【倒産不可避?】街の不動産店が次々と消滅、その背景にあるもの

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前年比70%増 街の不動店の倒産不動産関連企業は、産業になかでも数の多い産業の1つです。都市圏でもだいたいの駅前には1、2軒は必ず不動産屋さんがあり、いまもそれはあまり変わりないようです。これまでアパートやマンションなど賃貸物件案内のピークは2~4月ぐらいで、これはちょっとした風物詩みたいなものでした。しかし、最近になってこの「ピーク時」というのが、見えなくなってきています。こうした背景を踏まえ、不動産業界が今後、どうなるかを考えてきたいと思います。結論からいってしまうと、いま、街の不動産店の倒産が非常に増えてます。具体的には、帝国データバンクが発表した2023年の賃貸マンション・アパートの仲介・管理を手掛ける「街の不動産屋さん」の倒産件数は120件、前年比で70%増加しています。2023年3月31日現在の宅地建物取引業者と宅地建物取引士の数は、2022年に比べ宅建業者は1125業者増えています。ただ、これは宅建免許更新者数も含まれているので、この中には更新しない業者もいて、21年と比べた業者数はマイナスになっています。こうした不動産業者の倒産も含めた廃業が増える大きな理由は、不動産業者の多くが、駅前不動産のような小さい業者が多いということが要因の1つになっています。この理由は、人口減ということも大きな理由になりますが、むしろ、物件の紹介、案内の方法が変わってきたということがあります。賃貸契約件数が減少している理由2023年3月の東京都内の賃貸契約件数は、2万3000件で、業界では3万を切ったら厳しいといわれおり 、この数字はコロナ前の8割ぐらいまで落ち込んでいます。背景には、やはり在宅勤務が増えたことがあります。このため企業の人事異動にともなう転勤が減っています。また、大学進学も地方から東京や大阪といった大都市圏の大学への進学が少なくなって、地元の学校に進学する人が増えています。こういったことから賃貸住宅に居住する独身者や学生の入居者が減ったことが大きなの 原因なのです。それ以外の要因として見逃せないのが、引っ越し費用の高騰があります。たとえば、福岡から東京への引っ越し費用は単身者で10万円以上、2人世帯では20万円から25万円というのが相場です。また、同じ都府県内、いま住んでいる近所で便利なところや、広い部屋に引っ越すといった近距離引っ越しも以前はよくありましたが、これも引っ越し代の高騰や、引っ越し業者とのスケジュールが合わないなど、以前のように簡単に引っ越しができなくっているため、見送るというケースも増えています。背景には個人所得が上がらない一方で、家賃がじわじわと上がっているため、いま住んでいるところでがまんするということもあるようです。結果、小規模の不動産業者を訪れる人が減ってしまったわけです。大手と中小不動産会社の差は広がるばかりリアルな物件の内見も少なくなっているそれ以上に大きな変化が、物件の選び方や、その物件を実際に見る内見の方法が変わってきたことがあります。以前であれば、不動産業者の店に行って、希望に合いそうな物件を紹介してもらって、担当者と一緒に実際に物件を見に行く、内見をするのが普通でした。しかし、いまはIT化が進み、ネットを活用しで自分で気に入った物件を探し、メールやLineで物件を紹介してもらうことが増えてます 。この結果、こうしたシステムのある大手とシステムのない中小の格差がどんどん広がっているというのが実情なのです。はっきりいってしまえば、街の不動産店には行かず、スマホで大手の会社がつくったアプリで自分の好みの物件を探し、VRを使って内覧をして決めてしまうのです。もはや担当者と現地に行って物件を見るというようなタイパの悪いことは今の若者はしなくなってきてるのです。お気づきの方も多いでしょうが、少し前までは山手線、中央線、東海道線、また大手私鉄の駅前には何十軒もの不動産店が軒を連ねていました。しかし、最近は驚くほど少なくなっています。これを見ると、時代が大きく変わったと感じると同時に街の不動産店はどこにいったのかと思ってしまいます。人気は衰えることのない「不動産業」とはいえ、不動産業の人気がなくなったかというとそうではなく、依然として人気のある業種です。宅建取引士の資格を取った人の多くは自分で店を出したいという人も多い。街の不動産店は減っているのに、むしろ競争は激しくなっています。実際、5万7000軒あまりあるコンビニエンストアに対して、賃貸物件を扱ってる全国の不動産事業者は、12万9604社あり、毎年3%ずつが入れ替わっている、新陳代謝の激しい業界なのです。その一方で、経営者の平均年齢が65.64歳で他の業種に比べて高く、業界として時代の流れについていけなくなっているという側面もあります。また、後継者がいないため廃業する不動産業者も多い。この結果、街の不動産店が消滅していくということにつながっています。このように不動産事業者を、取り巻く環境が大きく変化しています。これに加えて、賃貸契約についても、大きく変化してきています。それが電子契約サービスによって簡単にできるようになったということです。実はIT化、DX化が進んでいる不動産業界不動産業界はIT化、DX化が遅れているといわれますが、実は対顧客サービスという点においては逆に一番進んでる業界といえます。そのためこの流れに乗れない事業者、事業規模の格差によって、より一層、業界内の新陳代謝が激しくなっています。当たり前のことですが、ビジネスは常に変化してます。 これは不動産業も同様です。ここで私が懸念しているのは2027年から2040年にかけて、わが国の労働人口は急激な減少期に入るという点です。そうなれば当然、勤務スタイルも変わってきます。また、外国人労働者の受け入れや、移民についても、この時期あたりから、いま以上に真剣な議論が迫られる必要が出てきます。もちろん、不動産業界も人手が必要な業界ですから、人の取り合いが激しくなり、おのずと生き残る会社と、淘汰される会社に一層、二分化されことが予想されます。すでにはじまりつつありますが、大手業者では、優秀な人材を確保するために、自社が管理している高級賃貸物件を社員に貸したりしています。また、大手は生き残るために新築10年未満の築浅物件をいかに多く管理していくかに力をいています。同様に中小不動産事業者や駅前の不動産店にとっても、仲介だけでなく、管理物件もとれなくなってくる見られ、さらに状況が厳しくなることが予想されます。日本経済の先を見極めるバロメーター街の不動産店は生き残れるか(イメージ写真/本文とは関係ありません)私は地域密着型の街の不動産店というの必要だと思っています。私自身も都内で暮らしているいますが、周辺では自分の家やマンションを人に貸したいと考えている人が多くいます。そういう人にとっては地域の不動産店は必要な存在です。というのも、気軽に話ができれる いわば地域密着型の街の不動産店というのはとても大事です。賃貸管理は、仲介だけでなく、家賃の回収、物件の補修、清掃といった日常業務を街の不動産屋さんが担っている部分もあります。そして、そのことが街の不動産店が生き延びてきた一つの大きな要因でした。ところが何もかもがネットになってしまうと、こうはいかなくなってしまう。いま不動産が高騰しているとはいえ、それは大都市圏と、地方の一部地域に限られます。また、新築マンション価格が1億円を上回るなど活況を呈していますが、今後は金利上昇も予想され、これが不動産価格どう影響する見えないところがあります。今後の不動産業界の動向は、日本経済を見極めるためにも目が離せず、それ支える不動産業者の動向はなお注目しておく必要があります。立川昭吾の企業再生チャンネル「【不可避】街の不動産屋さん 消滅時代へ!」より