【狙われる日本企業】 サイバー攻撃にどう備えるか?
北海道では、社長になりすました人物から同社の経理担当者へ連絡が入り実際に8000万円を振り込ませた事件が発生。昨年12月以降、東京都内で同様の件が約20件確認されており、被害総額は1億円超。12月以降の件数増加を受けて、1月警視庁はHP上で注意喚起をした。
攻撃は電話やメールだけではない。2024年2月、詐欺グループが香港のある多国籍企業のビデオ会議において、ディープフェイク技術を悪用して同社の最高財務責任者(CFO)になりすまし、2500万米ドル(約38億円)を送金させた事件が発生した。社員たちはビデオ会議の画面上で話していた社長をAIでつくった偽物だとは見抜けなかった象徴的な事件である。
「該当者の写真をインターネット上などから入手し、リアルタイムにビデオ会議などで別人に成りすますことは、映像だけであれば、知識をそれ程持たない者でも容易に成りすますことが可能。リアルタイムの音声変換は、2か月前に検証した際はあまり精度がよくなかったが、AIによる学習次第で精度が変わってくるため、日々向上している」とトレンドマイクロシニアスペシャリストの高橋昌也氏。こうした対策に、同社では、法人、個人向けにディープフェイクを検出するソリューションの提供も行う。
経営トップが社内においての重要な指示をFace to Faceで全て行うということも現実的ではない。
「技術的な対策に合わせて組織的、仕組み的な対策(例えば、経営層がすぐに費用を振り込んで欲しいといっても、適切なメンバーの承認を通す送金体制等)があわせて重要」(同)
国内外の組織や警察機関と密に連携しながら事業を行うトレンドマイクロ。デジタル社会の安全、安心、確保へ向けて縁の下の力持ちとして闘う同社である。
