ニッポンのICT“前へ”、ラグビーW杯をもっと盛り上げる!
2画面スマホ
19時45分のキックオフと同時に、NTTドコモが観客席に持ち込んだLG電子製の2画面スマホに計五つの映像が映し出された。従来比で最大20倍の高速性能を持つ5Gを用い、これまで難しかった複数の高画質映像を同時にリアルタイムで受信可能にした。
2画面スマホの上段にはメーン映像を表示。下段には選手の布陣がわかるゴール裏からの映像、特定の選手を大写しにした映像、試合映像に表示された選手の名前に触れるとデータがわかる映像、リプレー映像を表示。下段の映像の中から見たい映像に触れると上段に映し出す仕組みだ。
この5Gスマホを使えば、反則で試合が止まるとリプレー映像で反則の理由を把握できる。トライ時には利用者がいる観客席とは異なる角度からトライの瞬間を確認可能だ。
ドコモは決勝戦などが行われる横浜国際総合競技場(横浜市港北区)などサッカーでも使えるラグビーW杯8会場のほか、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)、福岡ヤフオク!ドーム(福岡市中央区)といったプロ野球チームの本拠地も5Gエリア化する。サッカーや野球、音楽ライブの会場で5Gスマホを借り、リプレー映像やゴールシーン、好きな選手や歌手の大写し映像を確認する5Gサービスが期待できる。
臨場感に興奮
日本対ロシアの試合では別の5G活用サービスも行われた。東京スタジアムからの4K映像を5G網で東京・汐留のライブビューイング会場にリアルタイム伝送し、約400インチの巨大ディスプレーに映し出す取り組みだ。ドルビーアトモスによる立体音響も採用。ライブビューイングの約300人の観客は、実際に両軍が激突する東京スタジアムにいるかのような臨場感を感じていた。
メーンディスプレーの両脇には約270インチのサブディスプレーを配置し、別角度からの映像を表示。元ラグビー日本代表の大田尾竜彦さんらを招いたトークショーや実況など、試合会場にない付加価値を加えた。
5Gによるライブビューイングは空調の効いた室内のため天候を気にせず、会場に行くことが難しい子ども連れや障がい者も楽しめる。会場から遠い地方の病院や学校などでも迫力のある試合を観戦できる。「今までにない視聴スタイルを生み出す」(吉沢和弘NTTドコモ社長)5G時代の幕が開いた。
NECは顔認証などの先進技術を駆使し、今回のラグビーW杯の安心・安全や効率的な運営を支える。ICTのインフラ関連を中心に「スタッフやボランティアなどの裏方を支援する」と、山本啓一朗NEC東京オリンピック・パラリンピック推進本部部長は役割を強調する。
11言語を翻訳
さらに11言語に対応した多言語音声翻訳サービス「NEC翻訳」を無料でダウンロードできるようにするなど、今大会で来日する約40万人の訪日外国人(インバウンド)への“おもてなし”にも焦点を当てる。
NECの看板ともいえる顔認証システムはバーコード記載のIDカードと、事前に撮影・登録した顔画像をシステム上でひも付けて本人確認を行う。ラグビーW杯では東京スタジアムと横浜国際総合競技場の2会場に設置し、報道関係者の本人確認に用いる。
