【ONE】有終Vの武尊が魂の叫び「こんなんで終わらせちゃ駄目!格闘技の熱を取り戻しましょう」
◇ONE SAMURAI 1 ONEフライ級キックボクシング暫定王座決定戦 武尊ーロッタン・ジットムアンノン(2026年4月29日 有明アリーナ)
アジア史上最大の格闘技団体「ONE Championship」(ONE)が29日、「ONE SAMAURAI 1 フライ級キックボクシング暫定世界王者決定戦 ロッタンVS武尊」を有明アリーナで開催。メインイベントでは現役ラストマッチとなったK-1元3階級制覇王者の武尊(team VASILEUS)が元ONEフライ級ムエタイ王者のロッタン・ジットムアンノン(タイ)に5R勝利し、有終の美を飾った。
“カリスマ”は現役ラストマッチで最強を証明した。入場前から会場がボルテージは最高潮になっていた。1Rから両者は一歩も引かなかった。2Rに試合が動いた。両者打ち合いの展開でカウンターの左フックでダウンを奪った。その後も左フックで2度目のダウンを奪った。3Rは被弾しながらも“来いよ!”と吠える場面もあった。4Rはロッタンが圧力を強めて苦戦する場面もあったが、ラウンド終了間際にはラッシュ仕掛けてダウン寸前まで追い込んだ。最終Rもダウン奪うと最後はラッシュでロッタンを倒しきってKO勝利。有終の美を飾った。
「僕が海外に行って、ONE行って、何回も負けちゃってみんなの期待を裏切ったけど、変わらずにこの有明アリーナ、満員のお客さんが集まってくれて本当にありがとうございます」と声を張り上げた。ラストマッチへの覚悟について「本当にいやあ…、いっぱい言いたいことあったんですけど、本当にうれしいしかないです。ロッタン選手もKO負けの後なのに再戦を受けてくれて本当にありがとうございます。ロッタン選手がいなかったら、こんな最高の引退試合ができなかったので、本当、ロッタン選手にも拍手をお願いします」と話すと、大きな拍手に包まれた。
ベルトの重さについては「ホッとしました。このベルト獲ることだけ考えてこの数年間ずっと毎日やってきた。ケガがあったり、色々なことがあって、遠回りしましたけど、最後の最後にこれを獲れたことを感謝します」とし、「みんな僕が引退しても、この格闘技の熱、この歓声の、この熱はこれからのファイターたちにも絶対力になるんで。日本にいっぱい団体ありますけど、みんなで、どこの団体がすごいんじゃないんですよ、格闘技がすごいんですよ。みんなで格闘技を盛り上げましょう。こんなんで終わらせちゃ駄目ですよ。格闘技の熱を取り戻しましょう。東京ドームでやりましょう」と語った。
23年4月にONEと複数試合契約した武尊。ONEと契約した理由は同じファイトスタイルであるロッタンと対戦するためだった。25年3月の日本大会で待ち望んだロッタン戦が実現した。しかしまさかの結末に終わった。武尊が相手の蹴りが当たらない距離間で戦っていたが、その距離をつぶしたロッタン。武尊は左フックを被弾。さらに下がると再び左フックで倒れると立ち上がれるが、レフェリーが試合を止めてわずか80秒でKO負けを喫した。しかし試合後に左肋骨と胸骨の2箇所を骨折していたことを告白した。
敗戦から8か月。昨年11月の日本大会で再起とONE2勝目を懸けてデニス・ピューリック(カナダ/ボスニア・ヘルツェゴビナ)と激突。最後はパンチの連打でタフな相手をなぎ倒して2RTKO勝利を飾った。武尊の日本での勝利は、21年3月28日のKー1日本武道館大会でレオナ・ペタスに勝って以来約4年半ぶり。歓喜の武尊はケージからのムーンサルトを久々に国内のファンに披露した。
しかし試合後に会場から悲鳴が上がった。「僕は次の試合で現役を引退します」と電撃発表。「武尊はみんな期待を裏切らないでやってきたと思う。現役最後までみんなの期待を裏切らないので、ロッタン選手が受けてくれるなら、最後の試合ロッタン選手と思いっきり戦いたい。最高の勝ち方で勝って、武尊を応援している人たちに“応援していてよかった”と思う試合にするので、応援に来てください」とファンにメッセージを送った。
武尊の望み通り、引退試合ではロッタンとONEフライ級キックボクシング暫定王座決定戦で激突することが決定した。「ロッタンというONEでこの階級で一番強い男を倒したいという気持ちが強いです」とリベンジを誓っていた。
「前回の負けは、僕の格闘技人生の中でも一番と言っていいほど屈辱的な負けだった。だから現役中にやり返したいと思った。今回こうして、ロッタン選手と戦うことが出来て本当にうれしい。最後は自分のためだけに思い切って戦って、後悔なく最後に倒してリベンジして必ずベルトを取りたいと思ってる。その姿を見てもらえたら嬉しいと思います」という言葉通り、最強の男を下して有終の美を飾った。
