《“龍のイレズミ”びっしりの男の正体》7年半越しの逮捕、高橋伸明容疑者と関係があった“チャイニーズドラゴン”とは 識者は「裏社会を相手に金稼ぎ」「刃物で刺す、刺されるといった過激な喧嘩も多い」
7年半前に東京・六本木のマンションでバレツタ久美さん(当時29)を殺害したとして、警視庁は4月25日に高橋伸明容疑者(47)を逮捕した。
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「高橋容疑者は2018年10月11日から12日ごろ、自身が住んでいた六本木のマンションの一室で、交際相手とみられるバレツタさんの頭を複数回、鉄アレイのようなもので殴り殺害した疑いがある。
事件が発覚したのは約1週間後の同年10月18日。バレツタさんの母親から『娘と連絡が取れない』と警視庁麻布署に連絡があり、職員が高橋容疑者の部屋を確認したところ、シーツに包まれて亡くなった状態のバレツタさんが発見されました。
高橋容疑者は、事件発覚前の10月13日にマレーシアへ出国。翌年には殺人容疑で逮捕状が発行され、国際指名手配に。長年、警察の目から逃れていましたが、昨年6月までに現地の捜査機関に拘束され、帰国したタイミングで逮捕となりました」(キー局社会部記者)
高橋容疑者は、当時、準暴力団「チャイニーズドラゴン」の関係者だった。「チャイニーズドラゴン」は中国残留孤児を中心に1988年ごろに結成されたいわゆる"半グレ"だが、ヤクザとも交流があり本筋の人間からも一目置かれていた犯罪組織とされる。裏社会の事情に詳しいジャーナリストが語る。
「高橋容疑者は、グループの初代総長の"弟分"で中心メンバーだったそうです。仲間には『ノブ』と呼ばれ、可愛がられていました。背中には一面、龍の和彫りが入っている。『チャイニーズドラゴン』の中でも特に武闘派だったそうです。仲間思いで信頼される一方、周りからは"キレたら手がつかない男"と恐れられていました」(裏社会の事情に詳しいジャーナリスト)
「刃物で刺す、刺される」の過激な喧嘩も多かった
「チャイニーズドラゴン」とはどのような組織なのか。暴力団や半グレなどの裏社会の事情に詳しい社会学者の廣末登氏が解説する。
「『チャイニーズドラゴン』は、半グレの中でも特に"武闘派"として知られ、2013年には警察庁が『準暴力団』として位置づけた団体として、団体名が公表されています。2011年に警察庁がカタカナ表記で呼称を統一するまでは、一般的に『怒羅権(ドラゴン)』と呼ばれていました。
もともとは中国残留孤児2世、3世らが、自分たちの身を守るため、1980年代後半に集まってできたグループで、暴力的な活動をするための団体ではなかった。彼らには日本語を話せない者が多く、お金もなく、いじめや差別を受けやすかった。そういった外部からの扱いに対抗するために組織されたのが始まりです。
ある時、喧嘩をふっかけられた相手を返り討ちにしたところ、お金を差し出されて『これで許してください』と言われたことがキッカケで、彼らは『暴力が金になる』ことを学んだそうです。そして徐々に非行性や犯罪性を帯びていったと見られています」
廣末氏によれば、日本の昭和の暴走族では一般的に、18〜19歳ごろに暴走族を脱退・卒業する人が多いが、「チャイニーズドラゴン」の場合はOBとして残って活動を継続する者も多かったという。
「途中から一般の日本人も入ってくるようになり、徐々に勢力を拡大していきました。一部では1990年代には、不法滞留していた外国人や、裏社会のビジネスをしている相手を中心にお金を稼いでいたようです。喧嘩もかなり激しく、刃物で刺す、刺されるという過激なやり合いも多かったと聞いています」
「海外とのコネクションに長けていた」
『怒羅権(ドラゴン)』初代総長の"弟分"として関係があったとされる高橋容疑者。2014年には自身が経営していた飲食店で殺人未遂事件を起こしており、その際も高橋容疑者はタイへ逃亡。2度の事件で海外に"高飛び"していた高橋容疑者だが、「海外とのネットワークがある人物」として有名だったようだ。
「海外とのコネクションに長けていたと聞いています。中国や東南アジアに頻繁に行ったりもしていたようです。今回、マレーシアに逃亡した件も、やはり現地で何らかのコネクションがないと、8年近くも海外に滞在するのは難しいでしょう」(同前)
7年半の時を経て、再び動き出した事件。全容解明が待たれる。
