3月30日、会見での小池都知事と大曲氏(写真右)

「最近の小池知事は肌艶が本当にいい」と話すのは、東京都庁の幹部職員だ。いま、小池百合子東京都知事(67)が、ふたたび “フィーバー” している。

「ヒカキンとの共演動画といった発信力、都独自の休業補償など、派手な政策を次々と打ち出して自分に注目を集めるのは、小池氏の得意とするところ。安倍首相を相当、苛立たせている」(政治部デスク)

 だが、ある自民党ベテラン議員は、こうつぶやく。

「あの人が、知事のままで政界を去るとは思えない。必ず、永田町に戻って来る。希望の党で政権奪取を試みたことを、誰も忘れちゃいない」

 小池氏が国政に復帰すれば、狙うのは「女性初の首相の座」以外にない――。彼女に近い自民党中堅議員は、こう明かす。

「安倍総理の総裁任期が切れる2021年9月までに、総選挙がある。そのときに、小池さんは国政に戻る。狙うのは、二階(俊博幹事長)さんの後継者がいない『二階派』に戻って会長になること。そうなれば、一気に “ポスト安倍” 最右翼です」

 党内第4派閥の二階派を乗っ取る計画だというのだ。しかし、都知事を任期半ばで辞職すれば、多くの批判が上がるのは間違いない。小池氏の後援会関係者は、こう話す。

「じつは、小池さんは都知事辞職に備えて、すでに自分の “後継者” を決めているんです。じつは国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師が、その意中の人物。

 大曲氏は、小池さんに感染症対策のブレーンとして重用されています。軽症者をホテルなどの施設に収容する対策など、都のコロナ対策は、大曲氏の提言がもとになっているんです。

 政治経験のない民間人が後継候補とは、意外かもしれませんが、小池さんは大曲氏の能力を評価していて、まずは “副知事か特別参与になってほしい” と、具体的なポストまで提示しています。

 小池さんは、新型コロナウイルスの感染拡大が長期化するとみている。だからこそ、感染症の専門家を都政に参画させ、後継知事に据えれば、批判をかわせると考えているようです」

 大曲氏は、どんな人物なのか。

「感染症の専門医で、日本における第一人者です。“愚直な臨床医” という評判がもっぱらです」(医療ジャーナリストの村上和巳氏)

 小池氏の打診は事実なのか。本誌は、国際医療研究センターを通じて大曲氏に取材を申し入れたが、「当センターの業務内容と離れたご質問かと存じますので、コメントは差し控えます」と回答があった。

 一方、失点が目立つ安倍晋三首相(65)には、ついに進退すら噂され始めた。

「永田町では、経済対策の財源を手当てする法律が成立し次第、与党が安倍首相を辞任に追い込む、『6月政変』がささやかれています。

 全国民への10万円の一律支給のため、異例の補正予算の組み替えをおこないましたが、この迷走ぶりでは、必ず責任を問われます。後手後手のウイルス対策で、求心力が低下しており、いまの閣僚たちでは “ポスト安倍” には、なり得ません」(政治ジャーナリストの角谷浩一氏)

 ふたたび小池氏の影がちらつきだした永田町。焦る安倍首相には、背後に迫る足音が聞こえているのかも。

写真・つのだよしお/アフロ

(週刊FLASH 2020年5月5日号)