ふと深夜から早朝の3〜5時頃に目が覚めてしまい、まだ暗いのになかなか寝付くことができなかった経験がある人もいるはず。一体なぜ深夜に目が覚めてしまうのか、どうすれば深夜の覚醒を改善できるのかについて、イギリスのウォーリック大学で心理学助教を務めるタラー・ムークタリアン氏が解説しました。

Waking at 3am every night? Here’s what may be going on

https://theconversation.com/waking-at-3am-every-night-heres-what-may-be-going-on-278264

ムークタリアン氏は、夜中に目が覚めるのは正常な睡眠の一部分であり、ほとんどの人は夜中に目を覚ましているものの、すぐに眠りに就くため覚えていないだけだと説明しています。しかし、この中途覚醒が長引いたり、毎晩同じ時間に起きるようになって翌日に響いたりする場合は、睡眠を妨げる問題になるとのこと。

そもそも睡眠は眠ってから起きるまで途切れなく続くものではなく、脳は90〜110分の睡眠サイクルを繰り返しています。このサイクルは「浅い睡眠」「深い睡眠」「レム睡眠」といういくつかの段階から構成されており、ほとんどの成人はこのサイクルを毎晩4〜6回繰り返します。

深い睡眠は主に就寝してから数時間の間に発生し、朝が近づくにつれて次第に睡眠が浅くなっていき、短時間の覚醒が起こりやすくなります。また、早朝になると体は目覚めの準備を始め、覚醒に関わるホルモンであるコルチゾールの分泌量が増加します。つまり、就寝してしばらく経過した深夜や早朝に目が覚めてしまうのは、睡眠サイクル的に見て不思議なことではないというわけです。



ムークタリアン氏が解説するように、夜中に目が覚めるのは珍しいことではありません。しかし、頭の中が仕事や人間関係といった心配事で一杯になっていると、ちょっとだけ目を覚ましたタイミングに考えごとをしてしまい、そのまま覚醒してしまう場合があります。特に暗い夜中は気が散るものが少ないため、余計に心配事が頭から離れなくなってしまうとのこと。

また、日々の習慣も深夜の中途覚醒に関連している可能性があります。たとえばアルコールは寝付きをよくするかもしれませんが、その後は睡眠が断片化して、深夜の覚醒回数が増えることがあります。カフェインも同様の効果があり、就寝の6時間前に摂取したカフェインが睡眠に悪影響を及ぼすこともあるそうです。

他に考慮するべき要素として、ムークタリアン氏は「不規則な睡眠スケジュール」「睡眠不足解消のために普段より早く寝ること」「夜遅くまで光や画面を見続けること」「寝室が暑すぎたり寒すぎたりすること」などを挙げています。これらの要素は睡眠の質を低下させ、夜中に目が覚めやすくなる原因になります。

人によっては夜中に何度も目が覚めることがストレスを生み、余計に眠れなくなってしまう悪循環を生むことがあります。ささいな習慣がこの悪循環を強化する場合があるそうで、たとえば夜中に起きた時に何時なのかを確認することがくせになると、夜中に起きたこと自体へのイライラが募り、脳を覚醒させてしまうことがあるとムークタリアン氏は指摘しました。



深夜に起きてしまう習慣を改善して良好な睡眠を得る方法として、ムークタリアン氏は以下のようなことを推奨しています。

・睡眠不足の日でもいつもと同じ時間に起床することで、体内時計と睡眠パターンを安定させる。

・就寝前にリラックスする時間を設ける。

・日中のカフェインやアルコール摂取を控える。

・穏やかな睡眠環境を整える。

・長い時間眠れない場合はベッドから出て、眠くなるまでリラックスできることをする。

・日記を付けたり、ヨガ・瞑想(めいそう)・呼吸法・マインドフルネスに取り組んだりすることで、就寝前に心を落ち着ける。

ムークタリアン氏は、「午前3時に目が覚めるのは不安に感じるかもしれませんが、夜中に時々目が覚めるのは自然な睡眠の一部です。体内で何が起こっているのか、そしてストレスや日々の習慣が睡眠にどのように影響するのかを理解することで、真夜中の目覚めも少しは安心できるでしょう」と述べました。