4月28日に公開された財政制度等審議会の資料の中で、会社員等の健康保険の「被扶養者制度」見直しについて提案されたことが分かった。

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 物価高が続く中での「負担増」に対する不安の声があがっているが、中には誤解によるものもあるという。財政審の臨時委員を務める東海大学・堀真奈美教授や、教育経済学者で慶應義塾大学の教授・中室牧子氏が指摘した。

「物価高なのにまだお金取るの…」広がる不安の声

 健康保険の被扶養者制度の見直しが財務省の財政審議会で提案され、SNSでは賛否さまざまな声が上がっている。

「赤ちゃんやお年寄り、病気やケガで働けない人は?乱暴すぎるし制度上、無理がある」(SNS上の声1)

「不妊治療しながら普通に働くのってかなり大変。それができる人もいるけど、できない人もいる。物価高なのにまだお金取るの…」(SNS上の声2)

「子育てには『余裕』が必要だと思う。ほんとに共働きが正解ですか?子どもは幸せなんでしょうか」(SNS上の声3)

 負担増への懸念の声について、財政審の臨時委員を務める東海大学の堀真奈美教授は「医療保険制度が複雑なので誤解されている方もいるかもしれないが、被扶養者制度がなくなったとしても、被用者本人と同額の保険料を人数分取られることは、制度設計的にはおそらくない。また、国民健康保険に移った場合にも、収入が少ない場合には保険料も低く設定される」と解説している。

 中室氏も同様に、「やや誤解がある部分もあるのではないか」と指摘する。

「当然、すべての人に一律で課されるという話ではないと思う。制度設計を丁寧に行い、例えば子どもや支払いが難しい人には減免措置を設ければ良いことだ。一律ではないということが大事だ」(中室牧子氏)

 国民健康保険には被扶養者制度が存在せず、現状では未成年でも保険料の負担が必要だが、減免措置がある。また、保険料を負担する層が広がることで、「当然1人あたりの負担は減る」として、被保険者1人あたりの保険料が下がる可能性についても指摘した。

 そうすると、被保険者として保険料を支払っているシングルマザー・シングルファザーについては、制度設計によっては負担が減るパターンも考えられるのではないだろうか。

 中室氏はこれに同意した上で、「そこが現在、不公平感が高い理由だ」と話す。

「専業主婦のいる家庭は、比較して世帯所得が高い傾向にあることがデータ上でも知られている。一方で、シングルマザーの家庭はその50%が貧困に陥っていると言われるほど経済的に厳しい状態にある。なぜ会社員に扶養されている専業主婦の方が、シングルマザーよりも優遇される形になっているのか。そこが不公平感が高いと言われる一つの理由だろう」(中室牧子氏、以下同)

 「男性は外で働き、女性は家庭で育児や家事をする」というかつてのモデルで作られた社会保障制度。その制度があることで、家族の在り方や働き方が規定されている面もあるという。

「今の制度がそうなっているので、就労調整をして130万円以上にならないようにするなど、人々は当然制度のインセンティブに従って行動する」

 その上で、今後の制度設計のポイントとなる点を次のように語った。

「もちろん子育て支援は非常に大切だと思う。ただ、それを健康保険や年金の制度の中でやらなくて良いのではないか。子育て支援はまた別で独立させて行うべきで、制度の目的を一緒くたにしない方がよいのではないだろうか」

(『わたしとニュース』より)