「ロゴ似ている」と日本の上場会社が「Zoom」米運営会社など訴え、東京地裁が1・8億円支払い命じる…使用差し止めは認めず
東証スタンダード上場の音楽用電子機器会社「ズーム」(東京)が、自社と似たロゴを無断で使われたとして、ウェブ会議サービス「Zoom」の米運営会社と国内販売代理店を相手取り、損害賠償やロゴの使用差し止めなどを求めた訴訟の判決が24日、東京地裁であった。
渋谷勝海裁判長は、商標権侵害を認め、計約1億8200万円の支払いを命じた。ロゴの使用差し止めは認めなかった。
判決によると、ズーム社は2006年3月、社名をアルファベットで表記した「ZOOM」をデザイン化し、ロゴとして商標登録した。
訴訟でズーム社は、自社とウェブ会議サービス「Zoom」のロゴは、いずれも同じアルファベット4文字を横書きに配置したもので、見た目も似ていると訴え、商標権が侵害されていると主張した。
米運営会社側は「Zoom」のロゴについて、ウェブ会議サービスを示すものとして知名度が高いと反論。「同サービスでの実績がないズーム社のものと誤認するおそれはない」とし、争う姿勢を示していた。
判決は、双方のロゴについて、同じアルファベットの文字をデザイン化している点が共通していると指摘。外観も類似しており、「ズーム」という呼び方も同じであることなどを踏まえれば、双方のロゴを誤認・混同するおそれがあると判断した。
一方で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、「Zoom」などのウェブ会議サービスの利用率が大幅に伸びていたことにも着目。遅くとも20年7月以降は、「Zoom」のロゴが有名になって双方のロゴが誤認・混同されるおそれはなくなったと指摘し、サービス普及前についてのみ商標権侵害を認めた。
その上で、20年6月までの間、ズーム社に損害を与えたとして、米運営会社にライセンス料相当額の約1億6600万円を返還するよう命令。国内販売代理店の「NECネッツエスアイ」(東京)にも、約1600万円の支払いを命じた。
判決後、米運営会社は「ロゴ使用の継続を認める判断に安堵(あんど)している」とする一方、支払い命令について「誠に遺憾であり、今後あらゆる対応策を検討していく」とコメントした。
