救助した当時を振り返る後藤さん。女性は暗渠(左下)に体がほとんど入っていたという

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 富山市町村の住宅街で9月24日深夜、用水路に転落した70歳代女性が近所の男性2人に助けられ、一命を取りとめた。

 かすかなうめき声を偶然、自宅浴室にいた男性が聞いたのがきっかけとなった。女性は70メートル流され、暗渠あんきょに入る直前だった。1秒でも遅れていたら助からなかったかもしれない。(谷侑弥)

 24日午後11時頃、後藤勉さん(69)は風呂に入っていたところ、開けていた小窓から聞こえた。「うー」と。次第に聞こえなくなったが気味が悪いので、妻妙子さん(62)に2階から外を確認するように伝えた。

 「誰もいない」と妙子さん。こう続けた。「『ゴボッ』という音を聞いた」。用水路に何かあるのか――。そう思った後藤さんは「まさか人か」と懐中電灯を手に家を飛び出した。

 街灯は遠くにぽつんとあるだけ。「気のせいであってほしい」と願いながら、自宅前を流れる用水路に光を当てながら歩くと、近くからうめき声が聞こえた。

 足元を照らすと、人の足。流されるのを防ごうととっさにつかんだ。その体はほとんど暗渠に入っていた。「誰かー」。110番の後、追いかけてきた妙子さんが叫び声に気づき、間近の安川外志さん(70)宅に助けを求めた。

 テレビを見て起きていた安川さんがすぐ駆けつけ、後藤さんと一緒にその足を引っ張った。現れたのは小柄な女性。ずぶぬれで震えており、銀色のシートに覆われて救急車で病院に搬送された。救急隊員は「長い時間水につかっていたら危なかったはずだ」と話す。

 女性が見つかった地点の用水路は幅60センチ、深さ50センチ。女性は70メートルほど手前で転落して流されたらしい。「暗渠の中に流されていたら助けられなかったかもしれない」と、後藤さんは振り返る。

 救助した2人には後日、富山中央署から感謝状が贈られた。後藤さんは「女性が助かって何より」、安川さんは「当たり前のことをやっただけ」と話した。女性は10月に入り、退院した。

 

「2人のおかげ 孫また会えた」…救助された70代女性

 救助された70歳代女性は、17日、読売新聞の取材に応じた。女性は9月24日夜、散歩していた。雨風が強く、傘を差しながら歩いていたという。後藤さん宅の前あたりで、風にあおられて傘が持っていかれそうになり、バランスを崩した。

 その後は記憶がおぼつかず、気がついたら病院だったといい、女性は「2人のおかげで助かってよかった。孫にまた会うことが出来てうれしい」と感謝していた。