しゃべくり007でも注目!ハーバード卒・廣津留すみれを育てた「リビングで会話するだけ」の効果を母が伝授
娘が大学に入学したのを機に起業し、現在、幼児から高校生までを対象としたオンライン英語教室やハーバード生を講師陣にしたサマースクールSIJを主宰する廣津留真理さん。娘のすみれさんは、大分という地方都市に生まれ育ち、小学校から高校まで公立校に通い、海外留学したこともないままハーバード大学に現役合格。2026年現在は、バイオリニストとして世界各地で演奏活動を行うほか、作曲家、著述家として、また、国際教養大学特任准教授・成蹊大学客員准教授を務めるなど、多方面で活躍中だ。
インターナショナルスクールに通ったわけでも留学したわけでもなく、通ったのは小学校から高校まで大分の公立校だけ。ハーバードに現役合格&首席卒業し、その後、ニューヨークで起業するまでになった英語力は、彼女が幼少期からスタートした母の真理さんとの家庭学習をベースにし、100%自学で身につけたのだという。
すみれさんの4月27日の「しゃべくり007」出演の反響を受けて、すみれさんの学力を育んだ家庭学習法についても紹介されている『ハーバード生たちに学んだ 「好き」と「得意」を伸ばす子育てのルール15』(講談社)をベースとしてご紹介する家庭学習の極意。前編「廣津留すみれの「ハーバード現役合格」を導いた最強のリビング学習メソッド」では、そもそもリビング学習とはどういうことかを、廣津留家のテーブル写真や間取り図と共にお伝えした。そして、環境の整ったリビングで会話は子どもの思考力が育てるというのだ。そのコツとは何なのだろうか。
リビングの会話で思考力を育てる
「リビングで会話するだけで、子どもの思考力が育つなんて」と疑問に思いますか? それにはコツがあります。日常生活のちょっとしたことに疑問を持つ機会を与えてあげることです。そこにある答えを当たり前と受け止めず、不思議に思うことから思考力は育ちます。これこそ学校や塾に任せずに、家庭内で親子で取り組みたいことです。
ここで私が、娘のすみれの小さい頃から楽しんできた遊びをご紹介しましょう。親子でリビングでリラックスしている時間に、まず子どもに問いかけてみます。例えばこんな問いです。
「読書をすると賢くなるっていうけど本当かな」
子どもは「うん。賢くなると思う」と答えるでしょうが、そこで終わらせません。続いて「なんで本を読んだら賢くなるの?」と問いかけてみましょう。そしてさらに突っ込んで「読書をしたら賢くなる理由を3つ教えて」とお願いしてみます。
ここで、できたら100均で売っているような小さなホワイトボードがあるとベストです。そこに、子どもが考えた読書するメリットを箇条書きにして発表してもらうのです。ホワイトボードがなければノートでも画用紙でもかまいません。
・知らなかったことを知ることができる。
・普段会えない人や著名な故人の話を聞ける。
・語彙が豊富になる。
こんな答えが並ぶかもしれません。答えが見つからなかったら、練習なのでネットで検索してもらっても構いません。次に、今度はそれに反論してみます。「でも、読書は無駄だっていう人もいるよ。なんでだろう?」。そしてまた、その理由を考えてもらいます。
・家の中で本を読むより、外に出ていろいろ体験したほうがいい。
・難しい本を読んでも理解ができない。
・本で読むより、人に会って話を聞いたほうが分かりやすい。
セルフディスカッションで自己表現に自信がつく
これは、決まった正解のない問いに、賛成と反論の両方を述べる練習、いわばセルフディスカッションです。大切なのは正解を出すことではなく、賛成と反対をそれぞれサポートする理由を自分の頭で考えることです。この練習がいい点は3つあります。
(1)自己表現することに自信がつく
自分のアイディアへの反論を自分であらかじめ想定する練習なので、自分の考えを主張することが怖くなくなります。自分の考えに反論されたとしても「おっしゃることはもっともですが、でも」と返す準備が自分の中でできるからです。
(2)物事を客観的に俯瞰して見るクセがつく
自分の立場を2つに分けて、それぞれをサポートする理由を見つけるプロセスで、客観的な思考力が磨かれます。
(3)相手を常に尊重することができるようになる
反論までを自分で想定することができるようになると、自分の考えと違う人に会っても、心に余裕をもって対応できます。反対に、自分の考えを否定されても、人格まで否定されたと落ち込んだりすることはなくなります。
他にも題材はたくさんあるでしょう。「この先、自動車は自動運転になるっていうけど、車はすべて自動運転になったほうがいいのかな」「運動は体にいいっていうけど本当かな」「学校の休み時間はもっと長いほうがいいかな」……。会話のネタは、そこらじゅうに転がっています。
リビング学習のために、床にものを置かない?
モノで溢れて雑然としたリビングでは、当然、ゆったりリラックスしてリビング学習……という雰囲気が作れません。シンプル・イズ・ベスト。リビングやLDKは、モノが少ない空間作りを目指しましょう。
我が家のリビングは大テーブルと椅子、本棚くらいしかありませんが、かといって私自身は整理整頓が得意なタイプではありません。
私が一つ決めているルールは、絶対にモノを床に直接置かないこと。ちょっとしたバッグ、雑誌などをとりあえず……と置いてしまうと、モノがモノを呼び、あっという間に増殖。最終的にはモノの上にモノを積み重ねて置くようになり、気がついたら足の踏み場もない状況に陥り、リビング学習どころではなくなります。このルールが守れたら、意外とすっきりした空間を保てるものです。
我が家では2004年、娘が11歳のときに大きな台風が地元大分を直撃。記録的な大雨で我が家は2メートルも床上浸水し、大事なピアノまで流されてしまいました。
ピアノが流されたのはさすがにショックでしたが、それ以外の流されたモノから学ぶことが多々ありました。この体験を通して、本当に必要なモノは限られており、不要なモノに囲まれた生活が自分たちを不自由にしていると改めて感じました。モノを手放すことに躊躇しなくてもいいのです。
お母さんとお父さんが最低限のモノしか持たない生活をしていたら、子どもたちもその背中を見て真似るようになります。「片付けなさい!」とtellする前に、すっきり片付いているリビングをshowしましょう。子育てのイライラの一つもなくなります。
宿題は会話のネタ元
リビング学習は家族全員参加型。お母さんとお父さんも子どもたちと一緒に勉強する習慣をつけてください。きっと楽しいですよ。とくに宿題は家族みんなでやってはいかがでしょうか。
アメリカにも宿題はありますが、ハーバード生に聞くと「子どもの頃の宿題は家庭みんなに与えられたもの」だと捉えています。日本人のように、子どもが個室にこもり、うんうんと唸りながら一人で解くものだとは考えていないのです。
宿題は家族のコミュニケーションのネタのようなもの。学校と先生が恰好のネタを提供してくれると捉えたら、「宿題をやらされている」という受け身かつネガティブなイメージが、前向きかつポジティブに様変わりするに違いありません。
さらに、リビング学習のメリットは生涯にわたって続きます。前述のハーバード生のアンケートで、両親とのリビング学習で得たものは何ですか、との私の問いに、
「学ぶことが本当に好きになった」「学びの真の価値に気づいた」
「生涯学びつづけることの意義がわかった」
「一生学んでいきたくなる探究心を育んでくれた」
このような回答がたくさんありました。
リビングから始まった学習習慣が外に向けられ、コミュニティから地球全体への好奇心、探究心へとつながります。まさに、リビングは世界へのアクセスポイントなのです。
親子のコミュニケーションはすべて、子どもの好奇心や探究心を刺激するリビング学習とすることができるのです。
『ハーバード生たちに学んだ「好き」と「得意」を伸ばす子育てのルール15』では、廣津留すみれさんが幼少期に行っていたおうちでの学習法を具体的に紹介。すみれさんも実践していた1日5分でできる超スピード英単語&英語センテンス暗記メソッドほか「ひろつる式・英語学習メソッド」も公開しています。
(構成/下井香織)
