生後6か月の母「知り合いいなくて不安」赤ちゃんの4割が移住者世帯の屋久島“やさしい弁当の時間”【ちいきのチカラ(16)】
シリーズでお伝えしている「ちいきのチカラ」。
屋久島で妊婦や子育て家庭をお弁当を通してサポートする取り組みがあります。移住者の多い屋久島で、地域が支え合う島の取り組みを取材しました。 お弁当を通してサポートする取り組み雨の中、1軒の家を訪れる女性。NPO法人「こそだて支援comono」の兒玉保光さん(43)です。
兒玉さんは屋久島町と連携して出産前の妊婦や1歳までの子どもを育てる家庭に週に1回、700円のお弁当を無料で届けています。
(利用者)「移住者も多いのでこういう人がいると心強いだろうと思う」
(兒玉さん)「『あったらいいな』を形にしたのがはじまり」
1年におよそ60人の赤ちゃんが生まれる屋久島。弁当宅配サービスは屋久島町の事業で島の36世帯が利用しています。
生後6か月の母「知り合いいなくて不安」島で暮らす園田美侑季さん(31)と生後半年になる娘の美月穂ちゃんです。酒造会社で働く夫の転勤で、およそ1年前に屋久島に引っ越してきました。
(鹿児島市から移住 園田美侑季さん)「めちゃめちゃ不安でした、知り合いがいなくて」
初めての子育てに追われる日々。ゆっくり食事をとる余裕はありません。
(鹿児島市から移住 園田美侑季さん)「冷凍食品を買ってはいる、温めてたべる時間がうまくとれない」
この日は週に1回弁当宅配がある水曜日です。美月穂ちゃんが眠くなり始めたころ…。
兒玉さんがやってきました!
日中は家で美月穂ちゃんと二人っきりの園田さん。兒玉さんとの会話はホッとできる時間です。
お弁当の日 増える家族の会話夜、夫の岳憲さんが仕事から帰ってきました。受け取った2人分のお弁当を食べます。
(夫・岳憲さん)「帰ってからやることが減るだけで、心に余裕が出来る」
普段、夕食を作るのは夫の岳憲さん。準備と片付けが必要ないお弁当のある水曜日は、家族の会話が増えます。
(園田美侑季さん)「お弁当の日以外は淡々とこなして、会話するのも子供が寝た午後9時すぎ」
(夫・岳憲さん)「口ゲンカしたときも、口ゲンカが出来るほどちゃんと話せたから楽しかった」
宅配の取り組みを続ける兒玉さんも埼玉県から移住屋久島町の出生数は10年前の111人から現在の62人へと減少していますが、移住世帯の割合は4割へと増えていて孤立させない支援が大切です。
週1回の弁当宅配の取り組みを続ける兒玉さんも2年前、埼玉県から移住してきました。自宅へ戻れば小学1年生と3年生の娘を育てる母親です。
夫の雄規さんは埼玉で暮らす両親の介護のため、島を離れていて、現在は親子3人暮らしです。
(兒玉さん)「キラキラしたときも時々はある。これが現実」
お弁当の宅配 始めたきっかけは妊婦や子育て世帯へのお弁当の宅配事業を始めたのは自身の出産がきっかけでした。
(兒玉さん)
「次の日の服を着て寝て、朝起きるけど、化粧する気力がない。徒歩5分のドラッグストアに抱っこ紐を着けて行くのが1日がかり」 「赤ちゃんも泣くし、私も一緒に泣いていた」 お弁当を受け取る側から作る側へこの日兒玉さんが訪れたのは森の中のカフェです。
カフェを営む丸山真実さん(39)。7歳と1歳の娘を育ています。半年前まで兒玉さんからお弁当を受け取る側でしたが、去年の10月から作る側になりました。
(兒玉さん)「妊娠中から知っているから、親戚の子みたい」
(丸山真実さん)「毎週来てくれると、今こうなったよって、子ども見せながら(話せる)。(会話)があるのが、弁当配達の価値だよね」
現在、丸山さんのカフェも合わせて7つの事業所が、交代で弁当を作っています。
(兒玉さん)「『自分が落ち着いたら次は(手伝う)』そう言ってもらえて、すごく幸せ」
(丸山真実さん)「それだけ、受け取ったから。ありがたい。循環していくといい」
(NPO法人・こそだて支援comno 兒玉保光さん)「気軽にちょっと喋りたい、ちょっとしんどいとき、つながれるツールがある。そういう地域が増えていけばいいな」
兒玉さんが始めた島でのお弁当の宅配は優しさとともに地域にひろがりつつあります。
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