by Shutterbug75

うつ病や不安障害を中心とした精神医療について研究しているウソナ研究所が、「シロシビンを使った大うつ病性障害(MDD)の治療薬がアメリカ食品医薬品局(FDA)により画期的治療薬の指定を受けた」ことを発表しました。

FDA grants Breakthrough Therapy Designation to Usona Institute's psilocybin program for major depressive disorder | Business Wire

https://www.businesswire.com/news/home/20191122005452/en/FDA-grants-Breakthrough-Therapy-Designation-Usona-Institutes



Psilocybin for major depression granted Breakthrough Therapy by FDA

https://newatlas.com/science/psilocybin-major-depression-mdd-usona-breakthrough-therapy-fda/

シロシビンとは、マジックマッシュルームに含まれる幻覚剤の成分で、過去の研究によりうつ病を改善させることが示唆されていることから、従来の医薬品では十分な効果が認められない難治性うつ病(TRD)の治療薬として限定的に認められていました。

うつ病に対するシロシビンの効果については、以下の記事を読むとよく分かります。

マジックマッシュルームには「うつ」状態の脳の回路を再起動させる働きがある可能性が判明 - GIGAZINE



by Karolynne Steen

マジックマッシュルームが重度のうつ病を取り除くことが臨床試験で判明 - GIGAZINE



by Gregor Dodson

これに続き、FDAは今回新たに大うつ病性障害(MDD)に対する臨床試験にシロシビンを用いることを承認しました。MDDとは、抑うつ気分、興味の減退、認知機能の障害、睡眠障害、食欲障害など、いわゆるうつ病として広く知られている症状を特徴とする精神疾患で、6人に1人が生涯に1度は経験するといわれています。患者数もTRDより多く、アメリカ国内のTRD患者が推定500万人なのに対し、MDD患者は約1700万人だと見積もられています。

ウソナ研究所の臨床試験および橋渡し研究担当ディレクターであるCharles Raison氏は、「過去の研究により、シロシビンがMDD患者の治療薬として目覚ましい効果を上げる可能性が示されていますが、そのことを臨床試験で実際に確認することができるようになりました」とコメント。さらに「本当に画期的なのは、患者の数が少ない難治性うつ病だけでなく、多くの患者が症状に苦しんでいるMDDが対象となったことです」と話して、FDAによる決定を歓迎しました。

ウソナ研究所は今後、以前の承認により実施されていた第1段階の臨床試験に続く第2段階の臨床試験を実施し、2021年初頭までに臨床試験を完了させる予定だとのこと。今回の承認により本格的に実施される第2段階の臨床試験では、アメリカ国内の7つの医療機関から合計80人が参加することになっており、結果次第ではさらに大規模な第3段階の臨床試験が実施される見通しとなっています。