新型『マツダCX-5』に新色を採用した理由と意義 キーワードは高解像度化 どの国の光でもネイビーに見えるように
現行『ディープクリスタルブルー』の正常進化版
マツダは、1月9〜11日に幕張メッセで開催された『東京オートサロン2026(TAS)』において、『ネイビーブルーマイカ』の『マツダCX-5』を展示した。このボディカラーは新色で、この場が初公開。そこでマツダデザイン本部チーフデザイナーの椿貴紀さんに、そのこだわりを聞いた。
【画像】新色『ネイビーブルーマイカ』採用!日本導入も迫ってきた新型マツダCX-5(欧州仕様) 全125枚
ネイビーブルーマイカは、現行の『ディープクリスタルブルー』の正常進化版で、そのキーワードは高解像度化、ハイレゾリューションだという。

マツダは新型CX-5に新色の『ネイビーブルーマイカ』を採用。 マツダ
ポイントは2点。
ひとつはマイカの粒子を細かいフレークにすることで、ソリッドのように見せていること。
もうひとつは、従来のディープクリスタルブルーが強い光を浴びると少し白く光る傾向があったのを、光ってもしっかりとネイビーに見えるようにアップデートしたという。
ネイビーにこだわった理由を、椿さんはこう話す。
「CX-5は主力車種ですから、売れている色はしっかりラインナップしたいんです。ディープクリスタルブルーは世界のどの地域でも10%くらいのシェアがありますので、今回アップデートしようと開発しました」
実は社内から「やらなくてもいいのでは」という声もあった。しかし、新型CX-5が『本質を磨き上げる』、『王道を極める』ことを開発方針に掲げている以上、色でもそれをしっかり実現したい、という思いから取り組んだそうだ。
世界のどこでも紺に見えるように
このカラーは、CMFデザイナーによる提案のひとつだった。
CX-5の主戦場のひとつ、アメリカのスタジオでスタディを進めた結果の報告の中に、カリフォルニアの光が非常に強いことから、ディープクリスタルブルーのエッジ部分が白っぽくなる傾向があるというものがあったそう。

マツダデザイン本部チーフデザイナーの椿貴紀さん。 内田俊一
また、近年欧米のメーカーで青系をラインナップする傾向があることから、ディープクリスタルブルーは少し古臭く見えることがあるという指摘もあり、「ぜひ、カルフォルニアの強い光でもしっかり紺に見える色を」と開発した。
しかし、量産の最終確認会でやり直しになったという。
「晴天の下ではきれいにコントラストがついていたのですが、その日、雨は降らないものの曇天でした。そこで見ると、紺ではなく真っ黒で陰影が見えないことが分かったんです。この色はスタンダード色で、どの市場でも売れてほしいし、良く見えるようにしたい。
ドイツでは秋から次の春まで曇りの日ばかりですし、日本も梅雨など雨の日も多いです。カリフォルニアだけでなく、そういうところでもきちんと紺に見えるようにしなければと再度調整をし、結果としてグローバルで良い色に仕上がりました」と椿さんは嬉しそうに語った。
カラーをデジタルによって定量化
今回、新たな取り組みもあった。それはカラーの定量化だ。
通常は、デザイナーが色を見て「もうちょっと彩度が」あるいは「青みがほしい」など、言葉で伝えていたが、今回はデジタルによって定量化することにトライ。数値として『この色は前の色より青みが強くなった』等、数字で見えるようにすることで、サプライヤーも含めて方向性を迷わずに短期開発ができるようにした。

従来のカラーと新色『ネイビーブルーマイカ』の比較。 マツダ
「ネイビーブルーマイカはパッと見ての派手さはないかもしれませんが、日々の生活で気兼ねなく使えるとても良い色ですし、それがネイビーの人気の秘密だと思います。より青が強いと、抵抗感を持つお客様が出るかもしれませんが、ネイビーブルーマイカは光るとしっかり青みが出てくるんです。ぜひ、外光の下で見ていただきたいカラーです」
インテリアカラーの白と黒のツートーンとの相性も抜群だ。
「ネイビーと白のボーダーの洋服は誰が見ても清潔感があって、嫌味がないですよね。CX-5のカラーコーディネートもその辺に通じるような気がするんです」とコメントし、ドアを開けてボディカラーとインテリアカラーのコントラストを見て欲しいと語った。
椿さんがいうように、ネイビーは定番色として『押さえ』のカラーといえる。そこに改めて着目し、どの国の光でもしっかりとネイビーに見えるようにすることは、かなり難しいトライだったことだろう。今回は屋内会場の光源だったので、ぜひ太陽光の下でしっかりと見てみたい、きれいなカラーだと感じた。
