オリックス・小谷野栄一【写真:編集部】

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成瀬、大引、相川、金城、小谷野の出来は?

 メジャーリーグとは違い、選手の移籍が頻繁に行われることが少ない日本のプロ野球において、FA権を行使した選手の動向は大きな注目を浴びる。昨オフには、5選手がFA移籍に踏み切ったが、今季、果たして期待に応える活躍はできたのだろうか。

 ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜と4球団で捕手として活躍した野球解説者の野口寿浩氏に、FA選手の採点をつけてもらった。「よくやった」がA、「まずまずだった」がB、「もっと頑張ってほしかった」がC、そして1軍でほとんど結果を残せずに「がっかりした」がDの4段階評価で、注目選手の今季を振り返る。

成瀬善久投手(ロッテ→ヤクルト)【C】
14試合登板、3勝8敗、防御率4.76

◯大引啓次内野手(日本ハム→ヤクルト)【B】
96試合出場、打率2割2分5厘、5本塁打、41打点

相川亮二捕手(ヤクルト→巨人)【C】
40試合出場、打率3割1分3厘、4本塁打、17打点

金城龍彦外野手(DeNA→巨人)【C】
36試合出場、打率2割3分3厘、1本塁打、10打点

◯小谷野栄一内野手(日本ハム→オリックス【C】
56試合出場、打率2割9分5厘、4本塁打、22打点

 まずはヤクルトに加入した2人。先発ローテーションの軸として期待され、ロッテから移籍した成瀬について、野口氏は「苦しかったですね」と振り返る。チームは14年ぶりにリーグ制覇を果たしたが、力になることができなかった。

大引は極度の打撃不振に苦しむも「後半戦はさすがというところを見せた」

「優勝に貢献できず、辛かったでしょうね。でも、成瀬みたいな投手を扱うキャッチャーは難しいと思うんですよね。軟投派で、いろいろと手を変え品を変えやらないといけないので、中村悠平もいい勉強になったんじゃないでしょうか」

 野口氏は、技巧派の成瀬が加入1年目から結果を出すことの難しさも考慮に入れるべきだと指摘。ただ、「本人の球のキレとかもあるでしょうからね。配球だけじゃなくて」とも分析し「そういうところにも原因があると思うので、評価はC。来年は頑張ってください、ということで」とした。

 一方、大引は前半戦に極度の打撃不振に苦しんだものの、野口氏は「守備での貢献度は非常に高い」と評価した。

「打つ方でそこまで成績が伸びてこなかったですけど、もともと3割を打つようなタイプではないですからね。でも、後半戦はさすがというところを見せました。前半戦が悪すぎたのでAはつけられず、Bというところでしょうか」

 ヤクルトから巨人に移籍した相川は、一塁に転向した阿部の穴を埋める存在として期待されたが、怪我に苦しんだ。いずれも走塁で、右太もも肉離れと左手首骨折の重傷を負い2度離脱。打撃好調だっただけに、悔やまれるアクシデントだった。

痛かった小谷野の負傷離脱、「チームのコアの部分だったので」

「打つ方は異常に良くて、相川らしからぬバッティングを見せていましたけど、やっぱり故障で長期離脱はいただけないですよね。両方とも防げた怪我ですから。巨人としても、相川がいなくなったのは大きかった。そのために優勝を逃したようなものなので、採点はCですね」

 捕手出身の野口氏は厳しく分析。開幕直後に貴重な働きを見せた金城についても、怪我で6月に登録を抹消されたということもあり「出場試合数が少なすぎました。彼は使えば働くタイプですけど、使ってもらうことが出来なかった」として、C評価とした。金城は現役引退を決断し、来季は巨人の3軍打撃コーチに就任する。

 オリックスがポイントゲッターとして獲得した小谷野も、故障に苦しんだ。「怪我だらけでしたね。彼が怪我なく1年間働けば、オリックスはこんなに沈むことはなかったので、Cをつけましょう」。主力が軒並み負傷離脱したことで、優勝候補にも挙げられていたオリックスは低迷しただけに、野口氏は厳しく指摘した。

 オリックスは小谷野に6番を任せる方針だったが、その構想も崩れる結果に。「小谷野の6番起用は、(阪神前監督の)和田さんが両外国人のあとに福留孝介を打たせたいというのと同じ理由ですよね。チームのコアの部分でしたから」。負傷離脱がチームに与えた影響は大きかった。

 今オフもFA権を行使した選手の移籍がすでに決まっている。ロッテの「顔」だった今江敏晃内野手は楽天、高橋聡文投手は中日から阪神へと移籍し、脇谷亮太内野手は西武から巨人に復帰した。広島からFA宣言した木村昇吾内野手は新チームが決まっておらず、海外FA権を行使したソフトバンクの松田宣浩内野手はメジャー移籍に踏み切るか、注目が集まっている。来季、FA移籍した選手が新天地でどんな活躍を見せるのか、注目が集まる。