近年はさまざまな車種がモデルチェンジのたびにサイズアップを繰り返し、かつては一部の高級車などにしか見られなかった「車幅1,800mmオーバー」の車も珍しくなくなりました。その一方で、多くの道路は従来のまま拡張されることもなく、「車のサイズと道路環境のギャップ」にストレスを感じている人もいるようです。

今回はドライバーの方々に、「車のサイズアップに思うこと」について話を聞きました。

肥大化する車、車幅感覚は大丈夫?

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車両サイズの大きな車は、運転する人に正確な車幅感覚を要求します。とくに狭い道で対向車と離合する際は「ギリギリの感覚」が求められますが、実際のところそこまで精密な感覚を持ちあわせているドライバーはそう多くないのかもしれません。

「大きい車が増えるのは別にいいと思うのですが、そのせいで車幅感覚が掴めていない人までどんどん幅の広い車に乗るようになっているのか、『おいおい』と思うことが増えました。

わが家の前の道路はちょっと幅が狭くて、それでもすれ違う場所を選べば、普通にアルファードサイズの車どうしが行き違える程度のスペースはあるんです。でも、こっちが広めのところで止まって待っているのに一向に進んでこない高級車とか、反対にちょっと待ってくれればスムーズに通れるのに突っ込んできちゃうラージミニバンとか、なんだかなぁと思います。

車幅感覚が掴めないなら、もう少し小さい車に乗ればいいのに。そもそも自分が感覚を掴めていないことがわかっていないんでしょうか?」(50代男性)

周囲への迷惑という点を差し置いたとしても、「自分が運転しやすいサイズの車を選ぶ」というのは安全運転の面で大切な観点だと考えられます。とはいえ「どのくらいの車ならスムーズに運転できるか」を試乗段階で見きわめることは難しく、気に入るままに買った車の取り回しに苦労する、といったケースも多いのかもしれません。

国道でこの狭さはさすがにキツくない?

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上の話にもあるように、サイズの大きさが気になるのは主に狭い道での離合や駐車といった場面が多いでしょう。しかし普通に道路を走っている状況でも、サイズがネックになってしまうケースがあるようです。

「いつも通っている片側2車線の道が、国道のわりに道幅が狭く、交差点手前で無理矢理右折レーンが増設されているような箇所がいくつかあるんですよね。トラックなんかもよく通るので、私のコンパクトカーでもちょっと窮屈に感じることがあって。

この前は中央車線を通っているとき、左右にそれぞれ大きめのセダンとSUVが右左折で止まっていて、私の前を走っているミニバンが怖がって急ブレーキを踏んだんですよ。通れるスペースはあったのですが、車幅感覚に自信がなかったんでしょうね。

普通に走っていても車線を踏んでしまっている車とか、最近はどんどん増えているような気がしますね」(50代女性)

とくに東京都などにおいては、幹線道路であっても車線が急に狭くなるケースが珍しくなく、「初見殺し」や「罠」などとネット上で警戒されているポイントも散見されます。

車1台通るのがやっとの車線が並ぶなか、トラックなどの大型車両や、大きめのミニバンやSUVなどが行き交う様子に、「車のサイズと道路事情が合ってない」と感じる人は多いのではないでしょうか。

「運転しているうちに慣れる」と説得されたものの…

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サイズが大きい車であっても、『乗っているうちに慣れる』という意見はしばしば耳にします。営業トークとしても頻用されるフレーズですが、実際のところはどうなのでしょう。

「それまではコンパクトミニバンに乗っていたのですが、夫の希望で3列シートのSUVに乗り替えました。私は昔から運転に自信がなく、試乗のときから『こんな大きいの運転できない』と主張していたのですが、夫も営業スタッフも『運転しているうちに慣れる』と繰り返し説得してきたんです。

私自身もデザインは気に入っていたので、半信半疑のまま契約して、正直今は後悔の方が大きいです。案の定、納車から1年で3回もぶつけてしまい、そのたび夫から『そんなセンスないとは思わなかった』みたいに嫌味を言われ、『そっちがゴリ押ししたんじゃん』と言っても、無視して不機嫌を態度でアピールするばかり。

駐車場もいちいち大変だし、勝手に買い替えてしまおうかと毎日思っています」(40代女性)

もちろん長期にわたって同じ車を運転していれば、少しずつ大きさに慣れていく面はあるでしょう。しかしそもそも乗る頻度が少なかったり、もともと運転に苦手意識があったりする場合には、「慣れ」だけではどうにもならない部分も大きいと考えられます。

大柄ボディが気になり出不精に?

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大きな車のネックとして、駐車場問題が挙げられます。施設によっては駐車場がかなり狭いこともあり、かなりの圧迫感が生じてしまうケースもあるでしょう。

「5ナンバーのコンパクトから、幅1,850mmほどのSUVに乗り替え、走りには満足しているのですが、やっぱり大きさが気になることはあります。とくに駐車場ですね。土日のショッピングモールとか、ただでさえ混んでいて空きを見つけるのが大変なのに、せっかく空いていても両側が似たようなサイズの車だと、ドアがほとんど開けられなかったり。

最近になり妻が保育園の送迎するための軽を1台買ったのですが、こっちは便利すぎて感動しますね。休日のお出かけも軽ばっかりになりました。それまで駐車場を探すストレスが嫌で、自然とお出かけを避けていたんだなと気づきましたよ。

今はもう、SUVの方は通勤と旅行くらいにしか使っていません。このサイズ1台だけで、しかもスライドドアもなく、家族の用事すべてをカバーするのは正直しんどいと思ってしまいますね」(30代男性)

もともと大きな車に乗っていた人が、ふとしたきっかけで軽自動車を買い増し、あまりに便利で軽しか使わなくなる、といった話はよく聞かれます。サンダルを履くように気兼ねなく出かけられることで、かえって外出が多くなったという声も。

このような話を聞くと、やはり車選びは「大は小を兼ねる」という単純な話ではないようです。ストレスなく取り回せる小さなボディも、この国の道路事情においては「積極的に選ぶべきポイント」になるのかもしれません。