ショット好調の河本力が首位発進! トレーニングで得た『踏む感覚』と滑らない『シューズ』
今季2勝を挙げている飛ばし屋ルーキー、河本力が8バーディ・1ボギーの「65」をマーク。7アンダーとして、自身初となる単独首位発進を決めた。「きょうはすごくショットが良くて、思った通りに打てた。これだけバーディが獲れているということは間違いなく調子がいいので、スコアとしては満足している」と振り返る。
ショットが好調な要因は、約2年前から中野達也トレーナーと取り組んでいるトレーニングの成果にあると河本は考えている。中野氏はかつて西武ライオンズのトレーニングコーチを務めていた。もともとは姉の河本結のトレーナーで、河本も姉の紹介で指導を受けるようになった。
「スイングの体の使い方だったり、踏める場所だったり、しっかり地面を感じられている。僕もそれを理解するのに、すごくトレーニングをいっぱいやって1年くらいかかりました。地面を突き破るくらいの感覚です。地面をつかむのでなく踏むんです」。そう言いながら、手をパーの形にして地面に押しつけるジェスチャーを見せる。
「飛んで曲がらない球を打つためには下半身と体幹」と語る河本。トレーニングで得た“踏む感覚”によってショットの安定感が増し、「ヘッドスピード56〜57m/s、飛ばすときはキャリーで330〜340ヤード」という世界レベルの飛距離が「凶器から武器になった」と感じている。
また、より踏めるようになってきたことで、シューズも変更。ツアー初優勝を挙げた8月の「Sansan KBCオーガスタ」の翌週から、中野トレーナーの薦めで足幅よりもアウトソールの幅が広がっているトラヴィスマシューの『クウェーター』を履き始めた。「そういう靴じゃないと、地面を踏めない。幅が狭いシューズだと、ブレちゃうんです」と、手で足がめくれる動作を見せながら説明する。
さらに、2週前の「日本オープン」からは、ソフトスパイクの鋲(びょう)を「立っている長いものにしました」。その理由については「雨が降ったりすると滑っている感覚があって、気持ち悪いなと思っていた。僕はけっこう地面をバーンと踏むので、蹴ったときに靴の裏が負けてキュッと滑ったりする。だから替えました」と話す。飛ばし屋の河本の蹴る力に耐えられるシューズにカスタマイズしたことも、ショットの安定感につながっている。
好スコアのラウンドのなかで反省点もある。3連続バーディを獲って迎えた15番パー5。飛ばし屋の河本にとって、すべてのパー5がチャンスホールとなる。ティショットは2番アイアンで打って右のラフへ。そこから7番アイアンでフェアウェイに刻んで、54度のウェッジで打った3打目は奥に切ってあるピンの向こうのラフに入った。そこから寄らず入らずで唯一のボギーを叩いた。
「サードショットは手前に乗せておけばパーは獲れるのに奥まで突っ込んだ。前のめりになっているというか、3連続バーディで来ているだけに冷静じゃなかったかな。調子がいいだけに行けるんじゃないかと錯覚してしまった部分もあるし、完全に自分の気持ちのミスです。気持ちでオーバーしているというか、冷静ではなかったですね」と反省する。
残り3日間に向けては「きょうの15番を生かせるように、あと3日間をああいうミスを絶対しないように、しっかり冷静にプレーして目標を達成できたらいい位置に入れるんじゃないかと思っています」と気持ちを引き締めた。
ちなみに、16番パー3のティイングエリアの近くには、姉の結が同コースで行われた18年の「Skyレディース ABC杯」でステップ・アップ・ツアー初優勝を挙げて寄贈した“しだれ桜”が植えられている。それを見た弟は「しだれ桜、枯れていました」と笑いながらも、「僕もここで勝ちたい」と気持ちを強くした。このまま突っ走って、姉に続いて桜の木を植えたいところだ。(文・下村耕平)
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