新導入「心拍数」で迫るプロの脳!現役医学生棋士が語る「負けの学習」と“魔法の言い換え”/将棋・ABEMA地域トーナメント2026

いよいよ5月30日に予選リーグ戦がスタートする『JEMTCスペシャルABEMA地域トーナメント2026』では、出場全棋士の「心拍数」がリアルタイム表示される。一般人ならパニック必至の状況下で、なぜ棋士は冷徹な論理思考を維持できるのか 。現役医学生の獺ヶ口笑保人四段(26)が、極限状態における「棋士の脳」の適応力と、医師の立場からおすすめできる即効性の高いアプローチについて医学的な見地から語る。
一般的に、心拍数が急激に上がるとパニックになり、冷静な判断ができなくなるイメージを持つだろう。しかし獺ヶ口四段は、「まず『心拍数が上がる』→『冷静な判断ができなくなる』というよりも、『冷静な判断ができないくらいの出来事が起きている』→『心拍数が上がる』という方が因果として正しいかと思います」と指摘する。「心拍数が変動するのは、原因ではなく何かの結果 だからです」と続けた。
では、プロ棋士が極限状態でも論理的思考を保てるのはなぜか。「小さい頃から数えきれないほどの負けを経験していることで、“負けそう”という『危機』を『危機』としてではなく、対局中に起こりうる予測可能な反応と学習しているのだと思います」と獺ヶ口四段は語る 。
「棋士は誰しも、必勝の将棋を大逆転負けして血が逆流する感覚を持ったことがあると思います。そのような最大の『危機』を経験すればするほど、形勢が悪くなったくらいでは論理的思考は乱されないでしょう」と棋士ならではの見解を示した。
ただし例外もある。「プロ入りを決める一局や、初タイトル獲得の一局などは、まだ学習していない『報酬』なので、論理的思考が乱されることはあるかもしれません」と獺ヶ口四段は付け加える。また、極度の集中状態である「ゾーン」については、「特に集中するときに最適な心拍数は人によって違うので、上がる場合も下がる場合もあると考えられます」と解説する。
対局中、高鳴る心拍数をコントロールするための即効性のあるアプローチについて、獺ヶ口四段は「『危機』『報酬』『判断』を逆手に取ればよいので、次のように言い換えましょう。5回唱えれば落ち着きます」とユーモアな“獺ヶ口節”でアドバイスを送る 。
その具体的な言い換えとは、以下の通りだ。
「負けそうだ!=負けても死なない。今できる最善を尽くそう!」「勝てそうだ!=勝っても次がある」「時間がない…=いまある時間の中で最善を尽くせばよい!」
「学習」と「言い換え」という武器を持つプロ棋士たち。心拍数の急上昇の中でも冷静さを保つ彼らの姿から、人間の脳の底知れぬ適応力を垣間見ることができそうだ。
◆JEMTCスペシャルABEMA地域トーナメント2026 超早指しの『ABEMAトーナメント』と『地域対抗戦』が融合した新シリーズ。全国を6つの地域ブロック(関東・関西は各2チーム)に分けた全8チームによって競う団体戦。各チームは8名の監督と、ドラフト会議で指名された棋士4名の計5名で構成され、総勢40名が地域の威信をかけて戦う。5月30日から予選がスタートし、勝ち上がったチームによる準決勝および決勝戦は8月に生中継で実施される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
