「前園真聖」に全治6カ月のケガを負わせた「バス旅」の事故再発防止策 実現が不安視されるその中身とは
テレビ東京は4月28日、「バス旅」番組のロケ中に元サッカー選手の前園真聖(52)が大怪我を負った事故についての調査報告と再発防止策を公表した。同日には、当の前園も仕事復帰を報告し……。
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前園は自身のInstagramでこう報告した。
《今日から仕事復帰させていただきました。/番組10年目になる四国自転車旅での復帰を嬉しく思います。/まだまだやれるお仕事は限られてはきますが、一歩一歩進んでいきたいと思います。》
出演したのはローカル番組の「前園真聖 四国推したび 次はどこ行くSP」(NHK松山放送局)で、四国を自転車で旅する番組だ。右膝外側半月板損傷という大怪我を負ったのは2月28日。全治6カ月と報じられたが、早くも自転車旅とは、さすがアスリート……と思ったら、無論そんなことはなかった。

同日の別の投稿にはスタッフに歓迎されながらスタジオ入りする動画が掲載されていて、前園は松葉杖こそついていないものの右足は少し引きずり気味だ。過去の投稿にも目を通してみよう。
【3月7日】《昨日、無事に手術が終わりました。/今年はW杯があります。しっかりとリハビリをして、1日でも早く仕事に復帰できるように頑張ります。》
【3月10日】《皆さんからのたくさんのコメントに感謝しています/今日からリハビリが始まりました。/しばらくの間はずっと一緒です。》※2本の松葉杖で歩行練習をしている写真と
「長距離の歩行はまだまだ困難」
【4月14日】《まだまだ先は長いですが、片松葉でのリハビリまで辿り着きました。/荷重をかけていくと関節や筋肉に違和感もでてきますが、血流も良くなり落ちた筋肉に刺激が伝わることを感じます。一歩一歩進みます。》※松葉杖1本でリハビリを行う動画と
【4月26日】《松葉杖なしの歩行に入りました。/負荷をかけると腫れたり痛みが出たりすることもあるので、長距離の歩行はまだまだ困難ではあります。》
この2日後の仕事復帰である。とてもじゃないが、自転車などまだ無理だ。
一方、同じ28日付けで公表されたのが、テレ東の再発防止策である。事故の状況は以下の通りだ。
《事故が発生したのは2月28日(土)の15時過ぎ。ブランコから靴を飛ばし、それを前方にいる人がキャッチするというミッションの撮影中、飛んで来た靴を受け取ろうとした前園さんが、不安定な斜面で体勢を崩して転倒し、右膝外側半月板損傷の大怪我を負った。/スタッフが事前に安全対策について確認していたが、撮影時に出演者からミッションの安全性や、クリアする条件が難しいのではないかとの指摘があった。このため、一部内容を修正して撮影したが、安全面の確認が不十分であったために前園さんの負傷につながった。》
不安感のほうが大きい防止策
2007年にスタートした「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」だが、今回が初のオリジナルミッションだったという。にもかかわらず、安全管理が不十分だったのだ。これを受けて公表された再発防止策は8項目あるのだが、一部を抜粋すると……。
【1】番組オリジナルのゲームやアクティビティを行う場合は、ロケの下見の時間を十分に確保する。
【2】あらかじめ現場でシミュレーションを重ねて、安全性について事前に詳細な確認・検証を行う。
【3】制作会社のプロデューサーがロケの下見に同行できない場合は、検証映像を撮影して制作会社またはテレビ東京のプロデューサーに共有し、多角的な視点から安全性を検討する。
なんだか当たり前、と言うより「こんなこともできていなかったのか」と驚く人もいるのではないだろうか。民放プロデューサーは言う。
「ロケ先の下見やシミュレーションなど、まったくやっていなかったわけではないと思いますが、再発防止となると原点に立ち返るしかありません。マニュアルとしてはこれ以上書きようがないのではないでしょうか。ただ《ロケの下見の時間を十分に確保》して《安全性について詳細な確認・検証》を行い、プロデューサーを交えて《多角的な視点から安全性を検討》……と言われても、番組制作費が削減され続けている今、現実的に可能なのかどうか、不安感のほうが大きいかもしれません」
ましてやテレ東は、少ない予算で独自の面白さを追求してきたテレビ局である。
「再発防止策には《身体的負担が予想されるロケにおいては、専門的な知見に基づく看護師やトレーナーの帯同など救護体制を整える》ともありますが、『バス旅』など長距離歩行がウリの過酷なロケ番組は、救護体制を整えるための人件費が増えることになります」
番組の企画にも影響が出そうだ。
「今回の事故のようにロケ中に出演者とスタッフが安全性について協議した場合、対戦企画の内容も変化するかもしれません。番組オリジナルのミッション企画は怖くてできなくなるでしょうし、ゲームやアクティビティなどのミッションも控えることになるかもしれません」
いずれにせよ、前園の本格復帰を願うばかりだ。
デイリー新潮編集部
