三菱UFJ銀行はなぜ赤いのか…「圧倒的な規模」を誇る組織が生んだあの色の正体

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日本最大のメガバンク、三菱UFJ銀行。コーポレートカラーの「赤」が印象的だが、いったいなぜ、あの色になったのだろうか。そこには、旧東京三菱銀行と旧UFJ銀行の「合併の歴史」が関係しているという……。『教養としての三菱・三井・住友』の著者、山川清弘氏に由来を解説してもらった。

「赤い銀行」の“赤さ”には由来がある

三菱UFJ銀行は、三菱グループの中でも最も消費者に近い企業の一つでしょう。

私たちの日常生活に深く関わっており、給与の受け取りから公共料金の支払い、住宅ローンの相談まで、身近な金融サービスを提供しています。

ドラマ『半沢直樹』に出てくるメガバンク・東京中央銀行のモデル(三井住友銀行の説も)とも言われていますが、現在の三菱UFJ銀行の頭取は半沢淳一氏(2026年4月1日付で親会社の三菱UFJフィナンシャル・グループ社長に就任)、そして会長が堀直樹氏というのが、ちょっとできすぎな偶然ですね。

三菱UFJ銀行の通帳やロゴといえば、あの赤色。よくメガバンクを指すときの隠語で、「赤」といえば三菱UFJ銀行ですが(「緑」は三井住友銀行、「青」はみずほ銀行ですね)、でも、ちょっと不思議に思ったことはありませんか? なぜあんなに赤いのでしょう?

実はこのカラー、「旧東京三菱銀行の真紅」と「旧UFJ銀行のえんじっぽい赤」の中間色だとされているんです。

発足当時、東京三菱側の広報は「両行の赤の中間を意識した」と説明していましたが、「え、そうなの……?」と少し言い訳っぽさを感じてしまうところに、銀行同士の合併の微妙な空気感が漂っていたのを覚えています。

「三菱らしさ」を背負ってきた三菱銀行

三菱UFJ銀行は、三菱グループの中でも金融中核を担う企業であり、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の中核事業会社です。日本最大、そして世界でも有数のメガバンクとして、国内外で圧倒的な規模を誇ります。

MUFGの中には、銀行だけでなく信託銀行、証券、リース、アセットマネジメントなども含まれています。

三菱UFJ銀行の源流は、旧三菱銀行にあります。戦前の三菱銀行は、三菱財閥本体の資金中枢として機能し、三菱重工業、三菱商事、三菱地所などへの資金供給を担っていました。

財閥解体後、銀行間の統合が相次ぐ中でも、三菱銀行は常に「三菱らしさ」を背負ってきた銀行であり、グループ全体の信用を象徴する存在でもありました。

「名古屋支店長」には不文律がある?

一方、三菱UFJ銀行のもう一つのルーツは、旧UFJ銀行です。この銀行は、東海銀行(名古屋に本店)と三和銀行(大阪に本店)という、都市銀行由来の大手銀行が合併して2002年に誕生したものです。

東海銀行は愛知・岐阜・静岡を地盤に、トヨタ自動車など中部財界と深い関係があります。また、三和銀行は関西財界の銀行としての地位を確立してきました。

統合から約20年が経過した今でも、名古屋支店長には旧東海銀行出身者が就く慣例があります。

これは、旧東海銀行がトヨタ自動車の主力銀行の一つとして長年関係を築いてきたためで、「トヨタのお膝元の金融は東海系に任せる」という、いわば暗黙のルールが残っているのです。

もっとも、銀行合併後に採用された新卒の若手行員たちに「旧行意識」は皆無でしょうし、こうしたすみ分けも徐々になくなっていくのでしょう。逆に言えば、合併後の社内融和には、一世代の交代が必要だとも考えられそうです。

三菱UFJ銀行

・本社所在地:東京都千代田区

・従業員数:31,427人

・時価総額:非上場

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