんですが、若手求職者の囲い込みに注力しているマイナビエージェントのアドバイザーのほうが、対応に慣れている可能性が高いです。

松本:
そのなかから特に相性のいいアドバイザーに出会うために、できることってありますか?
小林さん:
それならいろんな転職エージェントに登録したほうがいいですね。大手の場合、アドバイザーの人数が多いゆえに“当たりはずれ”も大きいですから。
また、価値観の違いなどで自分の人生を預けることが難しい人もいるでしょう。これは結構大切な要素ですよ。
転職エージェントへの登録は無料ですし、最初はいろんなサービスに登録してみて、「この人なら信頼できる!」と思えるアドバイザーを探してみるといいでしょう。
マイナビエージェントは転職初心者におすすめ
松本:
ここまでの話をまとめると、マイナビエージェントはどんな人におすすめなんでしょうか?
小林さん:
最初にお話ししたように、マイナビエージェントは「分業型」。求人数が多く、たくさんの選択肢があります。
大手ゆえに過去のデータや転職ノウハウも充実しているので、手厚いサポートを受けたい転職初心者におすすめです。

松本:
転職に不安を抱える20代にはうってつけですね。
小林さん:
ただ、ひとつだけ覚えておいてほしいことがあります。
松本:
はい!
小林さん:
転職エージェントは、あくまで“便利なツール”と捉えましょう。
彼らはあくまで商売で転職をサポートしているだけですし、もらったアドバイスをどう活かすかは自分次第です。
「アドバイザーになんとかしてもらおう」と甘えすぎず、自分の意思で進む道を決断する意識を失わないようにしましょう!
マイナビエージェントは転職初心者にうれしいメリットがたくさんあるよう。
ただし、いいアドバイザーに出会うには複数のサービスに登録したほうが効率的とのこと。
理想の転職を実現するには、競合のリクルートエージェントなども合わせてチェックするといいかもしれません。
〈取材・文=松本紋芽(@Sta_iM)/撮影・編集=石川みく(@newfang298)〉
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