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 ◇ナ・リーグ カブス9-6メッツ(2026年6月23日 ニューヨーク)

 そのプレーを誰も責めることはできない。「瞬時」に起きた動きには、理屈上全く問題のない正当なジャッジが下された。

 

 メッツ本拠地でのカブス戦。7-2でカブスリードの7回1死一塁で、一塁走者のPCA(ピート・クロー・アームストロング)が3番打者ブッシュの四球で二進。そのときに盗塁を仕掛けていたとあり、ヘッドスライディングで二塁に滑り込んだ。

 だが滑り込んだ瞬間にベースにタッチして、直後にコンマ数秒の間手がベースから離れた。そして、その瞬間にタッチをしようとしていた遊撃手ビシェットのグラブが、PCAの手に触れた。生の動きでそれを見極めるのは非常に難しいほど一瞬の出来事。ビシェットもPCAの自動進塁と思い込み、何もアピールしていない。

 とはいえメッツのメンドーサ監督が、その瞬間を見逃さずに審判陣にアピールした。そのためプレーは止まり、映像での確認へと進んだ。

 そして責任審判のバレンタインが、「判定をくつがえします。走者は一度二塁に触れましたが、その後ベースを離れ、その瞬間にタッチされました」と場内に説明し、アウトが宣告された。つまり、PCAは二塁到達後、ベースを離れたときにタッチされアウトになったというジャッジだ。

 理屈上は全く問題のないジャッジ。ベースを離れればアウトになるのは当然。だが、それが誰も意図せず偶発的に起きていたことで、グラウンド上にいた誰もがPCAは二塁に生き残ると思った。ビシェットさえ、そうだった。ベースを離れた「凡ミス」などと思うことはなかった。それだけ「まばたき厳禁」のプレーだった。

 瞬時の見極めが難しいプレーで、カブスのクレイグ・カウンセル監督(55)の抗議も当然。退場処分を受けたが、理屈上アウトであることは間違いないので引き下がるを得ない。だが、カブス陣営さえ責めることはできない。

 それだけに、地元放送局実況担当者の「今までに見たことないプレーです」という表現が、その場にいた者全ての思いを代弁していた。