「礼儀正しく、誇らしい娘さん」池袋ポケセン刺殺事件 被害女性のご近所さんが明かす「優しい素顔」
凶器はタオルで巻かれゴムで縛り
池袋のサンシャインシティ内ーー。多くの子供やファンで賑わう『ポケモンセンターメガトウキョー』で、3月26日午後7時15分ごろ、
「中で刃物を持った人が暴れている」
「男女二人が血を流して倒れている」
などと複数の110番通報があった。
現場は、春休みを迎えた平日夜の商業施設。逃げ惑う客、悲鳴を上げる店員。幸せな空間は一瞬にして、逃げ場のない「殺害現場」へと変貌していた。
捜査関係者の証言や防犯カメラの映像をつなぎ合わせると、被疑者である廣川大起容疑者(26)の、極めて強い殺意と執着が浮かび上がる。
廣川容疑者は事件当日、午前中は母親と外食を共にしていたが、別れた後の足取りは“凶行へのカウントダウン”そのものだった。
午後6時45分ごろにサンシャインシティ地下1階に到着すると、店外から中の様子を2度にわたって覗き込んでいる。春川萌衣さん(21)の勤務状況を確認していたとみられる。
「犯行の約10分前、容疑者は店舗近くのトイレに入りました。個室にリュックを放置し、自身のスマートフォンを便器の中に水没させていたんです。外部との連絡を断ち、証拠を消し去る意図があったのでしょう」(全国紙記者)
トイレを出た廣川容疑者は、迷うことなく店内へ足を進めた。ターゲットである春川さんは、カウンターの中にいた。廣川容疑者はカウンターの内側に回り込み、抵抗する間も与えず、布に包まれた包丁のような刃物で彼女の首などを複数回刺した。
「襲撃を開始してから、容疑者が自身の首を切り、意識を失うまで、わずか1分間ほどの出来事でした。現場に残された凶器の刃物は、タオルで巻かれゴムで縛られるなど、持ち運びや犯行の瞬間の滑り止めまで計算されていた可能性があります」(同・全国紙記者)
泣き叫び、大声を出しながら元交際相手を襲い続けた廣川容疑者は、直後に自身の命も絶った。周囲には他の店員や客もいたが、廣川容疑者は脇目も振らず、春川さん一人だけを狙っていたという。
明るくて優しい子だったのに……
被害に遭った春川さんについて、近隣住民の女性は本サイトの取材に対し、
「本当に礼儀正しく、誇らしい娘さんだった」
と涙を見せる。
「萌衣ちゃんは、小学校に上がる前からここに住んでいました。3人きょうだいの長女で、下の弟や妹の面倒をよく見る、本当にしっかりした子だったんです。週末には家族みんなでお買い物に行って、荷物を運ぶ姿をよく見かけました。お父さんもお母さんも大切にする、明るくて優しい子だったのに……」(同・近隣住民)
と惜しまれる存在だった。
幼い頃からバスケットボールを楽しみ、近所ですれ違えば必ず
「おはようございます」
と挨拶を絶やさなかったという春川さん。彼女がようやくつかんだ「夢」が、このポケモンセンターでのアルバイトだった。
「彼女にとって、ここで働くことは憧れだったようです。警察が防犯上の理由から転職を勧めた際も、『仕事はやめたくない』『ここで働くのが夢だった』と、強い意志を話していたといいます」(捜査関係者)
廣川容疑者は萌衣さんに対し、
「(ポケモンセンターは)お前には向いてないからやめろ」
と執拗に迫っていたという。
「それが別れの決定的な理由のすべてかは分かりませんが、萌衣さんにとっては、自分の大切な夢を否定されたことが、別れを決意した大きな要因のひとつだったという話があります。ようやくつかみ取った夢の場所ですからね。それを奪おうとする行為は、彼女にとって耐え難い裏切りだったのでしょう」(同・捜査関係者)
夢だった職場で、最期まで懸命に生きようとした春川さん。そして、法による禁止命令も、母親による監視依頼も、すべてを無効化させた廣川容疑者の歪んだ愛憎。警視庁は被疑者死亡のまま、殺人容疑で書類送検する方針だが、奪われた未来が戻ることはない――。
