スクール、勉強会にはどこまで行くべきか?
この学び方で間違っていないだろうか──誰もが1度は迷うはずだ。「稼ぐ人」はいったいどのように勉強しているのか。1000人アンケートの結果を交えながら、第一線で活躍する一流のプロたちの学びのコツを紹介する。
スクールは、どこから勉強を始めていいのかわからない人にとって心強い味方だ。ただし、選び方を間違えると時間とお金が無駄になる。内容をしっかり吟味して選びたいところだ。
ところが、年収800万円台と500万円台は、スクール選びのポイントとして「費用」を最重視(図1)。ビジネスパーソンの厳しいフトコロ事情が浮き彫りになった。
一方、経済的に余裕がある1500万円台は、「時間の融通がきく」と「学習内容」という回答が「費用」を上回った。また、「意識の高い人が集まっている」と回答した人の割合は1500万円台で31.1%に達し、800万円台の16.4%、500万円台の18.1%を大きく上回った。お互いに刺激を与え合う仲間の存在はモチベーションの維持につながるが、高年収層は、その効果をよく知っているようだ。
スクールを積極的に活用していたファイナンシャルプランナー(FP)藤川太氏は、「学習内容」重視派だ。
「スクールやセミナーの内容はピンキリで、なかには怪しいものもあります。サラリーマン時代、受講すればタダで資格を取らせてあげるという詐欺まがいの勧誘を受けたこともあった。とにかく資格が欲しいとか、安ければ何でもいいという人は、怪しいものに引っかかりがち。具体的に何をどう学べるのか、中身を確認すべき」
藤川氏が学習内容のほかに注目しているのは受講人数だ。受講人数が多いスクールやセミナーほど信頼できる気がするが、藤川氏の見立ては違う。
「先日、競売物件取得セミナーにいったら、200人近い人が受講していました。その様子を見て『人気セミナーだから安心』と考える人は勉強ベタ。私なら『これだけ多くの人が受講しているなら、ここで情報やノウハウを得ても自分を差別化できない』と考えます。ケースバイケースですが、理想的なのは10人単位」
また、いいスクールやセミナーを選んだだけで満足してはいけない。藤川氏は、「行動を忘れて、セミナーマニアになるな」と警告する。
「受講者の満足度が高いと評判のセミナーに出席したときに、グループワークで他の受講者と話をしたら、8人中6人がそのセミナーの常連でした。いくら内容が抜群でも、1回受講すれば十分。スクールやセミナーは、学んだことを行動に落とし込み、自分の仕事に役立ててこそ価値があります。自己満足で終わるだけなら受けないほうがいい」
スクールが役に立たないと感じたとき途中で退会を選択する人は、どの年収層でも7割を超えた(図2)。年収層によってより顕著な違いが見られたのは、独学に関する質問だ。勉強は独学で十分と考えている人は、年収800万円台がもっとも多かった(図3)。500万円台と800万円台はスクールにお金をかける余裕がないが、500万円台は自分で主体的に学べるほどの学習スキルがなく、結局はスクールや通信教育などに頼らざるをえない。800万円台が独学志向なのは、お金はないが基礎的な学習スキルはあることの表れだと考えられる。
スクールの高い授業料は払えないが、独学も不安だという人は、有志で行う勉強会に参加する方法もある。ただ、勉強会もスクールと同様にピンキリだ。
「特に若いころは、自分と同年代の人が集まる勉強会は学びが少ない。価値ある話が聞けたのは、自分より2回り上の人が集まる勉強会でした。同じような世代、年収の会で真ん中にいるより、お茶くみでもいいから上の会に潜り込んだほうが、ずっと役に立ちます」(資産運用コンサルタント 逢坂ユリ氏)
(調査概要/楽天リサーチを通じて、ビジネスパーソン999人より回答を得た。調査期間は12年6月21〜24日。図は、「Q.現在、勉強しているものの数」でゼロと回答した方を省き、全体数は334人。)
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生活デザイン代表取締役。1968年、山口県生まれ。慶應義塾大学卒業後、自動車会社を経てファイナンシャルプランナーに。2001年に現在の会社を設立以来、「家計の見直し相談センター」で1万3000世帯を超える家計を診断する。
逢坂ユリ
資産運用コンサルタント。ニューヨーク大学卒業。モルガン・スタンレー・アセット・マネジメント、ゴールドマン・サックス証券、ドイツ証券を経て、2005年に独立・起業。現在は執筆業、資産運用やキャリアアップなどの講演・セミナーを行う。
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(ジャーナリスト 村上 敬=文 澁谷高晴、坂井 和、平地 勲=撮影)
