プロトでも驚異の完成度 ポルシェ・カイエン・エレクトリック(2) 期待通りの敏捷性と快適性
気が遠くなるほどの速さ 200km/hまで10秒以下
遂に電動世代へのクロスフェードが始まる、ポルシェ・カイエン。まだ正確な動力性能は発表されていないが、カイエン・エレクトリック・ターボは0-100km/h加速を3.0秒以下でこなすという。200km/hまでも、10秒かからないそうだ。
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V8エンジンのドラマチックさへ惚れていた人は、淡白さが少し寂しく感じられる可能性はある。しかし、気が遠くなるほどの圧倒的な速さと、フレキシブルさは間違いない。

ポルシェ・カイエン・エレクトリック・ターボ(プロトタイプ)
ドライブモードは、コンフォートにノーマル、スポーツ、スポーツプラスの4種類。それぞれ、アクセルレスポンスへ明確な差が設けられている。新開発された合成サウンドシステムが、モードに応じて擬似的な排気音を奏でてくれる。
動的能力の幅は広く、市街地の低速域からアウトバーンの超高速域まで、当たり前のように対応。回生ブレーキは最大600kWまで発電可能で、摩擦ブレーキへの移行もシームレスといって良かった。惰性走行にも対応する。
ポルシェへ期待通りの姿勢制御と敏捷性
動力性能以上に、筆者が感心したのは落ち着いた姿勢制御と敏捷性。エンジンで走る3代目カイエンより車重はだいぶ増えるようだが、実感することは殆どなかった。
ターンインは即時的。オプションの後輪操舵システムと、傾きを抑える低重心化が大きく貢献している。バランスに優れ、正確で精彩に回頭していくマナーは、ポルシェへ期待するものといっていい。

ポルシェ・カイエン・エレクトリック・ターボ(プロトタイプ)
反応の良いステアリングは、重み付けが好ましく均一で、多くのバッテリーEVよりフィーリングも豊か。不自然な印象は、まったくない。
グリップとトラクションも印象的。リアアクスルの機械式リミテッドスリップ・デフと、前後の駆動用モーターによる高度な四輪駆動システムがなせる技だろう。トルク分配が、効果的に機能していた。
軽妙で魅力的な運転体験 悪路性能も高し
乗り心地も素晴らしい。傷んだアスファルトやカーブ途中の隆起部分でも、ボディは安定性を保ったまま。サスペンションは、アクティブ・エアスプリングとツインバルブ・ダンパーという組み合わせで、適度な張りはあるものの、不快な揺れは伝わらない。
姿勢制御は引き締まり、ボディロールを抑えつつ旋回は滑らか。前が285、後ろが315というワイドな22インチ・タイヤは、しっかり路面を捉え続ける。高速道路での直進安定性も良好。コンフォート・モードでは、しっとり静かなクルージングへ浸れる。

ポルシェ・カイエン・エレクトリック・ターボ(プロトタイプ)
標準のカイエン・エレクトリックでも、走りは軽妙で魅力的。リズミカルにカーブを縫っていく仕草は、シャシーの有能ぶりを物語る。ちなみに70km/h以上で10mm、135km/h以上では30mm、自動的に車高がダウン。空力特性を高めるという。
悪路も短時間試したが、滑りやすい急勾配など余裕綽々。グラベルやサンド、ロックといったオフロードモードが用意され、高精度なパワー展開と相まって、定速でスムーズにクリアしていた。最低地上高は245mmとのこと。
プロトタイプでも驚異的な完成度
プロトタイプでありながら、驚異的な完成度にあるカイエン・エレクトリック。圧倒的な動力性能と、目を見張る充電速度、成熟の域にある操縦性が相まって、見事な運転体験を実現しているように思えた。
リアデフはロック可能で、オンロードだけでなく、オフロードでの能力も高い。エンジンで走る3代目と並行して販売されるが、ターゲット層はどんな反応を示すだろうか。

ポルシェ・カイエン・エレクトリック・ターボ(プロトタイプ)
◯:ターボでも驚異的にシームレスな動力性能 乗り心地と操縦性の見事なバランス 広々としていて快適な車内
△:家族で乗ると3tに迫るであろう車重 過去になく高額になるであろうターボ
ポルシェ・カイエン・エレクトリック・ターボ(プロトタイプ)のスペック
英国価格:14万ポンド(約2772万円/予想)
全長:4979mm
全幅:−mm
全高:−mm
最高速度:249km/h以上
0-100km/h加速:3.0秒以下
航続距離:600km(予想)
電費:5.6km/kWh(予想)
CO2排出量:−g/km
車両重量:2700kg(予想)
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:108kWh
急速充電能力:400kW(DC)
最高出力:816ps(ローンチコントロール時:993ps)
最大トルク:110.4kg-m(予想)
ギアボックス:1速リダクション(前)/2速オートマティック(後/四輪駆動)
