【山村 佳子】「土日休みと言ったのに」と社員が続々退職。悩む48歳経営者が妊婦の妻に隠れて浮気した驚愕の「言い訳」

写真拡大 (全9枚)

「離職率が高い会社は、社内での浮気の温床になります。仕事量が増えて狭い会社にいる時間が長くなると、恋愛関係に陥りやすくなることがあるのです」

こう語るのはリッツ横浜探偵社の山村佳子さん。

山村さんに依頼がくる相談の多くは「時代」を反映している。山村さん連載「探偵が見た家族の肖像」「探偵はカウンセラー」GWスペシャルとしてテーマに合わせてお届けする第4回は「退職」だ。

リッツ横浜探偵社の山村佳子さんのところに相談に来た40歳の麻美さんは映像制作会社を営む48歳夫の浮気の調査依頼に来た。前編「 社員の退職に困っている48歳経営者が40歳妊娠9ヵ月の妻にした「ひどい仕打ち」 」で詳しく伝えたように、夫と麻美さんは10年前に出会い、5年前に結婚した。出会ったときすでに夫は離婚しており、前妻との間の息子は現在18歳だという。

先日も退職代行サービスを用いて社員が退職し、夫は嘆いたそうなのだが、それと浮気とが実は密接に関係しているようなのだ。

果たして調査の結果は。

社員が2名辞めて土日もなく働いている

夫は都内で映像制作会社を経営しており、電車で出勤しています。

夫は日によって違いますが、社員が2名辞めてから、土日もなく働いており朝9時に家を出ることが多いと聞き、日曜日の朝からマンション前で張り込みを始めました。

10時に夫が出てきました。背が高く、筋肉質で顔が小さく、洗いざらしのジーンズに、ウィンドブレーカーを羽織っています。髪はツーブロックにしており、長い部分を束ねている。カルチャー系女性にモテそうな雰囲気を醸し出していました。

自分が見られていることを知っている男性特有のショーアップするような歩き方で、駅まで向かい、会社が入居するビルに入っていきました。

そのまま仕事をすると思っていたら、2時間もしないうちに会社から出てきて、電車に乗って新宿駅へ。大きな書店の建築関連の棚のところで、いろんな本をチェックしていると、40代半ばくらいの背が高いモデル体型の女性が後ろから来て、夫の腰のあたりを掴みました。彼女も夫同様、デニムにウィンドブレーカー姿でした。

夫は「なんだよ」と笑い、女性の腰を触り返そうとします。すると女性は笑顔でかわします。依頼者・麻美さんもそうですが、スリムでかっこいい雰囲気の女性が、夫の好みのようです。

夫が「飯食いながら話そう」と、少し歩いたイタリアンに入っていき、ワインを飲みながら話し始めます。

若手が仕事に定着してくれない…

1時間ほど続いた、夫の話をまとめると、夫の会社は主に企業から依頼を受けての映像制作をしています。ただ、撮影は平日のビジネスタイムではなく、早朝や夜、土日に指定されることが多いそうです。

夫の会社は、夫含め3人の経営幹部と10人の創業当時からのメンバー、それに業務拡大に伴い採用していった7人の総勢20人で仕事を回しています。夫は若手の採用に力を入れており、彼らが定着してくれるようにサポートしていましたが、「土日休みと言っていた、話が違う」と辞めてしまう。

仕事が回らないので外部に委託するけれど、やはり現場には社員が同行しなければ、責任が持てないと感じている。そのうち、夫が最も目をかけていた30歳の男性社員が、退職代行サービスを使い、退職届を出してきたとのこと。

夫は「あんなに可愛がって、ノウハウも人脈も教えて、“俺、社長みたいになりたいです”って言っていたのに、先週、退職代行サービスから“退職させていただきます”って連絡が来たんだよ。信じられない」とショックを受けた様子で話していました。

夫は「せめて、自分の口で言ってくれよ」と半泣きのように言っていました。これは麻美さんが言っていたことと内容が一致します。

女性は夫の話を「そっか。それは大変だね」などと聞いており、夫を「あなたは良くやっている」と肯定し、励ましていました。

夫も「土日に仕事が入るのは悪いと思っており、共同経営者と休日出勤には別途お金を出すことにしたし、代休も取りやすくしているんだけどね」と話していました。そして、女性に「また戻ってきてくれない?」と手を握ったのです。

女性との関係もわかりましたが、同時に、これまでは職場で休日出勤には別途お金を出しておらず、代休も取りにくかったのだなということもわかりました。小さい企業だとそうなってしまうことが多いのも分かりますが、「最初に聞いた話と違う」とはなるだろうなとも思いました。「違う」となったときに率直にその話をできる職場だったのかどうかが重要になってくるでしょうが、話しにくかったからこそ「退職代行サービス」が利用されたのではないでしょうか。

女性は真っ赤な顔になって、「今、私もフリーだからいいけれど、どうしようかな」と思わせぶりな態度をとっていました。表面的な会話では、夫から会社への復職を頼まれているようにも感じますし、夫から「ヨリを戻そう」と言われているようにも感じますし、私たちもドキドキしてしまいました。ただ、もし恋心を利用して仕事を手伝って、という話だと、それもまた危うい話です。

「強引な男がモテる」という価値観

夫は立ち上がると、4000円ほどの料金を支払い、女性の手を握ったまま歩き出し、強引に近くのラブホテルに入っていきました。最も高い部屋のボタンを押し、女性の腰を引き寄せて、頬にキス。そして、女性の手を自分の股間に触らせていました。

「強引な男がモテる」とされた頃のモテのテクニックを間近に見て、どこか懐かしい気持ちになりました。一連の動きの中、女性の表情を解析すると女性は嬉しそうに笑っていました。

ここで2時間過ごして、夕方に女性と共に会社に戻り、20時まで仕事。近くの居酒屋で1杯飲んで、キスをしてからお互いの家に帰宅。女性は山手線のひっそりとした駅から10分ほど歩いた大きな一戸建てに帰っていきました。おそらく女性は既婚者です。

夫に問いただすと…

以上を依頼者・麻美さんに報告すると、「この女、めっちゃよく知っています。夫のソウルメイトを自称する、夫の美大の同級生です。この女も夫の会社に出たり入ったりしています。玉の輿に乗って、大学生の息子がいるのに、また夫と恋愛するかね」と激怒していました。

麻美さんはその夜、離婚するつもりで夫と話し合います。すると夫は「ごめんなさい。もうしない」と土下座。夫はショックなことがあったり、自己肯定感が低くなると、“俺にホレている女”と性交渉を持ちたくなると告白。

「自分勝手すぎる! 妻の私は大切なので、離婚したくない。でも浮気はやめられない。私が無視していると、“これはきっと病気だから、精神科に行ってみる”と言いましたが、そんなことってありますかね? ひとまず今は、子供を産むことに集中しますが、多分、離婚すると思います」

疎外感と望まない仕事

麻美さんは夫に、以前から「社員が定着しないのは、創業メンバーの強固な絆が見え隠れしていることも大きいんじゃない? 疎外感を味わいつつ、望まない仕事をさせられたら、人は辞めるよ」とアドバイスしていたそうです。

創業メンバーは軌道にのせるために必死で仕事をしてきた仲間のようです。歯を食いしばってハードな仕事もしてきたようですが、企業として人を雇ったのであれば、その対価にあった働き方を考える必要もあります。しかし夫はきちんと説明をせず、泣き落としや相手の好意を利用して仕事をお願いしてきたといえます。働くこと、お金を稼ぐことに楽なものはありません。また予想を超えてやらなければならないことも出てくるでしょう。しかし「仕事の内容の意味」を雇用された側がきちんと理解していることと、最初から説明があること、また予想を超えて大変だったときに会社が対応をすることも重要です。入社前の説明では実際の大変さを伝えていなかったように想像されます。

「まあいいじゃない」と人間関係だけで仕事を依頼する環境は、たとえ仕事内容にやりがいがあってもやりがい搾取になることもあります。辞めてしまう人が続く理由に、夫は向き合ってこなかったのかもしれません。

夫婦関係でも、浮気がバレてその場しのぎの言い訳をしてしのいでおり、麻美さんともちゃんと向き合ってこなかったとも言えます。職場でも夫婦関係でも、本質的な問題の解決はせず、目の前をなんとかしのいできたのかもしれません。

「夫は誰にでもいい顔をするからダメなんですよ。前の奥さんとの離婚原因もこの“ソウルメイト”だったと聞いています。同様に入社面接でもいい顔をして、現実を言わなかったわけですよね」

その後、麻美さんは無事に女の子を出産。夫とは離婚し、300万円の慰謝料をもらいました。相手の女性には慰謝料を請求しなかったそうです。

麻美さんは職場に復帰。ひとりで暮らす不安を解消すべく考え、現在はシングルマザー仲間と同居して、お互いに助け合いながら、幸せな毎日を過ごしているそうです。

今回の離婚や、社員の退職を経て、夫も学ぶことが多かったはずです。会社を経営するうえでも家族を作っていくうえでもも、相手の気持ちを尊重すること、表面だけごまかさず、相手が嫌だと思ったことを改善するために向き合うことが重要だと気づけたことを心から祈ります。

退職代行サービスの会社の多くが、離職率を減らすコンサルも行っている理由が改めてよくわかる調査でした。

調査料金は10万円(経費別)です。

【前編】社員の退職に悩む48歳経営者が40歳妊娠9ヵ月の妻にした「ひどい仕打ち」