Switch 2がまさかの1万円値上げ、廉価版PS5と価格逆転の衝撃。ソニーと任天堂の決算から読み解く「ゲームハード氷河期」の予感
◆ハードの値上げに踏み切った任天堂
5月8日にソニーグループと任天堂、日本が誇る二大ゲームハードメーカーの本決算が発表されました。そのなかで、特に衝撃だったのがNintendo Switch 2の値上げ。5月25日以降、日本国内販売価格が4万9980円(税込)から5万9980円(税込)へと改定されます。
PS5と異なり、ファミリー層がメインのNintendo Switch 2は「値上げ困難」と見られていましたが、AIデータセンター需要で世界的に争奪戦となっているメモリの高騰が想定以上だったのが伺えます。
◆ソニーのゲーム事業の決算は?
2025年度のソニーは全体として、売上高12兆4796億円(継続事業ベースでの前年比+4%)、営業利益1兆4475億円(同じく前年比+13%)となりました。そのなかでゲーム事業「ゲーム&ネットワークサービス」は、売上高4兆6857億円(前年からほぼ横ばい)、営業利益は4633億円(前年比+12%)で過去最高。為替の影響のほか、ネットワークサービスの増収、自社以外のソフトの販売増加が寄与しました。昨年はNintendo Switch 2の発売年でしたが、PS5も通期で販売台数1600万台と、前年度の1850万台から減らしつつも手堅い推移。2026年3月末で累計販売台数は9300万台を超えています。
少々マニアックですが、説明会資料で注目されたのは、2022年に約37億ドル(当時のレートで約5140億円)で買収した実力派老舗スタジオBungieの「無形資産等の減損」。1201億円を計上しました。『Halo』『Destiny』で知られるBungieですが、説明会資料には「Bungieの展開するタイトルポートフォリオ全体の収益が想定に届いていないことを踏まえ、事業計画を下方修正し、Bungieに関連するのれんを除く固定資産全額を減損しました」と言及があり、厳しい状況のようです。ちなみに、こうした一時要因を除くと、「(ゲーム事業は)45%の増益」とのことで、トータルとしてはしっかりした数字だったと言えます。
◆新ハード発売年度、任天堂の結果は?
一方、任天堂の2025年度の結果は、売上高2兆3130億円(前年比+98.6%)、営業利益3601億円(前年比+27.5%)となり、売上高はほぼ倍増し、初の2兆円を超えました。昨年6月に発売されたNintendo Switch 2の累計販売台数は1986万台。これは歴代任天堂ハードで過去最速ペース。上々の滑り出しです。
ただ、Nintendo Switch 2専用ソフトに関しては、7月発売『ドンキーコング バナンザ』の世界累計販売が452万本、11月発売『カービィのエアライダー』が187万本とぼちぼち。それでも、直近3月発売の『ぽこ あ ポケモン』が発売5週間で全世界累計400万本以上を売り上げ、ロングセラーコースにも乗りそう。決算説明資料には「ハードウェアの販売に貢献」と言及されています。また、決算の集計期間外で初代Switch向けのタイトルではありますが、先月発売の『トモダチコレクション わくわく生活』も発売2週間で全世界380万本以上と出足好調です。
◆ソニーのゲーム事業、今後の見通しは?
それでは、2026年度の見通しを見ていきましょう。ソニーの「ゲーム&ネットワークサービス」は、売上高4兆4200億円(-6%)、営業利益6000億円(+30%)の予想。「次世代プラットフォームに向けた投資の増加を織り込んでおり、これらを除いた足元の事業から創出される利益は着実に2桁の成長を織り込む」とのこと。
次世代プラットフォームの開発は進んでいるようですが、メモリを筆頭に部材の高騰があり、PS5発売からおよそ5年半が経過し、機は熟しているものの、まとまった数量を揃えて新ハードの発売に踏み切るのは容易ではないでしょう。
