「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」。今回の漢字は「占う」、「占星術」の「占(セン)」。六月二十一日は、太陽が最も高いところから地上を照らす夏至の日。かつて、天体の動きを見てさまざまな事柄を占ったいにしえの人たちは、太陽の力が極まるこの日のご来光をありがたく拝み、作物の成長や豊かな実りを願ったといいます。



「占」という字はカタカナの「ト」に似た「卜(ボク)」の下に、「口」という字を書きます。

「卜(ボク)」の形は、亀の甲羅の裏側に縦長の穴をあけ、そこを火であぶって出来たひび割れを表しています。

中国の古代王朝を治めていた国王はその形を読み解き、その結果が自分の判断どおりであることを示して国を統治していました。

「口」という字は神への祈りの言葉を入れる器の形。

つまり「占」という漢字は、国王が神に祈りを捧げ、神の真意を問う行為のことを意味しているのです。

また、占いを行えるのは国の権力者だけであり、その結果は神の意思そのもの、絶対的なものであることから、「占める」「独占する」という意味にも使われるようになりました。

日本最古の占いとされているのは、太い占いと書く「太占(ふとまに)」。

鹿の肩甲骨に火のついた棒を押し付けて、そのひび割れの模様や裂け目の形で吉凶を判断していたといいます。

そのほか古代の日本では、石の数や重さ、蹴ったときの状態で占う「石占(いしうら)」、夕暮れどきに道行く人が話す内容で占う「辻占い」などが生まれました。

平安の世は安倍清明でおなじみの「陰陽道」や、空海が日本に伝えたとされる「宿曜占星術」など、占いが政治に利用されるようになった時代。

戦乱の世を生きた武士たちは、お抱え占い師とともに策を練りました。

明治以降になると庶民も占いに親しむようになり、手相占いや姓名判断、風水など、さまざまなブームが起こりました。

平成の今は、手元のタッチパネルで今日の運勢を気軽にのぞける時代です。

ではここで、もう一度「占」という字を感じてみてください。

そもそも「うらなう」の「うら」とは、影に隠れた「裏」の部分を表す古語が語源。

人の胸の奥深くにあって目には見えない「心」のことも「うら」といいます。

自分や誰かの心を探ってみたいと思うとき、人は占いに触れようとするもの。

肩の力を抜いたり視点を変えたり、忘れていた夢を思い出したり。

占いは、自分らしさを取り戻すためのひとつの機会。

その結果に振り回されることなく、思いのままに生きる力へ変えていければいいですね。

漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。

その想いを受けとって、感じてみたら……、

ほら、今日一日が違って見えるはず。

*参考文献

『常用字解 第二版』(白川静/著 平凡社)

『BRUTUS』2017年10月16日発売号「決定版 開運」特集(マガジンハウス)

6月23日(土)の放送では「越」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。



----------------------------------------------------

【▷▷この記事の放送回をradikoタイムフリーで聴く◁◁】 http://www.tfm.co.jp/link.php?id=7120

聴取期限 2018年6月24日(日) AM 4:59 まで

スマートフォンは「radiko」アプリ(無料)が必要です。⇒詳しくはコチラ http://www.tfm.co.jp/timefree_pr/)

※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用頂けます。

----------------------------------------------------



<番組概要>

番組名:感じて、漢字の世界

放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット

放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜7:20〜7:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)

パーソナリティ:山根基世

番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/kanji/