上位対決で輝きを放った槙野智章、“真の目標”達成に向けラストスパート
24日に行われた2015明治安田生命J1リーグ・2ndステージ第15節、1stステージ制覇ですでにJリーグチャンピオンシップ出場を決めている浦和が、年間3位につけるFC東京とのアウェーゲームに4−3で激勝。3バックの左ストッパーとしてスタメン出場した槙野は得意の攻撃参加で抜群の存在感を発揮した。
62分には鮮やかなパスワークからファインゴールを叩き込んだ。左サイドからドリブルで持ち上がって縦パスを出すと、武藤雄樹、ズラタンとワンタッチでつないだボールを再び受け、右足のインフロントでニアサイドを打ち破った。まさに流れるようなビューティフルゴール。そのフィニッシュを担った槙野は「いつもだったら『ズドン』と蹴るのが僕なんで、コントロールシュートは珍しい」と笑ったが、「冷静に相手DFやGKの動きが見えた。次の選択、次のシーンが自分でイメージできた中でのプレー。阿部さんからボールをもらった時に、武藤に預けて、3人目の動きでもらうイメージができていた」という。まさに本人としては“してやったり”の形だ。ちなみにこのファインゴールには、この試合を視察に訪れていた日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督も「スペクタクルなゴール」と絶賛。指揮官の評価を聞いた槙野はうれしそうな表情を浮かべていた。
その一方で、もちろん3失点を喫したことは反省材料だ。一時は自身のゴールで4−1とリードを広げながら、1点差に迫られ、最後はGK西川周作のファインセーブ連発に助けられて勝ち点3を守り切った。だが、槙野はその中でチームの成長も感じている。ミックスゾーンでは「これが浦和のサッカーですよ。お客さんが3万8000人も入ったから、4−1で終わるよりも4−3で終わったほうが面白いでしょ?」と冗談めかして切り出したが、「4−1になったところで、どこかチームに緩みが出たのは正直あったし、しっかりゲームを終わらせるためのプレーや前向きな気持ちを出さなければいけなかった」と気持ちを引き締め、「最後まで我慢して守れたことは評価できると思いますし、あの状況で残り5分を耐えられたことは成長の証」と昨年までのチームを引き合いに出した。
FC東京戦を前に、チームに一つの分岐点が訪れていた。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が選手たちのプレッシャーを解き放ち、原点に戻って“浦和らしさ”を取り戻させていたというのだ。
昨シーズンの終盤、リーグ戦で首位を独走していた浦和は、第32節でガンバ大阪との直接対決に敗れ、続く第33節ではサガン鳥栖とアウェーで1−1のドローに終わり、最終的に大逆転で優勝を逃していた。そして今シーズンも2ndステージ第13節で鳥栖とホームで引き分け、続く第14節でアウェーでG大阪に敗戦。順序やホーム&アウェーが逆だったとはいえ、同じような展開に嫌なムードが漂い始めていた。そこでペトロヴィッチ監督が声を掛けた。
