富山港線LRT化20年 森雅志・前富山市長とみる開業後の街づくり現在地
続いては富山港線のLRT開業から20年を迎え、利用状況はどう変化したのかみていきます。
「ばいばーい!」
富山港線は今も多くの市民の生活を支えています。
利用客(70代)
「今はだいぶ年取ってきたから車はなかなか運転しづらくなるから、今はまちなかまで直通でいけるから非常に便利になりました」
通勤利用客
「1週間のうち5日(利用している)」
「静かなのと時間がわりとコンスタントにあるんで」
利用客(富山市在住)
「富山ライトレールから続く新しい路面電車は、街の顔としてすごく定着していると思うので、富山といえばLRTみたいな」
栃木県からの観光客
「こちらのほうが先駆ですね」
「大変快適に移動ができて助かりました」
富山市によりますと、富山港線の1日あたりの利用者はLRT開業前の2005年度は、平日は2200人あまり、休日は1000人あまりでした。それが開業後は平日は4800人前後に。休日は、開業翌年に大きく増え、その後も3300人前後で推移しています。南北接続後の2022年度には調査方法は異なりますが、平日の利用が5000人を超えました。富山市は、電車を増便し基本15分間隔のパターンダイヤにしたことや運賃を均一にしたことなどで、利便性が高まり利用の増加につながったとみています。
また、駅を拠点とした二次交通も整備しました。フィーダーバスとして富山港線の蓮町と岩瀬浜の2つの駅を発着点とし、周辺地域をまわるルートがあります。バスを運行する富山地方鉄道は、働き方改革の影響もあり今月から夜間を中心に減便しました。かつては年間10万人を超える利用がありましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響などでおよそ3割減り、依然、回復はしていません。
フィーダーバスは伸び悩んでいますが、富山港線の利用は大幅に増えています。
Q公共交通とまちづくりの現在地はどうでしょうか?
森さんは、富山市の都市政策が地域に与えた効果を実践的な研究としてまとめ、この春、京都大学の博士の学位を取得されましたね。
Q論文執筆のきっかけはなんだったんですか?
論文は100ページ以上ありますが、ポイントを解説いただきたいと思います。まずこちらは、富山市と同じ中核市が公共交通にどのくらい予算をあてているかを比較したものです。横軸が一般会計の予算、縦軸が鉄軌道に関する予算額です。緑色の線、予算の200分の1を超えているのは、富山市を含めた3都市だけとなっています。ちなみに東大阪市はモノレール、宇都宮市はライトレールを整備しました。富山市は全国的にみても公共交通への投資が多いんですね。
そしてこの投資がどのくらいプラスの効果としてあらわれているのか、指標として固定資産税と都市計画税をみてみます。こちらは、富山市とほぼ同じ規模の金沢市と岐阜市と比較したグラフです。2006年のライトレールが開業した年は、富山市と岐阜市は同じくらいの税収でしたが、15年後の2021年には富山市が大幅に増えて差が開いています。金沢市との差も縮まっています。
Q具体的にどんな開業効果が税収にプラスになったのでしょうか?
こちらは公共交通への投資とまちなか居住の推進事業を合わせた「先行投資額」の推移です。開業後はおおむね年間10億円程度となっています。これに財政効果を重ね合わせると、2015年ごろから財政効果が上回りました。収支を累積でみても、さらに財政効果が増加傾向にあります。
Qこの結果は想定通りだったのでしょうか?
ただ、沿線の住民は直接恩恵を受けますが、沿線以外の、特に旧町村部では格差を感じる住民もいます。
Q都市政策は発展途上のところもあるのではないでしょうか?

