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もくじ

ー ロータスの魔力
ー コンディションが重要
ー すべてがおススメ
ー ロータス・エキシージS2の中古車 購入時の注意点
ー 専門家の意見を聞いてみる
ー 知っておくべきこと
ー いくら払うべき?
ー 掘り出し物を発見

ロータスの魔力

2018年AUTOCARドライバーズカー選手権でみごと8位にランクインしたロータス・エキシージ・スポーツ410にピンと来たなら、もうロータスの魔力に引き込まれたも同然であり、この記事にたどりついたのも当然だろう。

だが、今回のバイヤーズガイドは8万5600ポンド(1232万円)のプライスタグを掲げたエキシージ410ではないのでご安心頂きたい。今回われわれがご紹介するのは、2万ポンド(288万円)以下から探すことができ、高くてもせいぜい4万ポンド(576万円)程度の2004〜2011年モデルのエキシージS2であり、なかでも2万7000〜3万2000ポンド(389〜460万円)の車両を多く発見することができる。

例えば、2オーナーで程度良好な走行距離9万2000km(サーキット走行なし)の2007年式S2 220が2万7500ポンド(396万円)で見つけ出すことができた。タイヤはほぼ新品であり、快適なプロバックスのシート、純正ステンレスマフラー、オプションのスーパーツーリングパックが付いている。ボディ保護用のフィルムまで貼られており、飛び石で傷だらけになったノーズを見たことがあるなら、これがいかに優れたアイテムかがお分かりだろう。

エキシージのオーナーにとって、価格の話は気になるだろう。それほどこのクルマの残存価値は高く保たれており、そもそも個体数が少ないだけに、コンディションの良い車両に高値がつくのも当然だ。

コンディションが重要

では、コンディションの良い車両とはどういうものだろう? 整備記録がすべて揃っていることは当然ながら、オーナーが愛情を注いだ跡が見られるかがポイントとなる。

例えば、ピカピカのラジエーター(オリジナルはブラックですぐに漏れが発生するや)、飛び石によるキズのないきれいなノーズ、目立たないところにサビができやすい鋼鉄のサスペンションパーツをワイヤーブラシでみがいた跡といったものだ。

エアコンが装着されているにこしたことはないが、パイプの継ぎ目からエアコンガスが漏れやすいのでキチンと作動するか注意が必要だ。

サーキット走行車両も多いが、むしろそういうクルマのほうが通常はしっかりとした整備が行われているはずだ。中古車全般に言えることだが、リフトアップして下回りのキズや凹み等の有無を確認し、ギアボックスもひととおり動かしてみるだけでなく、カムやスーパーチャージャーからの異音についてもチェックしておく必要がある。

エキシージのサスペンションは不具合が分かり辛いため、出来れば何台か乗り比べてみて状態の良し悪しを判断したい。

S2は2004年に発表されている。エンジンは先代S1(きわめて希少だが、こちらも手に入れるだけの価値はある)のローバーKシリーズ1.8ℓから、同じ排気量から190psを発揮するするヤマハ設計/トヨタ製作のものへと変更されている。

すべてがおススメ

このエンジンの自然吸気バージョンは今では力不足を感じさせる。ロータスの魔法使いたちも同じ考えだったようであり、イートン製スーパーチャージャーを追加してパワーを243psにまで引きあげた240Rを50台限定で発売している。これがすぐに完売すると、2006年にはスーパーチャージャー付きをスタンダードエンジンとしているが、後から特別バージョンを登場させる余地を残すべく、パワーは220psに抑えられていた。

この所謂S2 Sバージョンは2008年まで生産され、240psのパワーを持つS 240にバトンタッチしており、翌2009年には255psにまでパワーアップしたS 260が登場している。

何度も登場しているカップ仕様はもとより、SブリティッシュGTスペシャルエディションや、クラブレーサーなど、モデルライフを通じて数多くの特別仕様車が発売されている。また、ツーリング、スーパーツーリングやスーパースポーツなど、パッケージオプションもメルセデス・ベンツもかくやというほど豊富に設定されていた。

自然吸気エンジンを積んだモデルでも、過給器付きエンジンモデルでも、エキシージであればすべてがおススメであり、大切に扱われてきた個体なら、エキシージは毎日でもドライバーのファーストチョイスになるだろう。

ロータス・エキシージS2の中古車 購入時の注意点

エンジン

約1万5000kmごとに点検されているか、正しいグレードのオイルを使っているかを確認したい。そうでない場合、カム摩耗の懸念がある。低回転で出る異音はスーパーチャージャーのプラスティック製カップリングの損傷が原因の可能性がある。

サーキット走行した車両の場合、仕切り付きのオイルパンが装着されているか、さもなければ頻繁なオイル交換が行われていたか確認が必要だ。

冷却系

ラジエーターは経年劣化で端から水漏れしてくる。警告灯の類はないので、冷却水量はサブタンクの水位で判断する必要がある。冷却ファンが水温上昇で動作するか確認しよう。

トランスミッション

手荒にあつかわれたクルマ、とくにスーパーチャージャーモデルの中速ギアではシンクロがへたっているかもしれない。半クラッチのままでギアを4速から2速まで順にシフトしてみて、ガリガリこすれる感じがしないか確かめてみよう。

頻繁にサーキット走行した車両では、1万6000kmごとのミッションオイル交換記録は必須だ。レッドゾーンまで頻繁に回転を上げるとオイルポンプを傷めるおそれがある。

サスペンション・ステアリング・ブレーキ

標準のビルシュタイン製キットのスプリング受けが割れていないか、またボールジョイントやゴムブッシュに劣化や割れがないかチェックしよう。タイヤの片減りは縁石に乗り上げたかアライメント異常が疑われる。

フロントのブレーキディスクの裏側を触ってサビがないか確かめよう。ノンパワーのステアリングは遊びが大きすぎないか確認を。

シャシー・ボディ

リフトアップして、下回りにキズやコースアウトなどによる損傷がないか、アンダーカバーの裏側まで見ておこう。エアコン装着車の場合はパイプからの漏れがないかもチェックだ。塗装の浮きもお忘れなく。年式にかかわらず、構造体の劣化を疑わせる微細なひび割れには注意しよう。

専門家の意見を聞いてみる

スティーブ・ウィリアムズ(スティーブ・ウィリアムズ・スポーツカーズ社)

「18歳の頃からロータスを扱ってきました。いまは56歳です。21歳でヨーロッパを買って、エスプリ・ターボ、エヴォーラのレースカー、ロータス・カールトンも所有しています。ロータスの型破りで独特なところが気に入っています」

「問題といえば、オーナーが思うほど他社から調達したエンジンとトランスミッションは高回転向きではないということです。エキシージのトヨタ製エンジンも信頼性は高いですが、もしサーキットにいくならそれに相応しいオイルを選び、パーツのアップグレードを行ったうえで、専門家の整備を受ける必要があります」

「それ以外はほんとうに実用的なスポーツカーです。今日は買い物、明日はレースという使い方も十分可能です」

知っておくべきこと

オーナーズクラブに入れば、クルマじたいの知識や整備工場に関する情報を得られるし、トラブル(もちろんロータスにかぎるが)の詳細をオーナー間で共有できる。seloc.orgもそんなクラブのひとつで、「TechWiki」ページのエキシージの項目には耳寄りなお役立ち情報が満載だ。

いくら払うべき?

1万9000〜2万4999ポンド(274〜360万円)

2万1695ポンド(312万円)で出ている2007年登録・11万4000km走行のディーラー車に代表される、過走行気味ながら状態良好の2004〜2007年式190ps版S2がこの価格帯だ。

2万5000〜2万8495ポンド(360〜410万円)

走行距離は減ってくるが、それでもこの価格でねらえるのは190ps版にとどまる。2006年式・3万9000km走行の個体が2万7995ポンド(403万円)というところだ。

2万8500〜3万2999ポンド(410〜475万円)

2006年式・走行2万4000〜6万4000kmの220ps版Sバージョンあたりが視野に入ってくる。また、希少な240Rの2008年式・走行3万kmの個体も3万2990ポンド(475万円)で出てくる。

3万3000〜3万9995ポンド(475〜576万円)

2006年式以降のモデルで、スポーツパックつき260やブリティッシュGTスペシャルエディションも見つかる。

掘り出し物を発見

ロータス・エキシージS2(2004年後期登録)、走行14万3000km、価格1万9500ポンド(281万円)

いささかくたびれてはいるが、惰眠をむさぼっていた車両よりはましだ。サーキット走行歴はあるものの(仕切りつきオイルパンとステージ3のマフラーがつく)、ここ2年半は走っていないという。販売店によれば調子は非常に良く、また山のような整備記録も残っているとのことだ。