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熊本地震では、大分県内で住宅のほか、道路などにも大きな被害が出ました。地震を教訓にした対策は、この10年でどのように変化したのか。自治体などの取り組みを取材しました。

【写真を見る】道路の耐震化と「無縁墓」問題 変わりゆく避難所「ペット同行避難」 熊本地震10年

高速道路で災害対応力強化へ

2016年4月16日、地震により大きな被害を受けた大分自動車道。大規模な山崩れが発生し、大量の土砂が道路をふさぎました。道路にかかる橋も損傷し、被災区間ではおよそ1か月にわたり、通行止めが続きました。

管理するネクスコ西日本は復旧作業により、災害に対応する車両の通行が長期間制限されたことを教訓に、対策を現在も進めています。

ネクスコ西日本九州支社大分事務所・濱崎貴志統括課長:
「のり面に関しては定期的な点検を適宜実施するようにしていて、橋梁に関しても被災後に速やかに機能回復できる道路とすべく、耐震補強を進めています」

地震の発生後、ネクスコ西日本では管内にある6000以上の橋を調査。2023年末で7割近くの耐震対策を終えました。今後も順次工事を進め、災害対応力の強化に取り組むとしています。

墓石倒壊…4割近く手つかず

また、最大震度6弱を観測した別府市では当時、市営墓地で墓石の倒壊が相次ぎました。

吉田キャスター:
「こちらのお墓は10年前の地震の影響で、今でも壊れたままの状態となっています。墓石が横に転がっています」

市によりますと、地震により市営墓地で倒壊した墓は、およそ900基に上りました。その後の調査で、このうち6割が修復作業を終えましたが、4割近くは手つかずのままです。

別府市生活環境課 堀英樹課長:
「使用者の方が亡くなるなどして無縁墓の状態になった墓については、なかなか行政としては手が出せなかった」

こうした中、市は市営墓地の一角に永代供養となる合葬墓を建設。一般募集を含めた供用を5月から始めることで、倒壊したままの無縁墓に対して、ひとつの区切りをつけたい考えです。

別府市生活環境課 堀英樹課長:
「今回の熊本地震を含めて考える大きなきっかけになったと思います。今後は無縁墓の縁故者をたどる調査を加速していくように取り組んでいます」

「ペット同伴避難」取り組み進む

一方、この10年で被災者が求める避難所のカタチも大きく変わりました。被災住民からの要望を受け、各自治体が取り組みを進めるペット同伴の避難。県によりますと、地震から10年が経ちペット連れで利用可能な避難所について県内全ての市町村で開設可能となりました。

別府市では3年前から市内に開設する避難所のひとつで、ペット同伴での利用ができる準備を整えました。

別府市防災局 中西郁夫次長:
「ペットがいることによって避難所の利用を控え、車中泊や危険な家の中に住まわれることによって災害関連死のリスクが高くなる。これを防がなければならないのが一番です」

避難所におけるペットの生活空間は自治体によって異なりますが、市の担当者はワクチンの接種など災害時を想定した備えを飼い主に呼びかけています。

別府市防災局 中西郁夫次長:
「例えばエサやケージは、自己責任で準備していただく必要がありますが、市としてもできる限りの備蓄をこれから備えていきたいと考えています」

熊本地震を受けてこの10年で変わりつつある自治体などの災害対策。私たち住民にも日頃の準備や心構えが改めて求められています。