元仏代表の守護神もプレーするロサンゼルスFCで技を磨く有望株。アメリカにルーツを持つGK村松秀司が味わったU-17アジア杯豪州戦の悔しさ【現地発】
4月10日にU-17アジアカップのグループステージ最終節が行なわれた。4チームで競うGSで、2位以内に入れば決勝トーナメントに進出し、今秋のU-17ワールドカップの出場権を獲得できるなかで、廣山望監督が率いる日本代表は第2節を終えて首位に立っていた。
日本が自力でGS突破を決められる条件は最終節のオーストラリア戦で引き分け以上。優位な立場で大一番を迎えたものの、まさかの展開を迎える。
その頃、同時刻に行なわれている同組のUAEとベトナムのゲームは、後者が1−0でリードしており、この時点で日本は3位。2位以内に入るためにはオーストラリア戦を引き分け以上で終えるか、裏カードがドロー決着となる必要があった。
危機的な状況に陥った日本は猛攻を仕掛け、86分に途中出場のFW谷大地(鳥栖U-18/2年)が1点差に迫るゴールを奪う。W杯の出場権を手繰り寄せるべく、最後まで攻め続けたが、結果は2−3の敗戦。幸いにもUAEとベトナムが1−1で引き分けたため、最終的に日本が1位となったが、薄氷を踏みながらの勝ち抜けだったのは間違いない。
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W杯の出場権は獲得できたものの、オーストラリア戦の敗戦に誰よりも責任を感じていたのが、GK村松秀司(ロサンゼルスFC)だ。
187センチ・85キロの恵まれた体格を活かし、この試合ではシュートストップをいくつか披露するなど存在感を発揮したが、後半に3失点を喫した。1、2失点目はGKを責められるような場面ではなかったが、3失点目は自陣ボックス内での混戦からボールを弾き出せずにネットを揺らされた。
試合終了直後はその場から動けずピッチにうずくまり、無失点で抑えられなかった悔しさを露わにした。仲間たちがUAE対ベトナムの一戦を映像で確認するなか、村松は輪から外れて、祈るような仕草で他会場の決着を待った。
「僕は結果を見るのが怖すぎて見ていられなかった」
程なくしてタイムアップを迎えると、村松は安堵の表情で突破の喜びを噛み締めた。この振る舞いからも、いかに敗戦の責任を感じていたかが分かる。
アメリカ人の父と日本人の母を持ち、アメリカで生まれ育った村松。現在は元フランス代表のGKウーゴ・ロリスが所属するロサンゼルスFCの下部組織に籍を置き、高校2年生ながら、セカンドチームでプレーした経験を持つ。昨年12月のスペイン遠征で日本代表に初招集されると、評価を高めて主軸に定着。今大会は開幕前に足を痛めた影響から第3戦で初出場となったが、チームの副キャプテンを任されるなど廣山監督からの信頼も厚い。
その期待に応えるためにも、今回の経験を糧にして成長を遂げていくしかない。準々決勝以降は誰がピッチに立つか分からないが、最高の準備をして相手に立ち向かう。
「今回の経験を今後につなげていく。次の試合で頑張るしかない」
次は13日に準々決勝で開催国のサウジアラビアと対戦する。アメリカ育ちの有望株はさらなる飛躍を目ざし、ノックアウトステージに臨む。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
