内山昂輝דゲーマーキャラ”はなぜ魅力的なのか? 『怪獣8号』鳴海弦は一つの到達点に
アニメ『怪獣8号』第2期が、ついに幕を開けた。人類を脅かす怪獣と、それに立ち向かう日本防衛隊との死闘を描いた本作は、主人公・日比野カフカが怪獣に変身する力を手にしたことで、物語が大きく動き始めた。第1期のラストから怒涛の展開が続き、視聴者の期待も高まる中、今期最大の目玉といえるのは、新キャラクター・鳴海弦の登場だ。
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鳴海は、日本防衛隊・第一部隊の隊長。組織の中でも最強クラスの戦闘力を誇る人物である。にもかかわらず、任務中でも暇さえあればゲームに没頭し、エゴサーチが日課、部屋は散らかり放題。さらには重度の買い物依存症にサボり癖……と、問題点を挙げればキリがない。だが、すべてのだらしなさを打ち消して余りあるのが、怪獣退治における圧倒的な戦闘力とカリスマ性だ。
「圧倒的な『実力』を示せ。行儀のいい無能ならいらん」。第1話でキコルに伝えたその言葉の通り、防衛隊の中でも“強さこそが正義”という信条を体現する存在である。
そんな鳴海を演じるのが、声優・内山昂輝。これまでも数々の“ゲーマーキャラ”を演じてきた彼にとって、鳴海はある意味で一つの到達点ともいえる存在かもしれない。
たとえば『山田くんとLv999の恋をする』で演じた山田秋斗は、無愛想ながらゲームに関しては超一流という“高校生ゲーマー”。スマートフォン向けゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド(ツイステ)』のイデア・シュラウドでは、天才的頭脳を持つ“引きこもりゲーマー”という難役にリアリティを宿らせた。いずれも、異なるゲーマーらしさを際立たせる表現によって、内山昂輝がその個性を確立してきた名キャラクターだ。
そして今回の『怪獣8号』で内山が演じる鳴海弦では、イデアに通じるような早口とおどけたテンション、山田のようなダウナーな低音のトーン……そのすべてを併せ持ちながら、アクションシーンでは鳴海ならではの強さをしっかりとまとった演技を堪能できる。 内山はこれまで、『僕のヒーローアカデミア』の死柄木弔や『ハイキュー!!』の月島蛍、『呪術廻戦』の狗巻棘など、冷静かつ知的、あるいは寡黙な青年役を数多く演じてきた。そうした役柄の印象が強いこともあり、アニメファンの中には「クール系のキャラといえば内山昂輝」と思い浮かべる人も少なくないだろう。
ゲームを邪魔されてわめくテンションの高い芝居やコミカルな動きを交えた鳴海弦は、近年の出演作の中ではやや珍しいタイプといえる。さらに鳴海は戦闘シーンにおけるギャップも凄まじく、ときに司令塔としての声の鋭さも際立つ。そうした振れ幅のあるキャラクターを、改めて内山昂輝の声で楽しめること自体が、ファンにとってはひとつの贅沢だろう。
ちなみに現在放送中の『薫る花は凛と咲く』では、もはや十八番ともいえるクールな男子高校生・夏沢朔を演じている内山。鳴海とは芝居の方向性がまったく異なるだけに、この2役を同時期に楽しめることは、内山昂輝という声優の演技の幅を改めて実感できる、貴重な機会といえるだろう。
そして今後描かれていくであろう、日比野カフカや四ノ宮キコルたちとの関係性にも注目したい。圧倒的な実力を誇る一方で、最強ゆえにズレた部分も持ち合わせる鳴海。第1話では、カフカの第一部隊編成が発表された際、「8号は兵器化して、僕が使うのが最も効果的だ」とあっさり言い放ち、カフカがギクリとする場面も描かれた。まったく異なる立場や考え方を持つ者同士がぶつかり合い、やがて少しずつ歩み寄っていく。その過程にも、アニメ『怪獣8号』ならではの熱さとドラマがきっと詰まっているはずだ。
物語はまだ序盤。カフカがどんな未来を選ぶのか、そして“最強のゲーマー”鳴海弦がその中で何を見出していくのか。原作の名言の数々を内山昂輝の声で聞けると思うと、毎週の放送がこれまで以上に待ち遠しい。ギャグもシリアスも自在に操る、その“圧倒的な実力”にただただひれ伏すしかない。(文=リアルサウンド編集部)

