“午年”だからこそ必ず初詣で行きたい!神様が騎乗する馬『御神馬』が見られる神社9選
2026年の干支は「午年」。古来から「馬」は人間の生活や文化と深いつながりがある動物です。そのためか今年は、牧場・競馬場・美術館・動物園・馬術部ほか、馬に関わるさまざまなところがSNSで所属馬たちのアピールをしています。
そして、日本各地の生きた馬を「御神馬」としている神社も、初詣の様子などが各メディアでも取り上げられ「ひとめ御神馬に会いたい」と願う人で賑わっている様子が注目されているようです。
馬は成功・繁栄・元気・前進など縁起のいいシンボルともいわれています。年の初めは、「御神馬」に会いに行ってみませんか。
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『御神馬』とは
「神馬(しんめ/じんめ、かみうま)」は、“神様が乗る馬”のことで、日本の神社に奉納され催事のときなどに活躍しています。生きている馬をご神馬として大切に飼育しているところもあれば、絵馬、木像、銅像、天井絵などを祀っているところも。
授与品として馬のお守りや鈴、ぬいぐるみなどのさまざまなグッズ類も、見た目の可愛らしさもあり人気があるようです。
生きている馬を「御神馬」として飼育する神社の中から9社をご紹介しましょう。
約1300年の歴史ある“江戸の守り神”『神田明神』

神田大明神( photo-ac)
外神田にある神田明神。正式名称は『神田神社』です。天平2年(730)創建以来、戦国時代は太田道灌や北条氏綱などの武将が崇敬し、慶長5年(1600)、徳川家康が関ヶ原の戦いの際に必勝祈願をしたところ、9月15日「神田まつり」の日に勝利し天下統一を果たしました。以来、徳川家にとって縁起のいい神社となり信仰され続けています。
神田明神では「大己貴命」、えびす様である「少彦名命」、「平将門命」がご祭神で、ご利益は、縁結び、夫婦和合、健康祈願、商売繁盛など多岐に渡ります。
ここでは、昨年15歳を迎えた御神馬のポニー「あかり(神幸号)」ちゃんが大人気。明るく平和な世を願い神田明神の「明」の文字から「明(あかり)」と名付けられました。当時、馬の調教師の経験を持つ神職さんが在職していたことから神社に迎えるようになったそうで、普段は社殿横の神馬舎で参拝者を迎えています。

御神馬の「あかりちゃん」(photo-ac)
【神田明神】
所在地:東京都千代田区外神田2-16-2
公式HP:https://www.kandamyoujin.or.jp/
都内で唯一、安倍晴明ゆかりの『五方山熊野神社』

五方山熊野神社(photo-ac)
平安時代中期、一条天皇の長保年間(999〜1003)に創建された、葛飾区内で最も古い神社『五方山熊野神社(ごほうざん くまのじんじゃ)』。陰陽師・安倍晴明が水害に悩むこの地を訪れ、陰陽道五行説にもとづき正五角形の結界を敷き、五方山熊野神社を勧請したそうです。伊邪那岐大神を御祭神として、縁結び・家内安全・病気治癒などにご利益があるとされています。
ここでは、御神馬として3頭のポニーを飼育。育てている千島俊司宮司は北海道生まれで、父が騎手、祖父が調教師という競馬一家に育ち、ご自身も日本中央競馬会(JRA)の元職員で競馬学校で指導を行うなどの経歴の持ち主だそうです。
最年長でシェットランドポニー種牝馬の「きらら」と、ミニチュアポニー種で小さい「ちょこ」、日本ポニー種の「ばにら」は、併設する幼稚園の子どもたちの友達のような存在で、参拝者にも愛されているアイドルです。
【五方山熊野神社】
所在地:東京都葛飾区立石8丁目44−31
公式HP:https://jinjya.kumano-kids.com/
歴代天皇や源頼朝ほか武士から崇敬を集めた『平塚八幡宮』

平塚八幡宮(wiki)
仁徳天皇の代の68年(380年)にこの地に大きな地震があり、人々の苦しみを見かねた仁徳天皇(第16代)が社を建てられたことを創祀とする『平塚八幡宮』。
相模國一國一社の八幡宮として、歴代の天皇や源頼朝公をはじめとする武士からも崇敬を集めました。戦国時代に兵火に遭い、御社殿をはじめ社宝、社伝記はことごとく灰塵に期してしまいました。そして、徳川家康が江戸に入府、荒廃していた平塚八幡宮の社殿を復興したそうです。
御祭神は、神応神天皇、神功皇后、武内宿禰で、安産、厄除、家内安全、商売繁昌、交通安全ほか、多岐にわたる御利益で信仰を集めています。
ここでは、元気なおてんば娘の白い毛並みの「皐月(さつき)」、のんびりでマイペースな黒と白のツートンカラーが特徴の男の子「東風(こち)」の御神馬が迎えてくれます。
皐月は令和元年11月26日、今から950年程前より平塚八幡宮の分霊を祀る岐阜県高山市鎮座櫻ヶ岡八幡神社に縁のある人から奉納され、東風も岐阜県高山市からやってきたそうです。
【五方山熊野神社】
所在地:神奈川県平塚市浅間町1-6
公式HP:http://www.hachiman.org/
ご神馬ギャラリー:http://www.hachiman.org/sacredhorse.php
京都で最も古い神社のひとつ『上賀茂神社(賀茂別雷神社)』

賀茂神社(wiki)
京都市北区にある『上賀茂神社(賀茂別雷神社)』。広大な敷地内はすべてユネスコ世界文化遺産に登録されている、賀茂別雷大神を御祭神とする神社です。 別雷神とは「雷を別けるほどに強い力を持つ神」という意であり、古来より厄除・災難除け・必勝の神として信仰されています。
寛治7年(1093)、宮中行事の競馬(くらべうま)が執り行われるようになり、今も古式にのっとった形で毎年5月5日に「賀茂競馬」として続けられています。
上賀茂神社に御神馬の「神山号」が奉納されるようになったのは、昭和49年(1974)から。京都産業大学馬術部が初代の「神山号」から世話しています。普段は大学グラウンドの厩舎で過ごし、お祭りのときや日曜・祝日は神社に出社するそうです。

御神馬の「神山号」(photo-ac)
【上賀茂神社】
所在地:京都市北区上賀茂本山339
公式HP:https://www.kamigamojinja.jp/
水の神を祀る古社として朝廷から保護『丹生川上神社下社』

丹生川上神社下社(撮影:高野えり)
豊かな緑に囲まれた清流の里、奈良県吉野郡下市町にある『丹生川上神社下社(にうかわかみじんじゃ しもしゃ』。1300余年の歴史を守る神社で、ご祭神の罔象女神は、伊邪奈岐命・伊邪奈美命夫婦神の御子神で、水一切を司る神様です。
また、雨師の神でもあるので、人々は五穀豊穣を願い日照り続きのときには雨を、長雨のときには雨が止むようにとご加護を祈ってきました。
丹生川上神社は、江戸から大正にかけて、上社・中社・下社の3社に分かれ、すべてを巡ると、ご神馬が描かれた御朱印を頂けます。
「御神馬」の小さめの黒馬「黒ちゃん」とちょっと大きめの白馬「白ちゃん」が暮らしているのは下社。赤い鳥居の横にある木枠で作られた囲いの中にいて、人々を迎えてくれます。
ここで有名なのが、黒ちゃんによる「夕方5時の木枠のバー開け帰宅」。
夕方5時のメロディーが町内に流れるとともに、黒ちゃんが一番上の木枠のバーの下に身体を差し入れ「よいしょ!」と背中で持ち上げて、器用にバーを外し、自分で厩舎に戻っていくのです。自由に歩いたり寝転んだりする姿に癒しと安らぎを与えてくれる二人。何度も訪れる人が多いようです。

御神馬「白ちゃん」「黒ちゃん」(撮影:高野えり)

おっとりめの「白ちゃん」(撮影:高野えり)

木枠のバーを開ける、小さいけれど強気の「黒ちゃん」(撮影:高野えり)
【丹生川上神社】
所在地:奈良県吉野郡下市町長谷1−1
公式HP:https://niukawakami-jinja.jp/
北辰信仰と吉田神道が残る大阪最北端の『吉川八幡神社』

吉川八幡神社(wiki)
大阪府豊能郡豊野町にある『吉川八幡神社』は、吉田神道(特に北辰信仰)の文化を多く現代に伝えています。平安時代(1065〜1069年)に源頼国の七男 頼仲が創建したといわれ、主祭神は第十五代 応神天皇です。
また、敷地内には寄贈された能勢電鉄の車体が保存されていたり、水無月ごろには蛍の乱舞が拝観できる「鼓ケ滝」があったり、森林や竹林、洞窟などがあったりなど自然が豊かな空間が広がっています。
吉川八幡神社の御神馬「いづめ」は、木曽馬系の日本在来馬で日本古来の貴重な合戦馬です。令和元年の改元と新天皇御即位に際し、2019年6月に御神馬として吉川八幡神社に来ました。
いづめは自身の「X」のアカウントを持っています。関西弁での呟きや社務所の室内にいたるする写真などが話題を集め、今やフォロワーは2万人超えの人気です。神職であるいづめは「能勢電大好きやから、追い抜かすのが夢やねん」だそうです。

巫女さんと御神馬「いづめ」2019(wiki)

御神馬[「いづめ」wiki
【吉川八幡神社】
所在地:大阪府豊能町吉川936
公式HP:https://www.yoshikawahachiman.com/
いずめ公式「X」:https://x.com/yoshikawa8izume
摂津国一之宮・住吉神社の総本社『住吉大社』

吉大社 本宮(wiki)
摂津国の中でも、由緒が深く、信仰が篤い神社として「一之宮」という社格がつけられ、人々に親しまれてきた『住吉大社』。伊弉諾尊が禊祓を行なった際、海中より出現した、底筒男命・中筒男命・表筒男命の三神、神功皇后を祭神とします。
仁徳天皇の住吉津の開港以来、遣隋使・遣唐使に代表される航海の守護神として崇敬をあつめ、王朝時代には和歌・文学の神として、また禊祓・産業・貿易・外交の祖神と仰がれています。
御神馬は白馬の「白雪号」。年が明けると行われる白馬神事は「白雪号」が各本宮を巡拝した後に境内を駆け巡る神事で、年の初めに白馬を見ると邪気が祓われると伝えられております。神事中は「白雪ちゃ〜ん」と声があがるそうです。
【住吉大社】
所在地:阪府大阪市住吉区住吉2丁目9-89
公式HP:https://www.sumiyoshitaisha.net/
大物主神と崇徳天皇が御祭神の『金刀比羅宮』

金刀比羅宮(本宮)(wiki)
香川県 琴平町の象頭山に鎮座する神社『金刀比羅宮』。御祭神は、大物主神と崇徳天皇で、古来から農業・殖産・医薬・海上守護の神として信仰を集めています。門前町から本宮までの785段の石段と、人の代わりにお参りをする犬「こんぴら狗」などが有名です。
昨年の元旦、平成20年より御神馬として活躍、甘えん坊で可愛らしい「月毛」の「月琴号」が亡くなり、3月3日に献馬式を斎行、御厩の白馬ルーチェ号を改めて「光驥号(こうきごう)」と命名し、新しい神馬としました。
さらに、5月27日には白馬カブ号を、改めて「白平(しろひら)号」と命名して御神馬に。船を守護する灯台の白色の白、航海の平穏・世界平和などの平などの意味を込めたというこの名前は、公募で決まったそうです。

ルーチェ号改め「光驥号」(photo-ac)
【金刀比羅宮】
所在地:香川県仲多度郡琴平町892−1
公式HP:https://www.konpira.or.jp/?stageID=hp_home&language=JAPANESE
海幸彦・山幸彦の神話の地『鹿児島神宮』

鹿児島神宮 勅使殿(国指定重要文化財)(wiki)
鹿児島県霧島市隼人町内にある『鹿児島神宮』。古事記に登場する海幸彦・山幸彦の神話の地で、ご祭神は天津日高彦穂出見尊と豊玉比売命。神社ができたのは神代と言われ、境内は皇居高千穂宮跡で皇祖発祥の聖地となっています。
五穀豊穣を始めとして、開運、厄除け、良縁、出産などさまざまご利益があると、地域の人々の信仰を集めています。
鹿児島神宮の御神馬は、白馬の「青嵐号(せいらんごう)」。2018年に日本中央競馬会(JRA)から奉納されたサラブレッドです。少々気は荒いけれども、お世話を担当してる人が会いに来ると、走って来てくれるそうです。

「青嵐号(せいらんごう)」(photo-ac)
【鹿児島神宮】
所在地:鹿児島県霧島市隼人町内2496-1
公式HP:https://kagoshima-jingu.jp/
各神社のルールを守り御新馬を大切に
今回ご紹介したほかにも、生きたご神馬のいる神社や、馬と縁の深い神社は全国にあります。「午年」の今年は足を運んでみてはいかがでしょう。
神馬に出会える日時やタイミングなどは、各神社、神馬の体調、天候などによって異なります。また、直接えさをやらない、驚かせない、持ち込んだ食べ物をあげない、口の前に手をださないなど、馬に配慮したマナーやルールは厳守です。
可愛い御神馬たちに負担がかからないように、そしていつまでも元気で健康で長生きできるように、そっと見守りましょう。

ぱっつん前髪になった丹生川上神社下社の御神馬「白ちゃん」(撮影:高野えり)

