担当M(以下M):2010年シーズンはJ1最下位に沈んだ湘南でしたが、経済的制約から思い切った補強ができなかったようです。昨年の大分、東京Vの危機ほどのことはありませんでしたが、それでも各クラブは緊縮財政のなかで戦わなければなりませんでした。

ラモス(以下R):本当に大きな問題です。苦しいクラブが増えてきている。だけど解決策は必ずあると思いますよ。たとえばイングランドみたいにJ1リーグの上にプレミアリーグを作って、経済的な問題が解決されているクラブから参加させるという案もあります。14チームぐらいに絞ってね。3部リーグ制にして。

M:メリットはどこにありますか?

R:まず選手はみんなプレミアリーグに行きたいと目の色が変わると思います。それでトップリーグの選手が粒ぞろいになってレベルが上がる。それでおもしろい試合が増えて魅力は増すはずです。それに1つのディビジョンのチーム数が減ると、どのクラブも昇格か降格に絡んできます。これは今、J2の中位以下のチームも降格の危機を迎えてドキドキが増えるということですよ。一番下のディビジョンでもチーム数が少ないから昇格に絡むチームが増えますし。

M:1995年のJリーグもチーム数が14チームでした。このときはサントリーシリーズ、ニコスシリーズともにホーム&アウェイの試合があったので、リーグ戦全52試合を戦わなければなりませんでした。プレーヤーの負担が増え過ぎるのではないですか?

R:たしかにちょっとキツイですね。そこはもうちょっと考えなければね。

M:だからと言ってホーム&アウェイだとすると全26試合になって、クラブの収入が大幅に減ることが考えられます。

R:カップ戦をうまく組み込むといいんじゃないですかね。カップ戦の試合数を増やしていけばどうでしょう。

M:デメリットとしては、下部のリーグに所属するチームがますます経済的に苦しくなるのではないかと思いますが。

R:だったら下部のリーグに所属するクラブに対して、いろんな規制を緩くしてあげるというので対応すればどうでしょう。たとえばスタジアムに関してはもっと寛容に考えてあげてもいいんじゃないでしょうかね。Jリーグに加入するときに審査を厳しくするのではなくて、上のディビジョンに上がるときに審査を厳しくすればいいんですよ。サッカーを広めようと思っているのならね。

M:狭いスタジアムのほうが迫力を感じられたりしますからね。

R:そうでしょう? 西が丘での試合なんて、近くて監督の指示や選手の会話まで聞こえて最高にいいんですけどね。下のリーグはあれでいいじゃないですか。下位のリーグは観客動員数が多くないのだから、あまりスタジアムが大きくてもクラブには負担が大きいですよ。スタジアムもかわいそうですしね。

M:それじゃ連載の中で「Jリーグ改革委員会」ということでラモス委員長に来年もいろいろとプランを披露していただきたいと思います。では今年もありがとうございました。

R:ありがとうございました。みなさん、よいお年を〜。