中国メディア・東方早報は11日、日本における「国有企業改革」の実践例を紹介するなかで、公社の民営化によってもたらされた成果とともに、生じた問題点について解説する文章を掲載した。(イメージ写真提供:(C)Nattee Chalermtiragool/123RF.COM)

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 中国メディア・東方早報は11日、日本における「国有企業改革」の実践例を紹介するなかで、公社の民営化によってもたらされた成果とともに、生じた問題点について解説する文章を掲載した。

 文章は、日本の公社民営化改革について「総じて言えば成果が得られた」とし、1980年代に「三公社」が民営化して誕生したJR、JT、NTTの3社が2004年時点で、社員1人あたりの経常利益が民営化前の4-9倍に、1人あたりの生産率も2.5-4倍に上昇したとするデータを紹介。販売収入もJRとNTTで大きく増えており、生産性と利益向上の大きな要因には人員の削減があったとした。

 次に、民営化されたことで資本市場の規模拡大に向けて大きな貢献を果たしたと説明。2005年までにNTT、JR(東日本、東海、西日本)、JTが売り出した株式の累計は総額9兆円にのぼり、日本の資本市場の2.6%程度を占めた解説した。また、NTTとJTによる株式販売の収益は国際の償還に、JRの収益は旧国鉄職員の年金支給に用いられたとした。

 そして、民営化は政府の財政負担の軽減にもつながったとし、日本政府が1985年には国鉄に対して6001億円の補助を行っていたのに対し、民営化後の91年には逆にJR各社から4443億円の法人税が収められたと紹介した。

 その一方で、債務問題が完全に解決されていない、大量の人員削減によって短期的に失業者が増加する、削減人員が長年蓄積してきた経験がムダになるといった根深い問題が存在する点についても指摘。また、市場投資と公共投資のバランスを取りつつ、公共サービスの均質化を確保することが難しく、JRでは輸送密度の低い鉄道路線の経営難という問題を抱えていること、営利性の低い公共サービス事業について、依然として内部移転による補てんという民営化以前と同様の方式が採用されていることを問題点に挙げた。

 「内部移転による補てん」の例として、自社線の少ないJR貨物がJRの旅客鉄道各社に対し、両者の取り決めに基づく(JR貨物側に有利な)安い線路使用料を支払って各社の線路を利用している点を示した。そして「これは、国鉄期に旅客輸送部門が貨物輸送部門に補助を行っていた問題が依然として解決されておらず、完全な市場化経営ができていないことを意味する」と論じた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Nattee Chalermtiragool/123RF.COM)