ついにiPhoneでもVoLTEが使えるようになったが…、これだけでは不十分な「VoLTE」の現状と問題
4月9日、米アップルは、iPhone/iPad向けに最新OSとして「iOS8.3」を公開した。日本でも9日朝よりダウンロードが可能だ。
今回の「iOS8.3」では、iPhone 6/6 Plusに対するいくつかの不具合解消や、絵文字キーボードの変更が行われているが、もっとも大きな内容は「VoLTE」への対応だろう。
この「VoLTE(ボルテ)」というのは、Voice over LTEの略で、LTEの高速データ通信で音声通話をする技術を指している。
対応しているのは、iOS8.3へバージョンアップしたiPhone 6とiPhone 6 Plusで、iOS8.3のアップデートに加えてキャリアアップデートを行うことでVoLTEに正式対応する。
それではiPhoneが、この「VoLTE」になると、何が良くなるのだろうか。
●最大のメリットは音声通話時のクリアな音質
「VoLTE」に対応するメリットは、実はいくつも存在する。
・音声通話がクリアに聞こえるようになる
携帯電話特有の相手の声が少しこもったような音質が改善され、クリアな音質で通話できるようになる
・電話をかける時、相手にすぐ繋がるようになる
電話をする際、少し待たないと「プルルル」とならなかったのが、すぐに呼び出し音が鳴るようになる
・通話中のデータ通信が高速化される
通話時には強制的に「3G」となっていたデータ通信が、「LTE」のままとなり通話中のデータ通信が速くなる
・通話後もすぐにLTE状態となる
これまでは通話後は「3G」接続で、「LTE」に接続し直すまで少し時間がかったが、通話後でもすぐ「LTE」で通信できる
以上のような、主に通話関連に対してメリットが受けられるようになる。
●現状はただ「VoLTE」に対応しただけ? 課題も多い
しかしながら、本日のアップデートではただVoLTEに対応しただけという見かたもできる。
実は、まだ、さまざまな課題が残っているのだ。
・NTTドコモ
Androidスマホ版VoLTE対応モデルとビデオコール(ビデオ通話)できない
・KDDI(au)
Androidスマホ版VpLTE対応モデルとのシンクコールできない
VoLTE対応状態に設定すると3G通信が利用できなくなる(LTE専用となる)
・SoftBank
待ちうたやナンバーブロックなど一部サービスが利用できなくなる
VoLTEオプション(無料)に申し込む必要がある
以上の問題のほか、
他キャリアとの通話でVoLTEが使えない
VoLTE対応モデル同士でないと音質向上が感じられない
という問題もあり、現状は同キャリア内で使うしか無い状態である。
日本で最もシェアを持っているiPhoneが正式に「VoLTE」へ対応したことにより、今後は「VoLTE」のキャリア間でのVoLTE通話に期待したいものだ。
・ニュースリリース|NTTドコモ
・au VoLTE|KDDI
・VoLTEとは|ソフトバンクモバイル
布施 繁樹
今回の「iOS8.3」では、iPhone 6/6 Plusに対するいくつかの不具合解消や、絵文字キーボードの変更が行われているが、もっとも大きな内容は「VoLTE」への対応だろう。
この「VoLTE(ボルテ)」というのは、Voice over LTEの略で、LTEの高速データ通信で音声通話をする技術を指している。
対応しているのは、iOS8.3へバージョンアップしたiPhone 6とiPhone 6 Plusで、iOS8.3のアップデートに加えてキャリアアップデートを行うことでVoLTEに正式対応する。
それではiPhoneが、この「VoLTE」になると、何が良くなるのだろうか。
●最大のメリットは音声通話時のクリアな音質
「VoLTE」に対応するメリットは、実はいくつも存在する。
・音声通話がクリアに聞こえるようになる
携帯電話特有の相手の声が少しこもったような音質が改善され、クリアな音質で通話できるようになる
・電話をかける時、相手にすぐ繋がるようになる
電話をする際、少し待たないと「プルルル」とならなかったのが、すぐに呼び出し音が鳴るようになる
・通話中のデータ通信が高速化される
通話時には強制的に「3G」となっていたデータ通信が、「LTE」のままとなり通話中のデータ通信が速くなる
・通話後もすぐにLTE状態となる
これまでは通話後は「3G」接続で、「LTE」に接続し直すまで少し時間がかったが、通話後でもすぐ「LTE」で通信できる
以上のような、主に通話関連に対してメリットが受けられるようになる。
●現状はただ「VoLTE」に対応しただけ? 課題も多い
しかしながら、本日のアップデートではただVoLTEに対応しただけという見かたもできる。
実は、まだ、さまざまな課題が残っているのだ。
・NTTドコモ
Androidスマホ版VoLTE対応モデルとビデオコール(ビデオ通話)できない
・KDDI(au)
Androidスマホ版VpLTE対応モデルとのシンクコールできない
VoLTE対応状態に設定すると3G通信が利用できなくなる(LTE専用となる)
・SoftBank
待ちうたやナンバーブロックなど一部サービスが利用できなくなる
VoLTEオプション(無料)に申し込む必要がある
以上の問題のほか、
他キャリアとの通話でVoLTEが使えない
VoLTE対応モデル同士でないと音質向上が感じられない
という問題もあり、現状は同キャリア内で使うしか無い状態である。
日本で最もシェアを持っているiPhoneが正式に「VoLTE」へ対応したことにより、今後は「VoLTE」のキャリア間でのVoLTE通話に期待したいものだ。
・ニュースリリース|NTTドコモ
・au VoLTE|KDDI
・VoLTEとは|ソフトバンクモバイル
布施 繁樹