相場展望5月$日号 米国株: S&P・ナスダックは最高値更新も、決算発表終盤後の動向注視 日本株: 日経平均上昇を牽引したハイテク株の2極化が目立ち始めた

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)4/30、NYダウ+790ドル高、49,652ドル 2)5/01、NYダウ▲152ドル安、49,499ドル

【前回は】相場展望4月30日号 米国株: AIを巡り成長懸念で世界株式相場は変調に入ったか? 要注目 日本株: 海外短期筋の買いvs多くの機関投資家の売りが続く、海外勢から目を離せない

●2.米国株: S&P・ナスダックは最高値更新も、決算発表終盤後の動向に注視

 1)S&P500種とナスダックは最高値更新、ハイテクが支える流れ。  (1)S&P500種とナスダックが最高値更新した要因   ・イランが和平に向けた新提案をパキスタンに提示した。   ・原油価格の下落。   ・アップルの好決算を好感。これまでに決算発表した314社のうち、83%が利益予想を上回り、78%が売上高予想を上回った。

  (2)米国株価指数5/1の状況(前日比)    ・NYダウ      ▲0.31%安    ・ナスダック総合   +0.89%高    ・S&P500種    +0.29%高    ・半導体株(SOX)  +0.87%高

  (3)米国株高を主導してきた人工知能(AI)・半導体関連株に陰りが見え始める

 2)1~3月期決算発表シーズンも終盤  (1)来週以降、株価上昇にとって重要な好決算材料がなくなる。

  (2)このため、改めて足元の材料が直視される懸念がある。   ・イラン攻撃では、    ・戦争権限法に規定された60日を超えたため、トランプ氏の対応が注目される。    ・和平案の歩み寄り?      ・トランプ氏支持層で戦争反対が多いため、早期の終結期待がある。

   ・EUへのトランプ制裁で亀裂が深まるか    ・トランプ関税の25%への上昇に対するEUの反発。    ・ドイツ駐留軍5,000人規模の削減。スペイン、イタリアでの削減に波及するか?

   ・米国内では、    ・インフレ加速。    ・金利引上げの可能性。    ・トランプ共和党支持率。    ・11月中間選挙で、トランプ共和党の少数派転落の危機。トランプ政権のレイムダック化。議会で大統領「罷免の提案」の可能性。

●3.米国軍がホルムズ海峡通過のため船舶を誘導、5/4から開始、トランプ氏(共同通信)

 1)国際海事機関によると、ペルシャ湾には約2万人の船員と2,000隻の船舶が立ち往生している。

●4.トランプ氏、イランに対する敵対行為は「終結した」と宣言(読売新聞)

 1)戦争権限法が議会の承認なしに軍派遣は原則60日以内と規定していることから、敵対行為の終了を宣言して60日間の制限をかわす狙いがあるとみられる。

●5.米国財務省、ホルムズ通行料巡り制裁リスクを警告、慈善寄付も対象(ロイター)

●6.トランプ氏、EU車関税25%に引上げ表明、欧州議会は反発(ロイター)

●7.FRB高官はタカ派姿勢を強調(フィスコ)

 1)連邦公開市場委員会(FOMC)で反対票を投じたハマック米国クリーブランド連銀総裁、カシュカリ米国ミネアポリス連銀総裁は5/1に声明を発表した。カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は「インフレ期待が無秩序となった場合、利上げ必要となる可能性」に言及し、「FOMC声明のフォーワードガイダンスはもはや適切ではない」と主張した。もし戦争が継続したら、インフレ期待が上昇する可能性を指摘した。ハマック・クリーブランド連銀総裁は「FOMCの緩和バイアスはもはや適切ではない」と説明した。経済指標が堅調な結果になると、年内の利下げ観測がさらに後退することになり、ドル買いを支援すると見る。

 2)FRBはFOMCで、市場の予想通り政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を据え置き、3.50~3.75%に決定したが、8対4で据え置き決定と、1992年8月来で最多の反対となった。

●8.米国4月ISM製造業景況指数は52.7と、予想53.2を下回る、3月は52.7(フィスコ)

 1)一方、仕入れ価格は指数は84.6に上昇し、4年ぶりの高水準に達した。上昇は4カ月連続。(ブルームバーグ)

●9.パウエルFRB議長、FRBの理事を留任の意向、トランプ氏は不満あらわ(AFPBB)

●10.ウォーシュ次期FRB議長、利下げ再開の是非巡りFRBの分裂深まる(ブルームバーグ)

 1)FRBメンバーの3人が、利下げ再開を示唆する声明の文言に反対。 2)パウエル氏の留任で、短期的な利下げの可能性が低下することも。

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)4/30、上海総合+4高、4,112 2)5/01~05は「労働節」のため休場

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)4/30、日経平均▲632円安、59,284円 2)5/01、日経平均+228円高、59,513円 3)5/04、祝日「みどりの日」のため休場

●2.日本株: 日経平均上昇を牽引したハイテク株の2極化が目立ち始めた

 1)日経平均寄与上位  (1)4/30、日経平均▲632円安、寄与上位5銘柄▲567円安、占有率89.71%     寄与上位      寄与額     下落率     アドバンテスト   ▲360円安  ▲5.01%安     東京エレクトロン  ▲76     ▲1.68     フジクラ      ▲62     ▲4.94     ソフトバンクG    ▲39     ▲0.93      コナミ       ▲30     ▲4.50      合計       ▲567

   ・全体的に売られた。       値上がり   値下がり   日経平均   新高値   新安値        347     1,195    ▲632円安    41     195   ・なかでも、AI・半導体関連銘柄が売られたのが目立った。

  (2)5/01、日経平均+228円高、寄与上位5銘柄+614円高、占有率269.29%     寄与上位      寄与額     上昇率     東京エレクトロン  +308円高   +6.89%高     ソフトバンクG    +165     +3.93     豊田通商      +77     +12.57     住友商事      +34     +17.12     ダイキン      +30     +4.05      合計       +614

   ・東京エレクトロンは前日に好決算を発表し、好感した買いが入り日経平均を1社で+308円押し上げた。   ・銘柄の上げ・下げ数でみると、日経平均こそ上昇したが、全般的に弱かった。値上がり670、値下がり844と、値下がり銘柄が過半を占めた。新高値41、新安値195と、新安値銘柄数が多かった。   ・ただ、AI・半導体関連では、明暗を分けた。東京エレクトロンやソフトバンクGが上げた一方、アドバンテストやTDK、フジクラ、キオクシアが下げて、2極化したのが目立った。   ・商社株は好決算発表を受け、人気化し買いが膨らんだ。商社株は好決算発表が好感されて買われ、豊田通商、住友商事、三菱商事の3社で日経平均を+134円押し上げた。

●3.三菱商事、今期純利益+37%増の1.1兆円予想、米国シェール事業など寄与(ロイター)

●4.大手商社5社の連結純利益(共同通信)

           2026年3月期      2027年3月期予想  三菱商事   8,004億円・▲15.8%減  1兆1,000億円・+37.4%増  伊藤忠商事  9,002   +2.3%増    9,500   +5.5%増  三井物産   8,339   ▲7.4%減    9,200   +10.3%増  住友商事   6,003   +6.8%増    6,300   +4.9%増  丸紅     5,438   +8.1%増    5,800   +6.6%増

●5.日本政府・日銀、為替介入を実施、財務相らの「最後通告」後=関係者(ロイター)

 1)この日の円/ドルは、一時160円後半と1年9カ月ぶりの高値圏まで上昇した。夕方に片山・財務相、続いて三村・財務官が円安の牽制発言すると、円/ドルは160円を割り込み、その後も下げ足を速めて155円半ばまで円高となった。

●6.食料品、ナフサ供給難で食品で値上げラッシュが再燃の兆し(帝国データバンク)

 1)食品包装フィルムをはじめ、石油由来の樹脂素材でコスト上昇圧力が顕著となっており、食品包装・資材分野では強力な値上げ圧力がみられる。

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・3038 神戸物産      業績回復期待 ・4686 ジャストシステム  業績好調 ・6098 リクルート     業績堅調

執筆者プロフィール

中島義之 (なかしま よしゆき)
1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou