サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー〜

Question 
西村拓真へパスが入ったあと、横浜F・マリノスはどのように崩したか?

 Jリーグ第11節、サガン鳥栖対横浜F・マリノスが行なわれ、アウェーの横浜FMが3−1で勝利。横浜FMは勝ち点を21に伸ばし、2位に浮上した。

 横浜FMは、前半開始3分に高い守備ラインの裏を取られ、鳥栖の本田風智に先制点を許した。早々にビハインドとなったが、11分に今季リーグ戦初先発となったヤン・マテウスが同点弾を決める。すると21分にも鮮やかな崩しから、ヤン・マテウスが2点目を奪取。逆転に成功した。

 後半立ち上がりのピンチをしのぐと、後半15分にカウンターの流れからエウベルが決めて3点目。その後、反撃に出る鳥栖の猛攻を跳ね返し、横浜FMが3−1で勝利となった。

 今回は、横浜FMの2点目のシーンを取り上げる。

 前半21分、中盤に下りたヤン・マテウスが畠中槙之輔からパスを受け、鳥栖の菊地泰智のプレスを剥がしてライン間に流れる喜田拓也へ縦パスを入れる。


喜田拓也から西村拓真へパスが入ったあと、横浜FMはどのように相手を崩したか

 続いて喜田から西村拓真へパスを入れた次の場面で、横浜FMはどのように崩しただろうか、というのがQuestionである。

Answer 
西村がアンデルソン・ロペスへパス。そこから走り込んだヤン・マテウスに渡してシュート

 このシーンは、少し前のヤン・マテウスが前線から中盤に下りて起点となったところがポイントとなっていた。


西村がアンデルソン・ロペスへパス。ヤン・マテウスが落としを受けてゴールを決めた

 横浜FMは3トップとトップ下の西村、右サイドバック(SB)の山根陸の5人が前線に並び、鳥栖はそれに対して4バックと、左サイドハーフの岩崎悠人が最終ラインまで下がって対応していた。

 その岩崎が下がって空いた中盤のスペースにヤン・マテウスが下りて、畠中から縦パスを受けた。そこにマークについていた左SBの菊地泰智が釣り出される。ここでヤン・マテウスが菊地のマークを剥がし、ライン間のスペースに入った喜田へ縦パスを通して、中盤ラインを破ったことが大きかった。

 喜田が西村にパスを入れると、西村は鳥栖センターバックの田代雅也を引きつけてアンデルソン・ロペスへパス。そして田代が釣り出されて生まれたギャップにヤン・マテウスが走り込むと、アンデルソン・ロペスが丁寧に落とした。その落としをヤン・マテウスが冷静に決めて2点目となった。

 システムが噛み合い、鳥栖がマンツーマンで捕まえにいったところをヤン・マテウスが個でマークを剥がし、中盤のラインを突破したことで鳥栖は対応が難しくなった。

 さらにそのあとの流れで、ヤン・マテウスは足を止めずに鳥栖が後手に回ることで生まれるギャップを把握し、相手の視線がアンデルソン・ロペスへ集中するタイミングでギャップにうまく入った。

 ヤン・マテウスの個の質的な優位と、前線の鮮やかなコンビネーションが光った得点シーンだった。