トッテナムのユニホームを着て新スタジアムを周るベイル。その表情は古巣復帰を果たした充実感に満ちていた。 (C) Getty Images

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 現地時間9月19日、トッテナムはレアル・マドリーからウェールズ代表FWガレス・ベイルを1年の期限付きで獲得したことを発表した。英衛星放送『Sky Sports』などによれば、レンタル料金はサラリーを含めた2000万ポンド(約28億円)になるという。

 7年ぶりのカムバックだ。2013年9月に当時の史上最高額となる8500万ポンド(約120億円)でマドリーに移籍するまで、7年間トッテナムに在籍したベイル。退団後も4度の欧州制覇に貢献したものの、ここ2年は故障に苦しんだうえ、ピッチ外での度重なる問題行動もあって、かつての輝きを放てずにいた。

 ジネディーヌ・ジダン監督の構想から外れたため、昨夏に合意寸前に至った中国行きに加え、インテルやマンチェスター・ユナイテッドなど高額な年俸を支払えるメガクラブへの電撃移籍も囁かれた。

 様々な可能性があったなかで、ウェールズの至宝はなぜノースロンドンに戻ることを決めたのか。クラブ公式サイトのインタビューで胸の内を明かしている。

「戻ってきてよかったと思うよ。ここは僕にとって特別なクラブだし、僕の名を揚げた場所でもある。素晴らしいファンもいて、戻ってきたことが本当に信じられないよ。数試合でマッチフィットネスが上がれば、トロフィー獲得に貢献ができると思う」
 

 マドリーへ移籍した理由については「故郷から離れた場所で、トロフィーを手にしてみたかった」と語り、こう続けている。

「あの日に去った時から、いつかここに戻ってきたいと思い続けてきた。そしてこうしてチャンスに恵まれたんだ。自分にとっても良いタイミングだったと思う。ハングリーだし、やる気もある。僕も元気に復活したところが見せたいから、早くスタートさせたい。

 マドリーではトロフィーを獲得するための方法を学んだと思う。あらゆるファイナルやタイトルが懸かった状況に参戦し、メンタルやプレッシャーと向き合う術を知った。上手くいけば、それをこのクラブのロッカールームにも持ち込める。トロフィーを勝ち取るんだっていう信念を持ち続ける考え方をトッテナムに戻したいんだ」

 ベイルは、2007-08シーズンのリーグカップを最後にタイトルから遠のいているトッテナムを、栄光に導けるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部